東京情報大学が先端データ科学研究センターを開設
データや研究活動への興味を高められるフィールドが誕生ー東京情報大学

東京情報大学が先端データ科学研究センターを開設<br>データや研究活動への興味を高められるフィールドが誕生ー東京情報大学

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30年以上にわたる情報教育の歴史を持つ東京情報大学は、データサイエンスや人工知能などの情報技術を活用し、新たな価値の創造を目指す拠点として「先端データ科学研究センター」を開設した。学部1、2年次から専門領域の学びに触れられるなど、学生への教育面にも注力。あらゆる分野でデータの活用が求められる「未来社会」を担う人材育成に取り組んでいる。

取材・文 松平信恭(大学通信 )

東京情報大学が先端データ科学研究センターを開設

東京情報大学副学長
布広永示教授
総合情報学部
村上洋一准教授

インターネットはもちろん、携帯電話さえ普及していない1988年に、日本初の総合情報大学として開設された東京情報大学。ICTを駆使して地域包括ケアを担う看護師の養成を目指す看護学部と、情報社会の急速な進展に対応できる専門性の高い人材の育成を目指す総合情報学部の2学部体制で、未来を切り拓く学生を育てている。

2021年には「先端データ科学研究センター」の運用を開始。多種多様なデータを解析して、社会で活用していくための技術や解析手法の研究を推進している。

同センターは、「生命情報」「情報セキュリティ」「機械学習」「情報基盤」の4つの研究ユニットから構成される。バイオ、セキュリティ、人工知能、心理など、さまざまな専門分野でデータを活用する研究者が議論し合うことで、新しい情報処理の技術をつくっていくことを目指している。

先端データ科学研究センターの特徴の一つに、教育面での取り組みに力を入れている点が挙げられる。先端データ科学研究センター長で、東京情報大学副学長の布広永示教授はこう話す。

「データサイエンスは一般化し、多くの大学で必須の科目となってきています。そんな中、特に情報処理を学ぶ学生に対しては、データに興味を持ち、データにどんな意味があるのかを考える機会をつくりたいという思いがありました。先端データ科学研究センターは学部から独立した組織として、ゼミに入る前の1、2年生の頃からデータ科学の研究に触れられるように、比較的自由にさまざまな取り組みを行っています」

意欲ある学生に早期からデータ科学を学ぶ機会を

先端データ科学研究センターが行う教育的な取り組みの一つに、学部1、2年生を対象とする「早期研究体験プログラム」がある。参加者の学生は興味のある研究ユニットに所属し、教員の指導の下で研究体験を開始。教員や大学院生とふれあいながら、研究者としての基本的能力を身につけていく。

こうしたプログラムが作られたのは「大学へ入ったのに専門的なことを学ぶ機会が少ない」という1、2年生からの声がきっかけとなったそうだ。早期研究体験プログラムを中心となって推進する、総合情報学部の村上洋一准教授はこう話す。

「データの扱い方を学んだり、論文を読んだりすることに加え、実際にデータを触ってもらいながら分析や解析にも取り組みます。学生にデータの面白さを体感してもらうのがプログラムの一番の目的です。『もっと知りたい、勉強したい』という気持ちを持った優秀な学生が増えてきているので、意欲ある学生の受け皿になれればと考えています」

一般的には、専門的な分野を本格的に学べるのは研究室へ配属となる3年次以降。早くから研究に取り組みたい学生に学びの場を提供し、成長をサポートする役目を同センターが担っている。

22年度の早期研究体験プログラムには、合計6人(1年生4人、2年生2人)の学生が参加している。早くから研究の基礎を身につけることで、3年次からのゼミでの研究活動へもスムーズに移行できる。同センターで学んだ学生は研究内容が専門化してきており、実用的な「使える技術」の研究も増えているという。

先端データ科学研究センターの開設で、分野横断的な研究が生み出される素地もできつつある。東京情報大学の総合情報学部は、「情報システム」「データサイエンス」「情報メディア」の3つの学系に分かれて教育・研究活動が行われているが、同センターでは学系の枠を超え、研究内容をもとに前出の4つの研究ユニットが構成される。学生にとっては専門が異なる複数の教員から指導を受ける機会となり、新たな視点に気づきやすい環境で学ぶことができる。

同センターが実施する「データサイエンス研究構想コンテスト」は、こうした「横のつながり」を創出する役割を狙った取り組みの一つだ。このコンテストでは学生が身の回りの面白いデータを分析・解析して、データから得られたことをポスターにまとめて発表する。研究室や専門分野の違いをこえて自由にアイデアを出し合うことで相乗効果が生まれ、新たな研究テーマを発見するきっかけとなることも期待されている。

情報化が進む医療系分野データ科学で未来を切り拓く

東京情報大学では看護学部においても、「看護と情報」「プログラミング入門」といった情報系の科目が用意されている。現代の在宅看護や地域医療の現場では、患者のデータをどう扱うかが大きな問題となっているほか、基本的なデータの見方や扱い方を知っていれば、患者の心拍数など日々のデータから状態の変化に気付けることも多い。医療系分野でのデータ活用はますます進んでいくことが予想され、学生時代にデータに触れておくメリットは大きい。

先端データ科学研究センターの各種プログラムには、看護学部の学生ももちろん参加可能。データを扱う経験を通して論理的思考力を高められる上、分野を超えた発見の機会ともなる。

「データを見る感覚を持っていれば現場で必ず役立ちます。それを磨くためにも、まずはデータそのものに興味を持ってほしいですね」(布広教授)

東京情報大学では「情報処理や新しい技術に興味があって、何かを作り出していく意欲のある学生を求めている」と布広教授は言う。村上准教授も「さまざまな社会課題の背景に目を向け、次の時代をどんな世の中にしたいかを考えてほしい。データで課題を解決するための技術を身につけたい人を待っています」と話す。単に技術を学ぶだけでなく、データ科学で未来を切り拓いていきたい人に注目してほしい大学だ。

研究を加速する高性能計算機システム

先端データ科学研究センターでは、コンピューターによるさまざまな計算処理を高速に実行できる「高性能計算機システム」を導入している。一般的な計算機が「CPUのコア数が6、メモリが32GB」程度の性能であるのに対し、同センターの高性能計算機は「CPUのコア数が60、メモリが500GB」と圧倒的な性能を有する。

機械学習モデルをつくる研究を例にすると、一般的には1〜2カ月は必要となる処理が、同センターの高性能計算機を用いれば2〜3日程度への短縮が可能に。計算が早く終われば新たな研究にチャレンジする時間ができるほか、同時に複数の処理を行う性能が高いため、さまざまな条件を試してみることができるのも大きなメリットとなる。

こうした最新の設備は、センターで学ぶ学生も活用できる。「研究にはこういう設備が必要なんだ、と体験してもらうのも大切なことだと考えています」と布広教授は言う。ハード面でも学生の成長を後押しする環境は万全だ。

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