社会と学生の変化を機敏にキャッチし、1人ひとりに寄り添うきめ細かな支援を展開ー関西学院大学

社会と学生の変化を機敏にキャッチし、1人ひとりに寄り添うきめ細かな支援を展開ー関西学院大学

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就職活動の早期化・長期化が顕著になっている。さらにここ数年は、コロナ禍における就職活動という、学生はもとより企業にとっても大学にとっても難しい局面が続いている。そんななかで就職率99.6%、満足率97.1%という高実績を残しているのが、関西屈指の大規模総合大学である関西学院大学だ。同学では2022年度から、従来の支援に加えて「スモールマス支援」という取り組みの拡充を図っている。「キャリアの関西学院大学」をひも解く本シリーズ。第3回となる今回は、学生や時代の変化に機敏に対応しつつ、常に学生1人ひとりに寄り添うことを基本姿勢とする同学のきめ細かな支援をレポートする。

聞き手 井沢 秀(大学通信)   
文 松本守永(ウィルベリーズ)

支援の課題や学生のニーズから生まれた「スモールマス支援」

関西学院大学のキャリア支援は、従来、「マス対象の支援」と「個の支援」という2本柱で行われてきた。マス対象の支援とは一度に数百人を対象とする支援で、キャリアガイダンスがその代表例だ。ここでは、就職活動の進め方やインターンシップ参加に向けた準備など、主に学生が情報をインプットするための支援が行われている。

個の支援とは、個人面談や電話相談をはじめとした学生1人ひとりに対する個別の支援のこと。同学は個の支援を非常に重視しており、2021年度はのべ2万8101件の学生対応が行われた。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が最初に深刻化した2020年春にはキャリアセンターの全職員が携帯電話を持ち、学生からの電話相談に対応したことも、個の支援を重視する姿勢を象徴していると言える。

個の支援は、学生個人の悩みや状況に応じて支援ができるというメリットがある一方で、キャリアセンターへ足を運んで相談することに心理的ハードルを感じている学生もいるという課題があった。また、「そもそも何を相談したらいいかわからない」という学生も存在していた。

ここ数年はコロナ禍の影響で、授業のみならずキャリア支援もオンラインで行われることが多くなった。その結果、マス対象の支援については、「自宅で1人で参加するので、周りの学生の様子がわからない」という不安を持つ学生が増えるようになった。

これらの状況から、「マスと個の両者の間を埋める支援を」として設けられたのが、「スモールマス支援」だ。キャリアセンターの那須博樹課長補佐は、スモールマス支援を次のように説明する。

「参加者数は数十人から百人前後まで。情報の提供だけでなく、ディスカッションやグループワークを取り入れた実践的な講座形式で行っています。これは、マス支援を通して得た知識をアウトプットすることで、定着させるためという狙いがあります。また、学生同士がつながりを得られる場所になってほしいという狙いもあります」

図は、現在の3年生を対象として、4〜6月の間に実施されたスモールマス支援の例だ。形式としては、ミニセミナーや講座といったものが中心になっている。この時期は夏休みに行われるインターンシップへの参加を視野に入れ、実質的な就職活動のスタート時期だと言える。そのため、インターンシップ選考を突破することを目指した講座が数多く開かれている。このように、時期と学生ニーズに合わせながら、「そのとき、その年の学生に必要な支援」を学生視点で検討して適宜用意していくのが、スモールマス支援の特徴と言える。図には7月時点までの支援を記載したが、「秋以降も、そのときの社会情勢や学生の動向に応じて随時、講座を用意していきます」と那須氏は話す。

図で示したスモールマス支援が行われている時期は、並行してマス支援であるキャリアガイダンスも開催されている。また、キャリアセンターでの個人面談をはじめとした個の支援も行われている。規模の異なる3つの支援が同時期に並び立つことで、学生はそれらを行き来し、情報のインプットや定着、さらに自身の状況に応じた悩みの解決や助言を得ることが可能になっている。

スモールマス支援の原型となった「就活ミニ講座」

スモールマス支援と銘打ったサポートの拡充は2022年度からだが、それ以前から、原型となる支援は行われていた。それが「就活ミニ講座」だ。

2023年3月卒業生向けの就活ミニ講座としては、新卒採用の広報活動が解禁される前後の時期にあたる2~3月には、「志望動機のつくり方」「面接で押さえておくべきポイント」など、具体的かつピンポイントな支援が行われた。また、「気持ちの整理」といったメンタル面での支援を行う講座も開催された。これはまさに、「時期と学生の状況やニーズを見ながら、そのときに応じた必要な支援を行う」という、現在のスモールマス支援に通じるものだ。就活ミニ講座は4月以降も新たな講座が加わっていると那須氏は言う。また、複数の内定を得て最終的な絞り込みに悩んでいる学生や、夏以降にも就職活動を継続する学生に向けた講座も開催していくとのことだ。

