東京圏私立大学入試の激化は必至!?私大入学定員超過率規制で入試はどうかわるのか?

シェアする

1、私大入学定員充足率厳格化とは?

定員抜粋

表1(クリックで拡大)

簡単に言ってしまうと「政府として、あまりにも定員をオーバーして入学者を出している大学に対しては、今後、補助金を減額また不交付にするよ」ということである。目的は二つ。一つは教育環境の改善がある。当たり前だが、学生が増えすぎると十分なフォローができず教育の質が下がる可能性がでてくるのでそれを防ぎたいというわけだ。二つ目は地方創生だ。近年学生の大都市集中は顕著であり、文科省が行っている27年度学校調査によると、私立大学学生総数のうち、約5割を1都3県が占め、これに愛知、京都、大阪の大都市圏を加えるとその割合は7割を超える。定員規制によって若者に地元大学への進学を促し若者の大都市集中を緩和することで地方創生に繋げたいという狙いだ。

もともとこの話は何度か持ち上がっており、その度に超過許容率は下げられているのだが、2015年にさらなる是正案が発表された。これまで不交付の基準は大規模大学で定員の1.2倍以上、中・小規模大学で1.3倍以上となっていたが、これを新案では2019年を目途として段階的に1.0倍まで厳格化するという。詳しくは表1を見て頂きたい。

さて、この入学定員の厳格化。受験生にとってはどんな影響があるのだろう?

2激化する東京圏入試

現在、東京圏私大の定員充足率は平均で1.08倍である。私立大学運営費における補助金の割合は平均約1割と決して少なくは無いことから、充足率が1倍を超えている多くの私立大学はこの規制を順守するだろう。実際、私も大学を訪問した際にこの話はよく聞く。するとどういった事が起こるのか?

話は簡単で「大都市、特に関東圏での入試が難化する」ということになる。

文科省の効果予測によるとこの政策の実施により東京圏(一都三県)では2019年までに約1万1千人の超過定員が解消されるという。つまり、後3年で東京圏から1万1千人の私立大学生が消えるわけである。椅子が少なくなれば東京圏全体で入試のハードルが上がることは必然だ。

今まで早慶・MARCH・日東駒専など各ランクで合格ボーダー上にいた受験生が軒並み不合格となり、一つ下のランクの大学へ進学せざるを得なくなる「ところてん現象」が多く発生する可能性もあるだろう。もちろん各大学は計画的に定員調整を行っているだろうが、大幅な定員超過をしている大規模大学等では状況が大きくかわる懸念はぬぐえない。残念ながらこの政策で受験生が受けられるメリットは皆無である。

2019年までに大学入試を受ける予定の受験生はこういった動向もチェックし、時には志望校の幅を広げるなどの対策も必要になってくるだろう。

3「地方創生効果」への疑問符

そもそも、地方から若者が流出している原因は地方になにもないからだ。一方、大都市には充実した情報、有力教育機関、優良就職先等、自分の人生におけるキャリアアップに繋がる選択肢があふれている。だから、若者は都会を目指すのだ。もし、この政策が成功し大学生の地方引き留めに成功したとしても、地方そのものに魅力や力を作り出すことができなければ結局若者の流失は止まらないだろう。

そしてなにより、このような地方衰退の現状がある中で、意図的に若者を「地方から出られなくする」がごとき政策は本人たちにとって非常に酷な話である。

取り巻く状況はあまりよくはないが地方から都会を目指す受験生たちにはより一層頑張ってほしい。