<PR>
取材:松平信恭(大学通信)
神奈川県藤沢市の高台にキャンパスを構える聖園女学院。湘南・江ノ島を遠望する広い敷地には豊かな自然が広がり、四季折々の花が校内に彩りを添えています。時間の流れがゆっくりと感じられる静かな環境で、中学1年生から高校3年生まで458人の学生が学びを共にしています。
近年は教育現場でも多様性が重視されますが、聖園女学院では1946年の創立時から「あなたはあなたのままでよい」「自分と他者との違いを認め、協力し合いましょう」という教えを実践してきました。同校の生徒一人ひとりを個として尊重する温かい校風や手厚い教育体制は共感を集め、学校説明会では県外や海外からの帰国生なども多く参加するそうです。
あらためて聖園女学院の学校生活や教育体制の進化、そして気になる進学状況についてお話をうかがうとともに、同校に在籍する高校3年生のお二人に学校に対する印象を聞いてみました。
のびやかな校風で、国内生も帰国生も「自分らしく」
ーー まずは学内の雰囲気や、生徒の方々の全体的な印象について紹介していただけますか?
小倉先生
カトリックらしい校風や在校生の様子、学校説明会での校長先生(神父様)の話に共感して入学してくれる方が多く、みんな自分らしくのびのびと過ごしています。もちろん中2〜中3くらいになると元気いっぱいに自然な反抗期を迎え、友達とぶつかり合うことも当然出てきますが、基本すぐに仲直りし、特に高校に上がるとさらにお互いの長所や人間らしい部分を認め合い、受け入れ合うようになっていきます。そんな人間的な成長には、聖園の朝終礼時にお祈りする御言葉や聖書での学び、そして黙想の習慣が影響していると感じます。御言葉から人を大切にする方法を学び、祈りを通じて自分の内面と深く向き合い、神さまの声をきくことによって、目に見えない部分や友だちの抱えている背景を想像し、思いやる受容の心を育むのでしょう。
なによりも大切にしていることは、「ありのままの自分を大切にすること」「自分の原石を精一杯磨き、輝かせていく」ということ。生徒は誰もが成長していつか花を咲かせていきますが、そのタイミングは人それぞれです。生徒の持っている個性や豊かさは、その人に合った一番良いときに必ず咲くから、安心してここで育っていってね」という気持ちで見守っています。1学年が100人前後、クラスも27~35人規模の学校なので、生徒同士や教員との距離感が程よく近く、それも心理的な安心感につながっているのかもしれませんね。
聖園の穏やかでのびのびとした雰囲気は、そんな校風が現れているような気がします。
充実の英語教育
ーー 学習面で特に力を入れて取り組んでいる点など、聖園女学院らしい特徴があれば教えてください。
小倉先生
まず教員のサポートが充実していること、次に英語教育に非常に力を入れていることが大きな特徴です。たとえば理科の実験や家庭科の実習では、メインの教員に加えて、サポートの教員が入る体制を取っています。一人ひとりに目が届くので生徒も気軽に質問しやすいですし、理解が追いつかず困っている子はすぐにフォローしてあげられるのです。
英語に関しては講読、基礎英文法・語法、英会話と、週6時間かけてバランス良く取り組んでいます。英会話の授業ではクラスを2つに分けています。たとえば30人クラスは15名ずつの少人数制で行います。そのため、本校の英会話の授業では生徒一人ひとりが圧倒的な発話量を確保しています。3名のネイティブ教員が専任でおりますので、この環境は非常に恵まれていると思います。たとえば、朝礼前には英検対策、昼休みには授業の質疑応答、放課後はライティングの添削やスピーキング対策など、サポート体制が充実しています。
また聖園女学院はアメリカ・ヨーロッパ・アジアなどいろんな国で過ごしてきた帰国生が多く在籍しているため、入学時から非常に高い英語力を持っている生徒もいます。そんな生徒には「取り出し授業」として週6時間のうち4時間をネイティブ教員によるAll in Englishで授業を行っています。
この取り出し授業は帰国生だけでなく入学時に英語力が高かった生徒や英語力が伸びた帰国生ではない生徒など、誰でも入るチャンスがあります。最初は英語が得意ではなかった生徒も、一生懸命頑張って中学2年で取り出し授業に参加し始めた生徒もいました。
英検やGTECの校内受検を導入し、学内でスピーキングテストの検定も実施。また毎月海外とオンラインで英会話するなど、充実した学習環境をいかしながら、生徒たちは力を伸ばすことができていると思います。
ーー グローバル化で文系理系問わず英語力が必須の時代ですから、帰国生に混じってネイティブの授業にチャレンジできるのは、大いに刺激になりますね。
小倉先生
本当にそう思います。またMEA(Misono English Academy)というさらにアウトプットができる英語・国際教育の取り組みも行っています。これは2名のネイティブスピーカー教員が昼休みと放課後に常駐している部屋があり、昼休みや放課後の120分~150分をAll in Englishで過ごして総合的な英語力向上を目指します。一緒に楽しくゲームをすることもあれば、ディベートやスピーチ、アカデミックなプレゼンテーションに挑戦することもあります。任意参加ですが毎日校内でミニ留学ができると人気を集めていて、最近は予約制になることもあります。コロナ禍では、オンラインでMEAを実施するなど、継続した英語学習環境を提供でき、多くの生徒たちが利用しながら発信力を高めています。私も利用したいくらいです(笑)。
ーー 海外での語学研修プログラムも充実しているそうですが、どのような制度があるのでしょうか?
