「数理・データサイエンス・AI」教育に力を入れる大学 すべての学生に求められるデータサイエンスリテラシー

「数理・データサイエンス・AI」教育に力を入れる大学 すべての学生に求められるデータサイエンスリテラシー

新たなイノベーションを起こすために不可欠とされるAI・データサイエンス技術。
この分野で日本は世界に大きく後れを取っている。
そうした状況を打破すべく、データサイエンス系学部の設置が進む。
さらに近年は、全学的に「数理・データサイエンス・AI」教育プログラムの構築を進める大学が増えている。

日本が世界から後れを取るとされる情報技術。この分野に関する学部を持つ日本の大学は、約100大学。情報系学部には三つのカテゴリーがあり、日本が大きく後れをとっているといわれるデータサイエンスやAI技術について学ぶ、データサイエンス学部は、ビックデータなどの情報をもとに、社会や自然に関するあらゆる課題を分析する総合情報学に分類される。総合情報学以外にも、情報にアプローチする学部・学科の種類は複数あり、ハードウエアやソフトウエアの開発など、社会や生活を支えるコンピュータ技術を学ぶ情報工学。コンピュータによる情報処理やデータ解析を学ぶ情報科学がある。

データサイエンス系の先駆けになったのは、2017年に日本初のデータサイエンス学部を設置した滋賀大。その後、データサイエンス学部の設置は進み、横浜市立大や武蔵野大、立正大が開設。23年度は、一橋大のソーシャル・データサイエンス、名古屋市立大・データサイエンス、北里大・未来工、順天堂大・健康データサイエンス、東京都市大のデザイン・データ科学、京都女子大・データサイエンス、大阪成蹊大・データサイエンスなどが新設予定だ。

もちろん、全ての生徒がデータサイエンスを専門的に学びたいと考えるわけではない。それでも、現代の「読み書きソロバン」と言われる「数理・データサイエンス・AI」に関する知識は、これからの社会を生きる生徒にとって不可欠な知識だ。

政府が統合イノベーション戦略推進会議においてまとめた「AI戦略2019」では、文系と理系を問わず全ての大学生が、初級レベルの数理・データサイエンス・AIの能力習得を求めている。さらに「応用基礎教育」において、文理を問わず、一定規模の大学生が、自らの専門分野への数理・データサイエンス・AIの応用基礎力の習得を目指すとしている。

「AI戦略2019」では、大学の卒業単位として認められる数理・データサイエンス・AI教育のうち、優れた教育プログラムを認定する制度を設けた。正規の課程において学生の数理・データサイエンス・AIへの関心を高め、かつ、適切に理解し、それを活用する基礎的な能力育成のための知識及び技術を体系的に身に付ける教育について、文部科学省は「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」のリテラシーレベルと応用基礎レベルを認定した。志望大学の取り組みについて、掲載した一覧表で確認してほしい。

これからの時代を生きる全ての生徒にとって、情報の学びは不可欠。リテラシー教育に力を入れる大学を選ぶのか、総合情報学、情報工学、情報科学の各分野で専門知識の獲得を目指すのか。自らの将来設計に沿って選択することになりそうだ。

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