入学時から卒業後までを支えるキャリア支援
「就職をゴールと考えない」その先の未来を見据えたキャリアデザインへ―聖徳大学

入学時から卒業後までを支えるキャリア支援<br>「就職をゴールと考えない」その先の未来を見据えたキャリアデザインへ―聖徳大学

聖徳大学は就職に強い。実就職率において、2021、2022の2年連続で全国女子大学ランキング1位(※)を獲得している。長年、全国トップクラスの就職者数を誇る、保育士、幼稚園教員など教育系での高い就職力に加え、企業系就職率も年々上昇したことで成し遂げた快挙だ。しかし、聖徳大学のキャリア教育と就職支援が目指すのは、単に高い就職率ではない。学生一人ひとりが社会で活躍するための、未来を見据えたキャリアデザインだ。シリーズ「アップデートする聖徳の教育」、最終回となる今回は、キャリア支援課の橋本聡恵課長に、キャリア支援の取り組みと今後の展望について伺った。

※卒業生500名以上の大学を対象にしたランキング(大学通信調べ)

取材・文  林 郁子

高い就職率を牽引する教育改革と手厚い支援体制

―近年、高い就職率が注目を集めています。どのような取り組みが成果に結びついているのでしょうか。

主に3つの理由が挙げられます。まず大きなものとして、2008年度から「自立するチカラを育む女性総合大学」のスローガンを掲げて始まった教育改革により、学生が大きく変わったことです。2012年度からは、「聖徳夢プロジェクト」という1、2年次から自己分析力、論理的思考力、キャリアデザイン力を育むプログラムもスタートしました。これにより、自分のキャリアを考え、将来に向けて積極的に挑戦する学生が増えました。

―確かに「聖徳夢プロジェクト」導入以降、実就職率は年々上昇していますね。

教育改革としては、さらに学部の枠を越えて同じテーマに取り組む「Field Linkage」や、高度な専門性を実社会で活かすために経営やリーダーシップの最前線を実践的に学ぶ「Business Field Linkage(BFL)」も始動しています。

―そのほかには、どのような要因がありますか。

2つめは全学的なキャリア支援体制が機能していることです。まず、大学全体の会議において内定状況を共有します。その後、キャリア支援課の主導で、各学科のクラス担任やゼミ担当教員との毎月の就職支援ワーキングにおいて、学科別の課題を共有し、個々の学生の支援方針を決定。そのうえで、日常的な支援を行っています。

3つめは、学生が自分の成長を実感できるプログラムを構築していることです。大学3年生、短大1年生に実施している「面接チャレンジ会」では教職員や企業の人事採用担当者が面接官となって全学生の模擬面接を年3回段階的に実施しています。面接で足踏みをしている学生に自信を持って採用試験に臨んでもらうことが目的です。事前事後のアンケートでは、自信につながる「自己創出力」が一番伸び、86.5%の学生が前向きに自分の強みを考えられるようになったという結果になりました。

学生目線で考えた数々のキャリア支援

―「聖徳夢プロジェクト」には、キャリア支援課はどのように関わっていますか。

キャリア支援課は3年生から始まる「夢実現プロジェクト」において、履歴書・エントリーシートなどの書類作成や自己分析、内定者懇談といった自分を知り、働くことの意義を考える講座を実施しています。

そのほかにもキャリア支援課では、SPI対策や面接対策講座といった実践的なスキルアップをはかる就職支援講座を毎週実施しています。

こうした講座の内容は、学生のニーズなどを受けて毎年見直し、ブラッシュアップをしています。また、実際に就職活動を始めた学生から、例えば「グループディスカッションが苦手なのでもっと練習したい」という要望があれば、希望者を集めて少人数の講座を開きます。学科の教員から学科独自の就職に合わせた講座の希望があれば、学科の授業と連携して講座を行うなど、学生や教員のニーズに応じて、臨機応変な対応をとっています。

―企業セミナーなど、企業と学生とをつなぐ支援はどのように行っていますか。

本学の就職支援は、教育職・福祉関係志望者、一般企業志望者、保健・医療関係志望者など、希望する業界に合わせたスケジュールで行っています。

一般企業志望者の場合は、学内合同企業セミナーなどを順次開催しています。例えば、3年生に対しては、春学期に夏のインターンシップ参加に向けた講座を開催しています。また、本学の卒業生の就職実績がある企業などを中心に幅広い企業が参加する本学独自のマッチングフェアも開催しています。最近は1DAY仕事体験のインターンシップも多いですが、このイベントでは、参加企業には課題解決型プログラムや同行型就業体験等の提供をお願いしています。そこで、毎年多くの学生が社会や業界、自分の適性を知る第一歩として、数日間のインターンシップを経験しています。

インターンシップ終了後は、振り返り会も実施し、グループで各自のインターンシップ体験談や感想を共有することで、次のステップにつなげています。

学科の教員と協力してキャリア支援を行うメリット

―全学的なキャリア支援の取り組み、特に学科の教員がキャリア支援課と協力して学生のサポートにあたることは、どのようなメリットがありますか。

クラス担任など普段から接している教員の方が学生の特性や資質をよく理解しています。1、2年次のキャリア教育関連科目においては各学科のキャリア教育担当教員と学生の価値感や就業感を理解した上でカリキュラムを協同で構築します。さらに就職活動の支援になると、個々の学生の特性や資質、就職への希望や向き合い方などを、教員とキャリア支援課が共有することで、学生のコンディションに合った適切なサポートをすることができ、学生も安心して自分のキャリアに挑むことができます。

学生主体で取り組むキャリア支援への期待

―キャリア支援に関して、今後の展望を教えてください。

「聖徳夢プロジェクト」をはじめとする本学のキャリア支援では、就職はゴールではなく一つの通過点だと考えています。目指すものは、学生一人ひとりが自分自身の5年後、10年後の未来を見据えたキャリアをデザインできるようなサポートです。学生が、自分の生き方を考え、自己の価値を創造していくことができる支援体制を作り上げていきたいと思っています。

社会で活躍する女性リーダーや経営者などが講師を務めるBFLで、トップランナーの姿勢を学ぶことや、さまざまな分野で活躍する本学の卒業生であるロールモデルからこれから必要とされる人材像を聴くことは、「大学の学びをどのように社会に生かしていきたいか」、「自分は社会でどのようなリーダーシップを発揮していきたいか」を考える上で貴重な糧となるでしょう。

今年度7月には、専門家を講師に招き実践的なスキルを身につけるBFLオープンラボが開設されるなど、本学のキャリア教育・就職支援はまだまだ進化を続けています。今後は学生自身がオープンラボのような自分たちのキャリアに必要なプログラムの企画運営に関わるなど、より学生が主体的に活躍できる環境を支援したいですね。

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