4年次夏以降の個別支援の重要性が増している

マスを対象とした支援、個の支援、そして今年度から拡充が進むスモールマス支援と3本柱が整えられた関西学院大学のキャリア支援だが、それらが共通して目指すのは「学生1人ひとりに寄り添った支援」だ。そして、その一番の舞台となるのはやはり、個の支援だ。

学生1人ひとりに寄り添う支援を行うなかで、那須氏をはじめとするキャリアセンター職員が近年感じている変化がある。それは、4年次夏以降の個別支援の重要さが増していることだ。

その背景の1つには、就職活動の早期化がある。インターンシップが就職活動において大きな意味を持つようになった結果、「インターンシップに参加した企業に内定」というケースが増えてきた。これは、早ければ3年生の夏の時点で出会った企業を就職先にすることになる。出会いと絞り込みが早かった分、他の業界や企業に目を向ける機会が失われる。その結果、4年生の夏や秋になって、「本当にこの会社で良かったのだろうか」という悩みが生まれてくるのだ。また、コロナの影響も背景にあると言う。

「合同企業説明会などがリアルの場で活発に行われていた頃に比べると、情報収集がオンライン中心になった近年の学生は視野が狭くなりがちです。また、自宅で1人で活動せざるを得なくなった結果、周りの学生の状況が見えず、結果として就職活動に出遅れてしまう学生もいます。こういったことも、4年生の夏以降に『本当にこの進路でいいのだろうか』『まだ思った企業に決まらない』という悩みを生む原因になっているように思います」

このような状況のなか、従来にも増してキャリアセンターの役割は大きくなっていると那須氏は言う。同学は以前から、限りなく100%に近い進路把握率を達成してきた。これは教職員が一体になって、最後まで粘り強く学生1人ひとりを支援してきた結果でもある。今後は、従来にも増して学生の状況把握に力を入れ、支援が必要と思われる学生に対して積極的にアプローチしていく方針だ。

学生時代にしかできないことへの挑戦を後押しする

近年の就職活動において、インターンシップへの参加は「必須」という風潮が広まっている。しかし同学は、「インターンシップ参加は1つのルートであって必須ではない。3年次3月から活動を始めるという別のルートもある」と学生にアドバイスしている。むしろ、インターンシップをはじめとした就職活動一色の学生生活になるより、留学や課外活動など、学生時代にしか取り組めないことへチャレンジすることも、充実したキャリアの実現に向けて大きな意味を持つと伝えている。なかでも同学が学生に対しても、そして企業に対しても強く訴えているのが、学業に励むことの意味の大きさだ。

「コロナの影響で、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)がないという学生がいます。選考にガクチカが使えなくなったという企業もいます。しかし、学生の本分は学業です。いまこそ原点に立ち返って、学業に励むことをガクチカと呼んでいいのではないでしょうか。私たちは企業に対しても、そのような視点を持ってもらいたいとお伝えしています」

社会動向に応じた支援と、早期からのキャリア教育の充実を

KGキャリアチャンネル

関西学院大学ではコロナ禍以前から、オンラインによるキャリア支援に取り組んできた。AIを活用したチャットボットが24時間いつでも質問に答える「KGチャットボット」や、動画による情報発信を行う「KGキャリアチャンネル」がその代表例だ。これらは、SNSや動画の利用頻度が高まっているという、近年の学生の動向に合わせた支援を行おうという考えから生まれた取り組みだ。その意味では、今年度から拡充されたスモールマス支援も同じ流れにあると言える。同様に今後も、社会や学生の動向に寄り添い、学生のニーズに即した支援を行っていく方針だ。

今年度からは、各界で活躍する卒業生14人が自身の仕事や学生時代を語る「KGキャリア入門」が正課の授業としてスタートした。これは、早期からキャリアについて考える機会を提供することで、将来の目標や、そこに至るための学生時代の過ごし方を低学年次から考える後押しをするものだ。

社会はかつてないスピードで変化している。コロナ禍のように、予期していなかったことが現実に起こることを、私たちは否応なく実感した。それらの変化をいち早く感じ取り、しなやかに対応することで「その人らしい幸せな人生の実現」を支え続ける関西学院大学のキャリア支援。これから先も、要注目だ。