小倉先生
はい。例年と15名~20名の希望者が中学3年生の1月から3月にかけてニュージーランドに約3か月の中期留学に行っています。留学先も現地でAランク評価を受けているトップクラスのカトリック女子校と提携しているため、高い学力層と同じカトリックを土台とした学習環境に保護者の方にも安心して送り出していただいております。また、高校1年次から2年次にかけて1年間滞在する長期留学制度もあります。さらに、高校1年生では夏休みにカナダで約2週間の短期留学を行っています。今年はコロナ禍ながら3名がアメリカとカナダに1年間の留学に行くことが決まり、職員室に挨拶に来ました。また、2022年3月にはトビタテJapanの日本代表としてイギリスへ留学する生徒もいます。
教員・メンター・予備校教員が三つ巴で学習サポート
ーー 英語教育のほかに、近年は学習支援体制も進化しているとうかがいました。どのような取り組みを行っているのでしょうか?
小倉先生
まずは私たち教員が朝・昼・放課後など授業以外でもしっかりサポートする体制を作っています。生徒たちが黒板に名前を書きあって質問の順番待ちをすることもあれば、生徒の力に適した教材や課題を提供することも多いです。
今年度からは英語・数学の強化対策として、難関大学の進学希望者向けの「講習」、基礎学力の定着を図るための「補習」をスタートしました。生徒たちも普段から慣れている教員が担当するので安心感があり、一人ひとりの力を伸ばせる学習環境であると好評です。
このように、まずは私たち教員が軸となって学習支援を徹底します。さらなる後方支援として大学生メンターと現役予備校講師の方々による学習サポートの場も提供しています。メンター制度では、国公立大学や難関私大に通う女子大生が毎日本校に交代で常駐し、個別指導や学習サポートに当たってもらっています。勉強のアドバイスや質問対応はもちろんのこと、試験前には学年ごとに対策プリントを作ってくれたり、どのメンターも大変熱心に取り組んでくれています。生徒も志望する進路に向けてどんな学習計画を立て実行してきたかなど具体的に尋ねたり、大学における学部・学科での学びや研究内容を教わるなど、メンター制度をうまく活用しています。
そして放課後には現役予備校講師を本校にお招きして、夜7時まで希望者向けに5教科の受験支援講座を開講しています。私たち教員が部活や面談でどうしても対応できない時間もありますので、その間も勉強したいという生徒に受験のプロによるサポートを提供しているのです。「塾や予備校に通った方が良いですか」と尋ねられることがありますが、基本的にはこのような学校のサポートを受けながら、苦手な科目だけ予備校の授業で必要な部分を補うなど、うまく活用している生徒が多いと思います。なかには高3で「先生が英語を見てくれるので予備校はやめました」という生徒もいたほどです。今後は「聖園では、塾や予備校に行かなくてもいい」と言っていただけるくらい、学習支援が充実した学校にしていきたいと思っています。
潤沢な進学先
ーー 実際の進路や進学状況についてはいかがでしょうか。聖園は指定校も非常に充実していますよね。
小倉先生
本当にありがたいことに、全生徒分の人数分以上の指定校枠をいただいております。上智、立教、青山、学習院、東京女子、日本女子、聖心、フェリス、そして東海エリアの方にはとても驚かれるのですが、南山大学は母体を同じくしていることもあり毎年40名の学園内推薦をいただいております。聖園の教育水準をしっかりご理解いただいているので、校内選考基準をクリアした生徒であれば学校長の推薦で試験なく進学できます。また、南山大学近くに学生寮があるので、体一つで南山大学へ進学が可能です。
こうした進路の充実ぶりもあって、先日は学校説明会にわざわざ静岡県の沼津市から参加していただいた方もいらっしゃいました。
ただ本校では指定校を利用する際には、生徒のやりたい学問と進路の学部学科が一致しているかどうかを非常に重視しています。また、1人ひとりが自分の使命をしっかりと見出す進路指導をしていますので、直近の総合型選抜では高い合格率をいただくことができましたが、これも生徒の学びたいことと大学側が求める人材像が一致していたからだと思っています。
