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「和」の精神を建学の理念に掲げ、「自律と自立」の心を育てる人間教育に取り組んでいる聖徳大学。1933年にまでさかのぼる歴史を持つ同学は現在、新たな女性教育の形を求めて積極的な改革を行っている。その1つが、新時代を担う女性リーダーの育成をめざす「Business Field Linkage」だ。2021年度から始まった同プログラムの推進役である、増井三夫副学長に話を伺った。
聞き手 松本陽一(大学通信)
文 松本守永(ウィルベリーズ)
教養・専門科目と社会とを、ビジネスを通して結び付ける
―Business Field Linkage(BFL)とはどのようなプログラムなのでしょうか。
大学では聖徳教育・教養科目・専門科目などの学びが行われています。それらの学びのめざすところは何かと言えば、社会で活躍する人になることです。とはいえ大学生の段階では、今学んでいることが将来どのように社会で役立つかは、なかなかイメージしにくいです。業種や職種、働き方などといった意味での「社会」に対する視野も、非常に限られています。そこで、大学での専門的な学びと社会とを、ビジネスという題材を用いて結び付ける、すなわちリンクさせるのが、BFLです。
プログラムの狙いは、BFLを通して、大学で身に付けた人間性と専門性を社会で発揮し、世の中に貢献する人材となることです。変化が激しく多様性に富んだ現代社会では、生涯を通じて学び、成長し続けることが求められます。そういった社会の姿を学生時代に体感することで、「自分自身を成長させ社会に貢献していく」という、現代のリーダーたちが備えている考え方を身に付けてもらうことも、プログラムの狙いです。
社会で活躍する女性リーダーや経営者が直接指導
―BFLの特色をお教えください。
まず、企業と連携して実践的な授業が行われている点が挙げられます。ビジネス領域における学びでは、ケーススタディが題材として用いられることが多いです。本学ではケーススタディに加えて、実際に企業が取り組んでいる課題を題材として学びます。最新のトレンドや社会課題は、学生にとっては想像すらしない予想外のものも多いです。だからこそ、想定外の事態に対処・解決し、新しい価値を創造していく力が養われます。これは教科書に書かれたケーススタディを学んでいるだけでは身に付けることが難しい力です。
2つ目の特色は、社会で活躍している女性リーダーや経営者が講師を務めていることです。大手化粧品メーカーの営業担当者や外資系医療機器メーカーのマーケティング担当者など、講師の顔ぶれは非常に多彩です。彼ら・彼女らから直接指導を受けられることは、学生にとって大きな刺激になっています。受講生からは「失敗と経験を重ねながら成長することがわかった」「自分の足りない部分に気付くことができた。頑張ろうという意欲がわいてきた」などの声が寄せられています。講師陣は、日々、葛藤と努力を重ねながら最前線でリーダーシップを発揮している人たちです。そういった人ならではの「強い言葉」が、学生の心に届き、響いているのだと思います。
3つ目の特色は、チームで取り組むことです。BFLは学科の枠を超えて開講されているので、ここでいうチームとは、多様な学科の学生で構成されたものになります。他学科の学生とともに学び、チームで課題解決をめざす過程では、さまざまな気付きや発見があるでしょう。それは、社会で活躍するための大きな財産となります。
さらに、DXやAIといった、現代社会に欠かすことのできない情報リテラシーを養う学びが用意されていることも特色です。もちろんここでも、企業でDX推進の指揮を執った経験を持つ人が講師を務めています。
課題解決に取り組むチームに不可欠な「協働的リーダーシップ」を養う
―BFLは開始から2年目を迎えています。どのような効果が出ているでしょうか。
「協働的リーダーシップ」が養われていることが、大きな効果だと感じています。
例えばチーム医療で考えてみましょう。ここでは、誰か1人がリーダーで、残りのメンバーはリーダーに従っていればいいというわけではありません。1人ひとりが受け持つ分野で高い専門性を発揮し、なおかつ、異なる職種同士が連携することでより良い医療が提供できるのです。ここでカギとなっているのが協働的リーダーシップです。前提として専門性を備えており、その専門性をチームのなかで活かす力を備えている。その力を最大限に活かす、それが協働的リーダーシップだと言えるでしょう。専門性と社会をつなぐ教育であり、他学科の学生とともに学ぶBFLは、協働的リーダーシップを養うために非常に適した学びです。本学の人間教育の原点に「和」の精神を置いていることもまた、協働的リーダーシップを養ううえで大きな役割を果たしていると考えています。
社会や、その入り口とも言える就職に対する視野の広がりも大きな効果です。例えば教育学部の学生は、入学の段階では保育士や幼稚園・小学校の先生になることをイメージしている人が多いです。しかしBFLを受講することで、教育学等の人間科学という学問の持つ可能性と出会い、それらを活かすことができる場として一般企業を志望する人も出てきます。リーダーシップを発揮する女性の姿に触れることで、「園長になってリーダーシップを発揮したい」という目標を設定した学生もいました。この例に限らず、業種や職種、働き方に対する視野の広がりという効果が現れています。
受講した学生の様子を見ていると、学びへの心構えが変わったように思います。大学での学びが社会ではどのように活かされているかを、体験を通して実感したからでしょう。今学んでいることが将来役に立つとわかれば、やる気になるのは自然なことです。社会の姿が具体的にイメージできれば、「今の自分に足りないこと」もわかります。それが大学での学びのモチベーションにつながります。これもまた、BFLの効果です。
プログラムの充実と教育改革をさらに進めていく
―今後の展望をお教えください。
プログラムを実施して3年目となる来年度は、これまでの2年間を振り返り、改めて体系立てたカリキュラム編成を行います(図参照)。カリキュラムの導入部分では、これからの時代のリーダー像や社会人像などへの理解を深め、BFLへのいざないとなる「BFL原論」という科目を設置。本学独自の教科書も作成します。
学びに対する意識改革も加速させていきたいです。BFLでは、学んで身に付けた専門性を社会で活かすことや、社会人になってからも学び続けて成長していくことの大切さを伝えています。このことを理解した学生であれば、BFL以外の科目にも高い意欲を持って臨むことができます。私はこれを、「知のイノベーション」だと考えています。BFLを活用することで、1人でも多くの学生が学ぶ意義への理解を深め、高い意識をもって学生時代を送ることができるようにしたいです。
これらの目標のためにも、教育改革の歩みは止めるわけにはいきません。本学は、より良い教育を提供し、豊かな人生を実現してもらうために常に改革を行っている大学です。その代表例であるBFLでは、学びと社会とのつながりや、将来の自分の成長とのつながりを実感することができます。そして、広い視野を得たうえで自身の可能性に確信を持つことができます。これからも進化していく本学とBFLに、どうぞご期待ください。
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