学生の声 苦戦続きの面接が一変。個人面談の助言で志望企業の内定へ

草竹美羽さん |国際学部4年 京都・京都女子高等学校出身

就職活動を行うにあたっては、「できるだけたくさんの企業や業界を見ておきたい」「そのためには早めに就職活動をスタートさせたい」という思いがありました。とはいえ、具体的に何から手をつけていいかわかりませんでした。そこで3年生のはじめに、キャリアセンターが開催している「キャリアガイダンス」に参加。インターンシップやSPIについての理解が深まったほか、取り組むべきことの順番などもわかり、スムーズに就職活動を始めることができました。

この時期、特に役立ったのがエントリーシートについての個人面談です。アドバイスをもらう前は、ただただ、それまでの自分の行動を羅列して書いていました。それに対して、結論を最初に書き、行動の目的や動機、行動の過程で取得した資格などを順序立てて書くという構成の仕方を教えてもらいました。おかげでとても読みやすく伝わりやすいエントリーシートになりました。夏と冬を合わせて100社のインターンシップに参加できたのは、このときのアドバイスの成果だと思います。

次にキャリアセンターにお世話になったのは、応募企業の二次面接が行われた時期です。実はこの時期、二次面接で25連敗するという壁に直面していました。そこで改めてキャリアセンターに足を運び、相談に乗ってもらったんです。このときカウンセラーの方からは、質問に対してあわてて答えずに、考えを整理してから答えるようにアドバイスしてもらいました。また、「なぜそうしたのか」「どのようにしたのか」を交えて話すように助言してもらいました。このアドバイスは効果抜群で、相談に乗ってもらって以降の二次面接はすべて合格!おかげで、志望していたメーカーの内定を得ることができました。

インターンシップや選考に応募した企業が多かったので、スケジュールの調整は大変でした。そういった場面では、キャリアセンターの方から「今は何を優先すべきか考えてみよう」などのアドバイスをいただきました。また、志望企業の面接の前日にキャリアセンターに相談に行った際には、「大丈夫。ここまで頑張ってきたんだから、ぜったいに合格するよ」と背中を押してもらえました。無事に就職活動を進めることができたのは、キャリアセンターのサポートがあったからこそだと思います。

秋からは、後輩たちに自分自身の就職活動の経験を伝えるSR(Student Reporters)として活動しています。私が早めに就職活動をしよう、できるだけたくさんの企業や業界を見てみようと思ったのは、所属していたESSの先輩たちが残してくれた就職活動体験記がきっかけです。就職活動期間中には、関西学院大学の卒業生の方にオンラインで先輩訪問をさせていただき、いろいろなアドバイスをもらうことができました。たくさんの先輩たちが支えてくれたおかげで、私は納得の就職活動をすることができました。だから今度は、私が後輩たちを支えてあげたいと思っています。

関西学院大学は、「こうなりたい」「こんなことがしたい」と思ったときに、支えてくれる人がたくさんいて、支えてくれる仕組みがたくさん整っている大学です。キャリアのことはキャリアセンターがありますし、私がこれから挑戦する予定の留学に関しては国際教育・協力センターがあります。所属していたESSのように、部活やサークルも充実しています。きっと、実りある学生生活を送ることができるはずですよ。

目標とする職業にフォーカスした支援

志望する職種によっては、在学中から高度な実践力を養っておく必要がある。
また、採用試験に突破するための知識やノウハウが必要なケースもある。それらに対応するための支援も行われている。

霞が関セミナー(全学開講・正課科目)
国家公務員として中央省庁で働くことを志望する学生をはじめ、国家公務員の仕事や思考プロセスなどに興味を持つ学生を対象とした講座。霞が関で合宿形式で開催され、各省庁の担当者による業務説明や関西学院大学卒業生でもある現役官僚とのセッションを通じて、国家公務員の役割、求められる資質や能力、任用までのプロセスについて理解を深める。同じ目標を持つ仲間との出会いを通して、自身のキャリアビジョンやアクションプランについて考えたり、試験勉強のモチベーション向上にもつながる科目となっている。

未来塾(教育学部生対象)
「顔と名前がわかる支援」をモットーとする、聖和キャンパスならではのキャリア支援プログラム。教員・保育士志望の学生が、現場で夢を実現できることを目指して実施されている。単なる座学ではなく、体験を通して「せんせい」に必要な資質を学ぶことができる。在学期間を通じて体系的に実施されており、低学年次には楽しみながら資質と能力を磨くことを目的として、落語や演劇、ワークショップなどを通して子どもを惹きつける方法や必要なスキルなどを学ぶ。3年次からは採用試験の合格に必要な力の習得を目指して、小グループに分かれての実践的なプログラムが行われている。

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