都内在住者は高校授業料が実質無償化へ!中高一貫校にはない高校単独校の「良さ」とは?―拓殖大学第一高等学校

都内在住者は高校授業料が実質無償化へ!中高一貫校にはない高校単独校の「良さ」とは?―拓殖大学第一高等学校

取材:雫 純平(大学通信)

多摩都市モノレール・西武線の2路線が乗り入れる玉川上水駅からわずか徒歩3分。東京西部にキャンパスを構える拓殖大学第一高等学校(以下、拓大一高)では、2年前のコース編成変更に伴って志願者を伸ばしています。また都内屈指のゆとりのあるキャンパスを活かして部活動が盛んなことでも知られており、いくつかの部は都大会や関東大会で優秀な成績を修めています。

同校で入試広報を担当している入試部長・北野邦雄先生に、直近の大学合格実績や学校生活の様子についてお話をうかがいました。

入試部長北野邦雄先生(数学科)

東京都が収入制限のない高校の授業料無償化を決定
私立高校がさらに身近な選択肢に

ーー拓大一高は近年安定した大学合格実績を上げていて、とくに東京西部では進学に強い高校として人気が高まっています。直近の状況はいかがでしょうか?

北野先生:ありがとうございます。昨年度の実績でいうと国公立大学が23名、早慶上理ICUの難関私大に50名、GMARCHに209名です。極端に増減することもなく、ほぼ例年通りの数字だと思います。

もともと本校では国公立大学への進学を目指す特進コース(定員60名)、早慶上理の難関校も含めて私立大学を目指す普通コース(定員340名)の2コース体制を取っていました。この「普通」という名称が誤解を招きやすかったので、実態に見合った名称へと変更したのが2年前のことです。国公立大学と最難関私大を目指す特進コースを定員100名、残りの300名は難関私大GMARCHを含め多様な進路希望に対応するコースとして新たに進学コースという名称に変え、カリキュラムもより特化した内容になりました。自分の受験や進学に必要なものを決めて選べるようになってほしい、という狙いから、2年次以降選択科目を増やしているのも特長です。授業内容のクオリティを維持しつつ授業時間に余裕ができる設定になったので、部活動との両立もしやすくなりました。

ーー合格実績を年々伸ばすいっぽうで、拓大一高では以前から部活動が盛んですよね。

北野先生:おっしゃる通りで、全校生徒の約80%が部活動に参加しています。いまだに進学説明会で保護者の方に「特進コースの生徒でも部活動に入れますか?」と質問いただくことがありますが、本校ではそれが特にめずらしいことではありません。特進コースでも6割以上の生徒が何らかの部活動に参加していますし、そのなかには運動部の部活を一日も休まず打ち込みながら、奨学生として表彰され奨学金の支給対象になる子もいるほどです。そういう生徒がいるからこそ「部活の時間を担保しつつ絶対に勉強の効率と質を落とさないカリキュラムにしよう」と、学校側も新カリキュラムの編成には特に気を使いました。実際にコース編成を変えた現在の2年生から、部活動の加入率は上がっています。

高校から気持ち新たにスタート
都内公立中だけではなく他私立中や他県からも入学

ーー単独校の拓大一高が人気を伸ばしている理由をどのように分析していますか?

北野先生:ひとつにはアクセスの良さがあると考えています。最寄り駅から徒歩3分という立地はやはり毎日の通学に便利です。乗り換え1本でJR中央線、青梅線、京王線、西武線に効率よく接続できるので、本校近隣の三多摩地区だけでなく、都内23区、埼玉県、神奈川県、山梨県から通ってくれる生徒もいますね。とくに本校のある東京都の西部では駅から至近の学校は少ないです。勉強をするにも部活に打ち込むにしても駅からのアクセスは非常に重要ですよね。

またアクセスは抜群にいいのにもかかわらず敷地面積が広く、設備面にすごくゆとりがあるのも特長です。現校舎に移転して19年経ちますが(創立からは75年)、子どもたちが大切に使ってくれたこともあって校舎は綺麗ですし、グラウンドや体育館などの設備面も広々として充実しています。これも部活動が盛んな理由かもしれません。

抜群のアクセスでありながら広い校地を擁しており、さらに相応の大学合格実績がある「高校から入学できる学校」というと都内では限られてきます。

ーー単独校ならではの強みはどんなところにあるのでしょうか?

北野先生:意外に思われるかもしれませんが、我々は「高校から入学できる」ことは重要な要素でストロングポイントにもなると考えています。三多摩地区の中学受験率は23区ほど高くないですし、高校から入学できて相応の進学を目指せる学校となると、じつは都内でも選択肢はそれほど多くないのです。中高一貫校に高校から入るという手もありますが、付属中学からの人間関係が確立されていたり、授業が公立中学校よりかなり進んでいたりと、子どもたちには少なからずプレッシャーが伴います。まったく新しい人間関係で、みんなが同じスタートラインから始められるというのは、単独校ならではの強みと捉えています。実際に中高一貫校から受験して入学してくる生徒もいますから。小学6年生で確かな進路を選択するということは簡単なことではないですよね。入学して3年過ごしたもののミスマッチを感じたり、いい意味でステップアップしたいと受験してくれた生徒もいました。同様の相談が少しずつ増えてきているので、そこでの受け皿としても我々が機能できるならうれしい限りです。