小倉先生
高校生になると積極的にオープンキャンパスに参加するよう促していますが、大学側が本校でガイダンスを開催してくださったり、模擬授業をしていただくこともよくあります。実際に大学での授業を体験し、アカデミックな部分に触れることで、生徒側も本当に学びたいことと一致しているのか確認ができ、進路の捉え方が明確になっていきます。例えば建築を志望していた生徒が工学系で学ぶ建築とデザイン系で学ぶ建築はまったく異なっていることがわかり、より自分のしたい進路に気づく一助けになったケースもあります。あるいは心理学を学ぶためには、統計がかかわる数学の重要性や海外の文献を読むための英語力を一層大事にしなければいけないことに気づき、努力しているという生徒もいます。こうした大学との連携は大きく生徒の進路選択をサポートし、コロナ禍にあってもオンラインで継続した取り組みを行っています。生徒たちは進路について悩み、真剣に向き合いながらも非常にたくさんのヒントをもらい進路を選択し切り開いていきます。
2019年度から海外大学協定校推薦制度(UPAS)を導入
ーー 近年は大学受験において海外を目指す動きが盛り上がりを見せています。聖園女学院ではどのような対応や支援を行っているのでしょうか。
小倉先生
2019年度からUPASという海外大学協定校推薦制度(UPAS)を導入しました。これはアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリアの4か国にある約70の大学へ進学する道が開かれるというものです。大学によっては、聖園女学院の評定および英語検定によって、推薦で進学できる大学もあります。
入学基準は大学によって異なりますが、例えばアメリカのある大学では高校の評定3.5以上かつ英検の2級(合格A)で出願ができ、かつ合格者全員に奨学金が$29,255授与されます。通常なら授業・寮費の目安として$45,110ほどかかる費用が適用後は$15,855くらいで進学への道が開かれるとなると、生徒にとっても保護者にとっても海外進学の可能性は広がりますよね。もちろん大学によっては入学基準が評定4.0以上かつTOEFLやIELTSも一定のスコアが要求されたり、難易度もさまざまです。制度がスタートしてすぐにコロナ禍が始まったため、昨年度に利用する生徒はいませんでしたが、今後はどんどん利用が増えていくのではないかと考えています。またこの制度の利用はしていませんが、今年の3月にロシアのLomonosov Moscow State Universityに合格した生徒もいます。帰国生が多いため海外大学への進学に興味を持っている保護者の方も多く、今後は聖園女学院から海外の大学へ進学を希望する生徒も増えてくると感じています。
ーー 最後に保護者の方、受験生の方にメッセージをお願いします。
小倉先生
聖園女学院で私自身がとても大切にしていることは、祈る心を育て、見えないものを見る力を育み、人とひととの触れ合いを大切にしていることです。そしてそれは、生徒たちの性質にとてもよくあらわれていると思います。自分の心の中にしっかりと判断基準を持っている人は強いですから、今後どんなことがあっても生徒たちはしっかりと自分の人生を、祈りとともに切り開いていく力が養われていると感じています。
みなさんもいろんな学校を検討しておられ、それぞれの学校が持つ特徴や良さがあると思います。ぜひ、聖園女学院にも足を運んでいただき、のびのびとした環境や実際の雰囲気を感じていただきたいと思っています。そして何より、生徒たちの様子に加え私たち教員の様子もぜひ見ていただきたいと思っています。そうしてお嬢様にとって最善の環境が本学院であればとても嬉しく、神様からのお導きだと思っています。
もし聖園にお越しいただけましたら、お子さまが神様に与えられた使命を、そしてその原石をしっかりと輝かせられるように私たちは全力でサポートし、寄り添って歩んでいきますので、どうぞ安心してお越しください。
【関連記事】
自分の力で歩んでいける「踏み出す人」を育てる理由
手厚い学習サポートと充実の英語教育。海外大学推薦制度も始まり、海外への進学も夢じゃない。(後編)