生徒たちがいろいろなことに興味をもつ「きっかけ」を与える学校-獨協埼玉中学高等学校

生徒たちがいろいろなことに興味をもつ「きっかけ」を与える学校-獨協埼玉中学高等学校

取材・文:雫 純平(大学通信)

前回、獨協埼玉中学高等学校の酒井直樹先生へのインタビュー記事では、獨協大学への推薦を前提に高校3年次に卒業論文や課題図書など大学の学びを先取りできる獨協コースや、獨協大学への推薦を確保しながら他大学の一般入試にチャレンジできる併願推薦、獨協大学を第一志望とする場合の単願推薦など、先進的な高大連携の取り組みと多様な大学進学制度についてご説明をしていただきました。
(卒業論文、課題図書… 先進的な高大連携の取り組み―獨協埼玉中学高等学校
 https://univpressnews.com/2020/11/02/post-6819/)

今回は2021年度より獨協埼玉中学高等学校の第7代校長に就任した尾花信行校長にインタビュー。体験を重視する教育の伝統や、今後の展望、また獨協医科大学への推薦枠の拡大を含めた大学進学状況についても併せて語っていただきました。

尾花信行校長にお話をいただきました。

“ワクワクドキドキ”をたくさん与える

――まずは、獨協埼玉中学高等学校の教育の特徴を教えてください。

尾花 本校の教育理念は、「自ら考え判断することのできる若者を育てる」こと。そのために重視しているのが、帰納的手法、つまり実体験を伴う学習です。中学からなら6年間、高校からなら3年間でたくさんの知識を身につけますが、単なる詰め込みに終始せず、生徒たちが自ら興味をもって探求したくなるようなきっかけ、一言で言えば”ワクワクドキドキ”をたくさん与えていきたいのです。

中学1年生で行う田植えはその象徴的なものですね。自らの手で米づくりを体験することで、水稲の生育、農業をめぐる諸問題、食文化や祭りなど様々な事柄について考えるきっかけが生まれます。

また、本校では理科好きを増やしたいという意図から理科の実験の時間を多くとっています。その成果か、本校のサイエンス部は近年全国レベルの活躍を見せています。理科の実験というきっかけで生徒たちが興味をもち、自ら学んで高いレベルまで達した成功例の1つとして嬉しく思っています。

――昨年からコロナ禍が続いています。御校にはどのような影響がありましたか。

尾花 昨年4月、最初の緊急事態宣言が出された際に本校も臨時休校となりました。それから校内のWi-Fiを整備し、chromebookを生徒全員に配布するなどしてオンライン授業の環境を整えています。田植えなどいくつかの行事が中止になった一方で、オンライン英会話など新しく導入できたものもあります。

コロナ禍でも教育は止めずに行うことができましたが、やはり生徒たちは不安だったと思います。オンライン授業の期間中は必ず朝と帰りにホームルームを行い、家庭にいても学校とつながっているという安心感を与えるように努めていました。通常登校がはじまり生き生きしている生徒たちの顔を見ると、教育は対面で行うことが大切なのだと改めて実感します。

「教育は可能な限り対面でやりたい。我々にとっても、生徒と会えることが一番楽しいです」

――尾花先生が第7代校長に就任したことで、学校はどう変わっていくのでしょうか。今後の展望を教えてください。

尾花 校長は変わりましたが、目新しいことに飛びついて教育方針を大きく変えるようなつもりはありません。本校は1980年の開校以来、40年以上の歴史の中で一貫して人間形成を軸にした教育を行ってきました。課外活動や年間行事、総合的な学習の時間を重視する現在のカリキュラムもその延長線上にあるものです。この伝統を大切に守りながら、今一度日々の授業の大切さに立ち返り、課題を見つけるなどして発展させていきたいです。

獨協医科大学との高大連携

――大学進学の状況についても教えてください。獨協大学の付属校ながら、獨協大学への進学者は2割程度しかいないと聞いています。

尾花 かつては、獨協大学への推薦入学を希望する生徒が過半数を占めている時期もありました。ただ、生徒の特性や興味はそれぞれですので、もっといろいろな大学をみて自分に合った進学先を選んでほしいという思いがありました。自分の学びたいことを本当に学べる大学を探すように進路指導をし、他大の入試にも対応できるようカリキュラムを整えていったところ、国公立大学や有名私立大学への進学実績が少しずつ伸びてきました。21年春の合格実績は、国公立大学に17人、早慶上理*1に36人、GMARCH*2に122人など。特に、一定の要件を満たせば獨協大学への推薦を確保しながら他大学の一般選抜を受験できる併願推薦の制度を活用し、気持ちに余裕をもってチャレンジしたことで良い結果を手にした生徒が多くいます。

獨協大学
獨協医科大学

また、本年は医学部医学科の合格者が8人いたことも特徴です。うち2人は獨協医科大学への推薦ですが、その推薦枠が来年から拡大する予定です。獨協医科大学の教授が本校を訪れて講義を行い、逆に本校の生徒が獨協医科大学を訪れて実習を見学するなどの連携企画も始まっています。埼玉県内には医大の付属校はほかにないということもあり、最初から医学部を志して入学してくる生徒が増えていますので、彼らの期待に応えられるような教育を展開していきたいという思いがあります。

*早慶上理…早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学
*GMARCH…学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学

東京・千葉からの越境通学者も多い

――獨協埼玉中学高等学校の入試に関するトピックがあれば教えてください。

尾花 本校は埼玉県越谷市に所在していますが、最寄りのせんげん台駅は東武スカイツリーラインが使えますので、東京や千葉からの通学も可能です。実際に越境通学している生徒は数多くいます。来年の中学入試では東京に隣接する埼玉県川口市の試験会場が復活しますので、埼玉県外の受験生がより増えてくれることを期待します。都内の学校では見られない広大な敷地を持っている点や、朝は下りの電車で比較的楽に通学できる点など、県外の受験生にとっても魅力的な点は多くあります。

――最後に、読者の方へのメッセージをお願いいたします。

尾花 まずは、本校を受験しようと考えている受験生に向けて。様々なタイプの生徒がいて、それぞれが自分の場所を見つけられることが本校の良さの1つです。運動であったり読書であったり、何でも良いのですが、自分の好きなことを1つ持っていると良いですね。好きなことを楽しめるような元気な心を持った子であれば本校で伸びると思います。

次に、保護者の方に向けて。お子さんにとって一番かわいそうなのは、学校と本人の特性とのミスマッチです。数字や思い込みだけで学校を選ばすに、ぜひ色々な学校について調べてみてください。その上で、もし本校にご興味を持っていただけるのであれば説明会にお越しください。本校の魅力をより詳しくご説明いたします。

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