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取材・文 雫純平
以前、ユニヴ・プレス編集部では2010年から2020年にかけての10年間で大学合格実績が大きく伸びた高校として東京都品川区の朋優学院高等学校をピックアップ。入試広報主任の福元忠先生にお会いし、中等部がないからこそ全員が横並びでスタートするコース制や、正課外の手厚いサポートなど、3年間という限られた時間で中高一貫校に劣らない大学合格実績を挙げる教育の特徴についてお話しいただきました。
「大学合格実績が大きく伸びている、3年間で難関大学を目指す私立高校単独校‐朋優学院高等学校」
https://univpressnews.com/2020/09/03/post-6341/
https://univpressnews.com/2020/09/03/post-6344/
※2020年9月3日にアップした記事です。
前回の取材から2年が経過したところで、朋優学院の合格実績がどうなっているのか、改めて調査してみました。
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2022年 難関大学合格者「10年で伸びた」高校ランキング
②難関大学合格者「10年で伸びた」学校 私立大学編(関東・甲信越の高校)
①は東大、京大など旧七帝大に東工大、一橋大を合わせた9大学について、ここ10年で合格者数が伸びた高校のランキングです。東大と京大に1人ずつ合格者が出るなど9大学への合格者は17人増で、全国58位にランクインしています(前回取材時は71位)。
②は全国の難関16私立大*について、ここ10年で合格者数が伸びた高校のランキング(関東・甲信越の高校)です。10年前に47人だった合格者は671人にまで増えており、その増加数は2位です(同3位)。
*難関16私立大=早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)、関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)、近畿大、南山大、西南学院大の合計
合格実績を大きく伸ばし、その後も伸ばし続けている朋優学院の教育について、改めてお話を伺うため、福元忠先生に再びお会いしてきました。
――一昨年、「難関大合格者が10年で伸びた高校」という特集でお話を伺いましたが、そのときよりもさらに合格実績が伸びています。3年間しかない高校単独校ながら合格実績を伸ばせる理由を教えてください。
本校の教育の大きな特徴は、普段の授業が大学入試に直結していることです。生徒全体の通塾率が27%とかなり低く、一方で大学への現役進学率が9割前後と高いことは、入試直結型の授業の成果を示しています。つまり、学校の指導の波に上手く乗りさえすれば、特別なことをしなくても難関大学の入試問題に対応できるようになっているのです。私立高校として授業料をいただいている以上は、通塾が不要になるよう質の高い授業を提供していきたいという思いがあります。
――「大学入試に直結」とは、具体的にはどのようなことでしょうか。
例えば校内予備校という形をとり、通常の授業は高校の先生が、大学入試対策については外部の講師がそれぞれ担当するというように、分業をしている学校も多いですよね。本校では校内予備校を一切入れず、夏期講習や冬期講習、放課後特別講座なども含めて全て朋優学院の教員が実施しています。5教科の教員はみな入試問題を熱心に研究しており、英語であれば早慶のリーディングや国公立大学の和訳問題、地歴であれば論述問題など、普段から実際に出題された入試問題などを取り入れています。
――コース制についても教えてください。東大・京大現役合格をめざす「国公立TG」コースが新たに加わったとお聞きしました。
はい、今年度の新入生から新しいコース制となっており、現1年生は「国公立TG」「国公立」「特進」の3コースに分かれています。ただ、こちらは高校入試での点数を基準にした仮のコースで、カリキュラムは全コースで共通です。1年間で2回の校内模試と3回の全国模試を経て、2学年進学時に東大・京大をめざす「国公立TG」、旧帝大や国公立大をめざす「国公立」、早慶上理*やGMARCH*など難関私立大の文系学部をめざす「特進文系」、同じく難関私立大の理系学部をめざす「特進理系」の4コースに再編されます。
本校のコース制は、コースごとに定員がありそこに成績順に生徒を当てはめていくようなものとは異なり、生徒一人ひとりが目指す目標に合わせてコースを選択するという点に特徴があります。“コースありき”ではありません。模試の成績などで一定の基準が達していれば学年全員が2学年進学時に「国公立TG」になることもあり得ますし、逆に成績は基準に達しているけれど明確な目標があって東大・京大ではなくあえて私立大学をめざしたいという生徒がいれば「特進文系」「特進理系」に進むことも可能です。
*早慶上理=早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大
*GMARCH=学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大
――2学年進学時のコース選択が高校生活の大きな分岐点になりそうです。生徒たちのコース選択にあたって、学校側で気を付けていることなどはありますか。
