医学部に強い高校

医学部に強い高校

医学部に強い高校

国公立大を中心に医学部の志望者が減少している。それでも、難関には変わりなく、医学科の合格者数は、進学校の実力を測る有効な指標の一つ。日本全国にある医学部の合格実績からは、東大・京大の合格実績では分からない進学校の姿も見えてくる。

大学生の就職状況の好転などにより、医学部志願者の減少が続いている。特に、現行の教育課程になって理科や数学の科目負担が増した国公立大の人気が下がり、今春の志願者は、私立大がほぼ前年並みなのに対し、国公立大は2000人近く減少した。それでも国公立大医学部が難関であることに変わりはない。代々木ゼミナール教育総合研究所の主幹研究員、坂口幸世さんは言う。「一次試験にあたるセンター試験で950点満点中、850点以上。二次試験でも高得点が求められる国公立大の医学部は、学費が安く全国の大学が視野に入ることもあり、地方の大学でも難関です。一次、二次試験ともに、スピーディーかつ的確に問題を処理できる高い能力が求められます」

では、その難関の医学部に多数合格した学校はどこなのか。

国公立大医学部医学科 合格者数ランキング

国公立大医学部医学科 合格者数ランキング
国公立大医学部医学科 合格者数ランキング

「国公立大医学部医学科合格者数ランキング」を見ると、1位は11年連続の東海で、132人が合格し2位に大差をつけた。同校の進学担当教諭に、高い医学部合格実績の要因を聞いてみた。「例年、高3生の文理の割合は8対2で理系が圧倒的に多い。その内半数以上が医学部志望です。医学部に特化したカリキュラムはありませんが、医学部志望者同士が切磋琢磨できる環境が大きいですね。キャリアについて考える様々な取り組みの中で、医師の仕事に触れる機会も多く、モチベーションが高いことも影響しています」

2位の灘や3位の洛南など、ベスト30のうち10校を近畿圏の学校が占める。安田教育研究所代表の安田理さんは言う。「近畿は医学部を持つ国公立大が8校と多い。医学部としては入りやすい大学もあり、合格の可能性を感じられる分、他地域より医学部志向が強いのです。愛知の学校が数多くランクインしているのも、医学部を持つ大学が中部に5校あることが影響しています」

ランキングには、11位の札幌南や13位の熊本、16位の新潟といった地方の公立校も入っている。「地方では、トップクラスの一貫校が発達していないので、公立伝統校に優秀な生徒が集中し、地元の大学を中心に結果を出しているのです」(前出の安田さん)

62ページからの「医学部高校別合格者数ランキング」を見ると、札幌南の北海道大が19人、熊本の熊本大が19人、新潟の新潟大が20人など、地元の医学部に圧倒的に強いことが分かる。

医学部を軸に高校の進学力を測る時、現役の合格力も重要な指標。代ゼミの坂口さんは言う。「医学部は浪人をいとわない受験生が多い。現役志向が強まる中、多くの〝積み残し〟が出るのは医学部くらい。浪人した分の学力のアドバンテージが大きいこともあり、現役合格が難しいのです」

国公立大医学部医学科 現役合格者占有率ランキング

立大医学部医学科 現役合格者占有率ランキング
立大医学部医学科 現役合格者占有率ランキング

「国公立大医学部医学科現役合格者占有率ランキング」を見ると、1位の灘は、卒業生の5人に1人が国公立大医学部に現役合格。2位は浪人も含めた合格者数ランキングトップの東海。以下、久留米大附設、愛光など25位まで国立と私立の一貫校が占める。医学部合格実績が高い、一貫校の進学担当教諭は、こう話す。「医学部に現役合格する生徒は、中学の頃からコツコツと勉強し、規則正しい学校生活を送りながら、各教科の課題にきちんと取り組む生徒が多いですね。数学や理科はもちろん各教科に穴がなく、先取り学習ができる一貫校の余裕を生かして、早い時期に受験勉強をスタートすることも特徴です」

「医学部医学科+東大京大」現役合格者占有率ランキング

「医学部医学科+東大京大」 現役合格者占有率ランキング
「医学部医学科+東大京大」 現役合格者占有率ランキング

さらに「現役合格者占有率ランキング」を見てみよう。医学部と同じく難関であるトップ大学への現役合格実績を加えてみることで、学校のポテンシャルを測ってみようという試みだ。筑波大附駒場や桜蔭、栄光学園、開成、聖光学院など、東大合格実績が高い首都圏の一貫校が数多く入ってくる。「近畿や中部とは対照的に、首都圏は医学部の設置数が少ない上に、東大や東京医科歯科大など、医学部の中でも難関が大半です。一般企業の選択肢が広いこともあり、他地域ほど医学部志向が高まらず、東大志望者が多いのです」(前出の安田さん)

同ランキングには、首都圏の学校以外にも、灘や甲陽学院など、東大・京大合格者ランキング上位の常連校である、全国区の進学校が数多い。

ただ、これらの学校だけがトップ進学校というわけではない。

もう一度、医学部のみの「現役合格者占有率ランキング」を見てほしい。ここには、金沢大附や岡山白陵、昭和薬科大附など、東大と京大の現役合格者を加えたランキングにはない地域の名だたる進学校が並ぶ。これらの学校もトップクラスの進学校であり、医学部合格者に注目すると、こうした学校が浮かび上がってくる。

 

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