ーー経済的な事情が許せば、勉強と部活の両方を充実させたい受験生には非常に魅力的ですね。

北野先生:そういうイメージ(私立は学費が高い)がありますよね? でも都内在住のご家庭に限られますが、じつは授業料のほぼ全額が国と東京都の助成金だけでカバーされているんです。そして先日大きなニュースになりましたが、2024年からは東京都の助成金の世帯収入制限が撤廃されました。両親が共働きで世帯収入が910万を超えているという場合でも、授業料は実質無償化されることになりました。

教材費、施設費、生徒会費など授業料以外の諸費用がかかるのは都立高校も同様です。「都立のほうが安い」というイメージが根強いのですが、都内在住のご家庭にとっては公立高校との費用面での差はほとんどなくなりました。費用面で大差がないのなら、駅が近くて安全だし校舎も綺麗、学習支援も充実しているので、都立よりこちらに行かせたいと言ってくださる保護者の方も多く、ありがたい制度だと感じています。

素直に学び合える生徒の裏に、同じ姿勢の教員がいる

ーー学校生活についても教えてください。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行して半年が経過しましたが、どのような変化がありましたか?

北野先生:学校行事がほぼコロナ前と同じ形式でできるようになりました。たとえば体育祭も昨年度まで感染対策で学年ごとに時間を区切って開催してきたのですが、今年度は全学年一斉参加で行うことができました。全校生徒がグラウンドに集って行事を行うのは4年ぶりのことです。1年生、2年生、3年生が縦割りで行事を作り上げていく一体感を、どの学年も初めて感じることができたのではないかと思います。同様に文化祭も保護者や地域の方、中学生も含めて一般公開することができて、劇的に活気が戻ってきました。その様子を見た生徒たちも「学校行事ってこんなに人が集まるんだ」と驚いていましたね。さまざまな制限から解放された生徒たちが、全身全霊でエネルギーを発散して楽しむ様子を4年ぶりに目にして、私たち教員にとっても嬉しいひと時でした。

ーー拓大一高の生徒のみなさんについて、どんな印象をお持ちですか?

北野先生:拓大一高で長く教壇に立っていますが、本当に素直でいい子が多いと感じます。素直といっても自主性がないとかただ従順という意味ではなく、素直に学び、かつクリエイティブに学ぶ姿勢があるということです。「自分に本当に必要なことは何か」ということを考えられる力があるからこそ選択科目を自分で決められるし、学校も選択を委ねるカリキュラムが作れたんですよね。人の言うことを無目的に聞いているわけではなく、いろんな情報を得ようと自ら探索して吸収したり、先生や友達のアドバイスをきちんと受け入れてそれを元に自分で判断できる。そのように素直で素敵な子に保護者の方が育ててくださり、そういう子どもたちが本校を選んでくれたということが一番大きいかと思います。そんな素敵な縁を大切にして、本校での3年間で更に成長してくれるよう教職員一同全力でサポートできればと考えています。

ーー校風についてはいかがでしょうか?

北野先生:素直に学ぶ姿勢があるというのは、生徒だけでなく私たち教員にも同じことが言えると思います。教員同士のチームワークがよくて、非常にフラットな関係性を築いています。たとえばコロナ禍では授業のオンライン化など現場では急激なICT対応が迫られましたが、ITに強い若手の教員に対して、自分のようにITが苦手なベテラン教員はまったく抵抗なく頭を下げて教えてもらったり、アドバイスを受けていました。若い先生も親切に何度でも応対してくれました。だからオンライン授業への対応はとてもスムーズで早かったですよ。大人同士の間でそういう学び合う雰囲気が醸成されているので、自ずと子どもたちにも伝わっていくのかもしれませんね。「先生たちって仲良しだよね」というのは、よく生徒に言われることばです。子どもじみた表現かもしれませんが、とても象徴的で核心をついているし、大事なことだなと思います。

ーー生徒たちも先生方をよく見ているんですね。

北野先生:そうですね。同時に教員も生徒をよく見ています。授業を終えて「今日はこの子の調子が悪かったな」と思ったら、小さなことでもすぐに担任の先生やその日に関わる教員に共有しています。自分の不調をその授業の先生が気づいてくれていたし、それを担任の先生も知っていた。そういうことが学校生活で日常になってくると、すごく自分が見守られているという安心感や、学校に自分の居場所があるんだ、という肯定感につながるとうれしいですね。

ーー最後に、拓大一高を目指す中学生や保護者の方にメッセージをお願いします。

本校は、打ち上げ花火のような強烈な個性を打ち出している学校ではありません。勉強と部活動を高いレベルで両立できる。生徒が一丸となって行事を作り上げて楽しく盛り上がる。先生が一生懸命子どもの伴走をする。近年志望してくれるお子さんが増えているのは、そんなオーソドックスで当たり前、それでいて質の高い教育を評価していただいているのかな、と感じています。勉強、部活、学校行事といった普通ですが最上級の学校生活を楽しみながら充実させたい、というお子さんには、ぜひ来ていただければと思います。

2024年3月には中学1,2年生向けの説明会を開催予定ですので、興味があれば一度足を運んでもらって、リアルな学校の様子を見ていただきたいですね。

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