「自立と共生」が本校の大切な教育理念です。コース選択はそのうちの「自立」を促す重要な機会ですから、必ず生徒が自分で考え、選択するようにしています。高校選びの段階ではどうしても保護者の意向が強かったり、偏差値表だけを見て受験校を決めたりすることもあると思います。1年次は定期考査ごとの面談や夏の3者面談など生徒と話をする機会を多く設けていますので、最初は大学入試のことを全く考えていなかった生徒たちも、試験や面談の回数を追うごとに自分が将来どうなりたいのか、そのためには現時点では何が足りないのかを自ら考えて、自分の言葉で説明できるようになっていきます。
また、生徒本人だけでなく、保護者の方に向けての情報発信も大切です。保護者の方の時代と今とでは大学入試の情勢が全く違いますので、保護者向けガイダンスなどで最新の情報を提供しながら、生徒たちの自立を見守っていただくようお願いをしております。
――「自立」の精神は、大学合格実績にも表れているように感じます。
本校の合格実績には、地方国公立大学への合格者が多いという特徴があります。直近の2022年入試でいえば、北は北海道大学6名から、南は九州大学2名まで。弘前大学や秋田大学、信州大学や福井大学など、都内の私立高校では珍しく全国各地の国公立大学へ多くの生徒が合格・進学しています。
(参考:朋優学院高等学校2022年度合格実績 https://www.ho-yu.ed.jp/career/results2022/)
これは安易に身近な大学を選ぶのではなく、自分の学びたいことを学べる大学を自ら調べ、「この大学へ行きたい」という強い気持ちをもって受験勉強を頑張ったからこその結果ですから、我々教職員も誇りに思っています。地方国公立大学へのチャレンジは学校を挙げて薦めており、地方への視野を広げるために京都や東北への研修旅行といった学校行事も実施しています。
――最近の朋優学院生の様子を教えてください。
本校は比較的自由な校風のため、生徒たちはのびのびと学校生活を送っているように感じます。例えば、校内ではWi-Fiが通っており、授業中以外ではスマートフォンの使用を認めています。以前もお話しした“For You Handbook”で担任と一緒に勉強時間を管理しながら、成績が下がってきたらスマートフォンを使用するのを控えようという風に、生徒たちは自分の時間をうまく使えるようになってきています。特に近年はコロナ禍で学校生活を楽しめなかった期間があるためか、休み時間は思い切り楽しみ、授業中は集中するというようにオンとオフの切り替えが上手な生徒が多いように感じます。
また、学校生活が快適に送れるように、校則は常日頃からアップデートしています。最近の事例では、学習量の増加に伴い従来の指定鞄だと教材が入りきらないということでリュックサックなど自由なバッグの使用を認めました。また、近年の夏は暑いので、女子のショートソックスの使用を認めています。これらは生徒会が生徒たちの要望を吸い上げ、教職員たちがそれを認めて校則が改正されたものです。昔からのルールだからと押し付けるのではなく、必要があれば相談してルールを見直せるのも「自立と共生」の精神が全校に浸透している証ですね。
――課外活動についてはいかがでしょうか。
現時点で36種の部活動に7種の同好会・サークルと計43団体があり、それぞれが活発に活動しています。部活動は土日を含めても週に4日まで*という決まりがあるため勉強との両立がさせやすいためか、部活動加入率は毎年8割前後と高くなっています。
任意の生徒たちが集まったサークルは活動が認められると同好会に昇格し、同好会の活動が認められると部活動に昇格し生徒会からの予算が付く仕組みになっています。最近ですとボードゲームサークルと模型サークルが部活動に昇格した実績があります。また、インスタグラムやTwitter、YOU TUBEなど独自のSNSを運営している団体も増えてきているなど、コロナ禍で活動の成果を発揮する場面がなかなか得られない中で、各団体が工夫をしている姿が見て取れます。大会での勝ち負けや入賞など結果を出すことも大切ですが、それ以上に生涯楽しめる趣味を見つけるきっかけにしてほしいという方針で、学校も後押しをしています。
*強化指定部活である野球部を除く
学校行事は、文化祭と体育祭が二大行事となっています。本校の文化祭は虹色祭と呼ばれ、生徒が来場者を楽しませることが目的です。一方、体育祭は生徒自身が楽しむことが目的ですので、この2つは明確にテーマが異なっています。昨年の体育祭は学年ごとに分けて各1時間半程度と縮小しての実施でしたが、今年は全校生徒一斉参加で大盛り上がりでした。また、虹色祭も昨年は保護者と在校生のみ参加可としていましたが、今年の9月に実施するものは完全予約制とした上で一般の方も来場できるよう規制を緩和する予定です。コロナ禍はまだまだ終わりが見えない状況ではありますが、一生に一度しかない高校生活ですから、学校行事は極力本来の形で実施できるよう力を尽くしています。
――最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。
本校に興味を持ってくださった方、ぜひオンライン説明会をご覧ください。従来、対面の説明会で話していた内容をすべて動画にまとめています。ご面倒な予約や登録など一切不要で、24時間365日いつでも情報を発信しています。
オンライン説明会をご覧いただいた上で、さらに来校してみたいということであれば、月に1回程度のオープンスクールも実施しています。各学校にいろいろな個性がありますから、偏差値や大学合格実績などの数字だけで判断せず、ぜひとも学校のことをよく知った上で、自分に合った受験校を探してみてください。
※オンライン説明会の視聴、オープンスクールの予約は朋優学院高等学校公式サイトから
https://www.ho-yu.ed.jp/