入門から応用まで段階的に学べる
AI・データサイエンス教育プログラムー関西大学

入門から応用まで段階的に学べる<br>AI・データサイエンス教育プログラムー関西大学

<PR>

近年、AI(人工知能)やデータサイエンス分野の発展がめざましい。これらの知識や技能は情報系学部の学生のみならず、あらゆる学生にとって重要なスキルになっている。そんな中、関西大学では、2021年より全学部の学生を対象とする「AI・データサイエンス教育プログラム」をスタート。文部科学省から認定を受けた、このプログラムの内容を紹介したい。また、より高度な専門性を学べる学部独自のプログラムについても併せて紹介する。

文 雫 純平(大学通信)

実践的なスキルを身につける3段階のプログラム

AIやデータサイエンス分野の発展により、社会が大きく変わろうとしている。一方、それらを扱える人材は世界的に見てもまだまだ不足しており、わが国でも政府主導で高等教育におけるAI・データサイエンス教育の導入・推進に取り組んでいるところだ。

関西大学はAI・データサイエンスの技術は大学生の誰もが有すべき基礎スキルであるという考えから、2021年より文理を問わず全学部の学生を対象に「AI・データサイエンス教育プログラム」をスタートした。プログラムは「入門科目」「実践基礎」「実践応用」に分かれており、段階的に学ぶことができるようになっている。

「入門科目」では、さまざまな専門分野でのAI・データサイエンス技術の活用事例を各学部の教員がリレー形式で紹介する。AI・データサイエンス技術の開発に関わる教員の実例にも触れながら、データの統計学的な取り扱いと、AI特有のデータ処理技法に関する知識を身につけていく。実施初年度が終わり、履修した学生からは、「文系には関係ない内容だと思っていたが、さまざまな先生の講義を受ける中で、AIやデータサイエンスが文理を問わず役立つものだと気が付いた」「世の中の仕組みや動向を知るために、データを読み解く力が必要であることが理解できた」などと好評で、約9割の学生から「AI・データサイエンスに関する科目を今後も受講したい」との回答が得られた。特に初学者の関心を高めるという点で高い効果があったようだ。

2段階目である「実践基礎」は、2022年より設置されている。ここでは統計学に加えて、機械学習、深層学習、ファジー理論などの基礎理論を実践的に学んでいく。さらに、社会のあらゆる活動をデータ化し、蓄積したビッグデータに対して、統計処理技術、AI技術を駆使して新たな知見を獲得する基礎的な技能を身につけるのが目標だ。

そしてプログラム開講3年目を迎える2023年には、「実践応用」の科目設置が予定されている。これは与えられた実践課題に対して、データサイエンスやAI技術を駆使してイノベーションを創出し、世界で活躍できる人材の発掘と育成を図るものとなっている。

3段階のうち、「入門科目」については1年間の実施実績をもって、文部科学省から「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)(※)」に認定されている。同様に、「実践基礎」についても1年間の実施実績を得られる2023年には「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)(※)」への申請を予定している。また、「AI・データサイエンス教育プログラム」修了者には、科目・単位の修得を示す従来の成績証明書に加え、どのような能力を修得したかという、学習歴を証明するデジタル証明書(オープンバッジ)(図1)が発行されるようになる。

図1 関西大学オープンバッジのイメージ

学部独自のプログラムでより高度な専門性を

前述したとおり「AI・データサイエンス教育プログラム」は学部を問わず全学生を対象にしたものだが、複数の学部では専門教育プログラムとして学部独自のデータサイエンティスト育成プログラムを用意している。

総合情報学部では、2021年から文理総合の情報教育カリキュラムを基盤に「データサイエンス教育プログラム」を開設。データの収集、表現、解析の基礎を学ぶ「基礎プログラム」と、データを高度に活用する理論や、AIを利用した情報システムの構築等を学ぶ「応用プログラム」が用意されている。

システム理工学部では2020年から電気電子情報工学科で「データサイエンティスト育成プログラム」を開始。実践的なデータ分析技術を体験する問題解決型学習を実施している。また、2022年からは機械工学科で「機械データサイエンス教育プログラム」を開始。機械そのものや物理現象を計測して得たデータを処理、分析し、意味のある「情報」として抽出する能力を養う。

文系学部では、商学部に「サービスイノベーション特別プログラム(DSI)」がある。このプログラムではデータマイニング、つまり膨大なデータの中に潜む有用な情報を見つけ出す技術の習得に重点を置き、データ分析を新商品の開発など、新たな価値を創造する企業活動に活かすことのできる人材を育成している。

これら学部独自のプログラムは、全学共通の「AI・データサイエンス教育プログラム」との連携でさらなる相乗効果が期待されている。

今後、社会におけるAIやデータサイエンスの重要度がますます高まっていくことは間違いない。関西大学のように、全学を挙げてAI・データサイエンス教育に注力する大学は、今後も増えていくのではないだろうか。

※数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度:大学等の正規課程において、数理・データサイエンス・AIを体系的に学べる教育プログラムを文部科学省が認定する制度。

VOICE! 「入門科目」受講者の声

この講義を受けるまで、文系の私には、関係のない分野なのだろうと考えることもありました。しかし、様々な先生の講義を受ける中で、AI・データサイエンスは文理を問わず、役立つものだと知ることができました。

この科目を受講して、AIが幅広く活用されていることを知ることができ、今の世の中に対する知識が深まった。統計やデータサイエンスなどの技術を掘り下げるのではなく、世の中の仕組みや動向を知るために、データを読み解く力が必要だという事を理解できた。

この講義は、これから社会に出て、色々な異なる分野で活躍する大学生が知っておくべき内容であり、大学の教養科目に適した講義だと思った。毎回の小テストは、知識の定着がはかれて、とても良い方法だと思った。

講義を受けて、AI・データサイエンスに関する様々な知識を学ぶことができました。オンデマンド授業は繰り返し動画を見返すことができるので、より理解が深まるように感じました。

関西大学では、今後も「AI・データサイエンス」に関する科目の整備を進める予定で、『関連する科目が開講されたとき、受講してみたいですか?』というアンケートに対して、約90%の学生が「受講してみたい」との前向きな回答をしている。多様な背景を持つ、様々な学部の学生に対して、多くの学生から満足感を得られている。
(2021年度 「AI・データサイエンス教育プログラム」 自己点検・評価報告書より)

ユニヴプレスMAGカテゴリの最新記事

ユニヴプレス