子どもと教育への深い理解や手厚い支援が、職種を越えて活躍できる力を養うー聖徳大学

子どもと教育への深い理解や手厚い支援が、職種を越えて活躍できる力を養うー聖徳大学

2022年4月に児童学部を教育学部に改組し、新たなステージへと踏み出す聖徳大学の魅力を4回にわたってひも解いてきたシリーズ「聖徳大学発 教育学の未来」。最終回となる今回は、2人の卒業生と児童学部長の大成哲雄教授による座談会を実施。印象深い学びや支援体制、社会に出て感じる聖徳大学の魅力などについて意見を交換した。

附属幼稚園での実習がその後の学びの土台をつくる

大成哲雄教授
専門は美術教育、アートプロジェクト、造形ワークショップ。国際展をはじめ地元・松戸市などで多数のプロジェクトを実施している。

田中絵美さん
(小学校教員養成コース卒業)
2019年卒業。ちば興業銀行勤務。窓口業務を担当した後、今春から個人顧客へ金融商品などの提案を行うライフコンサルタントとして活動している。

金子莉奈さん(児童文化コース卒業)
2021年卒業。松戸市内の幼稚園に勤務。クラスを横断して担任教員の補助を行う役割を担当。卒論では、ジブリ作品の魅力を現実とファンタジーの融合という観点から考察した。

大成 最初に、印象深かった学生時代の学びについて聞かせてください。

田中 私は幼稚園教諭を目指して聖徳大学に入学し、途中から小学校教諭に目標を変更しました。さらに中学校と高校の教員免許も取得することにしました。当然、履修すべき科目でいっぱいになります。そこで昼間主の授業に加えて夜間主の授業も履修したことで、仕事をしながら目標に向かって学ぶ夜間主の学生から刺激をもらえたことが印象的でした。

金子 聖徳大学は免許の取得に向けた学びが非常に充実しているのですが、それに加えて、「遊び」を学ぶ機会が豊富でした。これらの経験は今の仕事にも活きています。子どもとの遊びや制作物を考えるときに、先輩の先生方から「金子さんはアイデアがいくらでも出てくるね」と言っていただいています。

大成 お二人のように、学びに対して意欲的なところが、聖徳大学の学生の特徴かもしれません。また、その思いに応えることができる環境を整えているのも、聖徳大学ならではと言えそうです。

保育・教育分野の仕事を目指すうえで、重要なステップになるのが教育実習です。お二人の実習はいかがでしたか。

田中 私は、附属小学校、外部の小学校、高校、福祉施設で実習を行いました。さらに最初は幼稚園教諭を目指していたので、附属幼稚園でも見学実習を行いました。

合計5回の実習のうち、最初に経験したのが附属幼稚園での実習です。これは私にとって、生まれて初めての「先生」になる体験でした。緊張していたのですが、むしろ子どもたちは実習生に慣れていて、「ミニ先生が来てくれた」と言って笑顔で迎え入れてくれました。このことが大きな安心材料になり、以降の実習に落ち着いて臨むことができました。

金子 附属幼稚園での実習が思い出深いです。この実習では、社会人としての心構えやスキルを教えていただきました。附属幼稚園で教えていただいたことを次の実習先で実践すると、「よく気がつくね」と言っていただき、自信がつきました。

大成 附属から外部へという流れで段階的に学ぶことができる仕組みは、本学ならではです。また、実習での気づきを学校へ持ち帰って座学で深く学び、さらに次の実習で実践するという「実習と座学の結び付き」が効果的に機能していることも、本学の強みだと言えます。

本学ならではの学びといえば、小笠原流礼法があります。現在の仕事に役立っていると感じることはありますか。

田中 銀行は接客業ですし、目上の方と接する機会も多いため、お辞儀の仕方や立ち方など、役立つ場面はたくさんあります。学びの成果は随所に感じています。

金子 職場でお客さまや先輩方にお茶をお出しするとき、「お茶は右側から」と思えるのは大学での学びのおかげです。応接室などにお客さまを案内する際にも、奥の席へご案内できています。園長先生からは「細かいことによく気がつくね」と言っていただきました。

大成 本学ならではの学びとして私が1つ付け加えるなら、「チームで学ぶ機会が多い」ことです。チームで活動すると、自分とは異なる考え方や個性と出合います。ここに大きな価値があるのです。教育現場では、すべての子どもや保護者を認め、受け入れる必要があります。これは一般企業でも同じです。そのための基礎となる体験が、大学時代にできるのです。

教員と職員が緊密に連携 学生1人ひとりへ適切な支援を行う

大成 教員や職員によるサポートはどうでしたか?

田中 私はとにかく授業をたくさん受けなければいけなかったので、履修の相談によく乗ってもらいました。難しい相談事でも「それなら、こうすればいいよ」と一緒に解決策を考えてくれたことがありがたかったです。

金子 就職活動の際、キャリア支援課の方がマッチする園を絞り込み、そのうえでそれぞれの園の特徴や私との相性などを教えてくださいました。面接に向けた指導などもしていただきました。おかげで、希望した園に就職することができました。

田中 悩み事などを先生に話していて、「これはキャリア支援課の人にも伝えておいたほうがいいだろうな」と思ってキャリア支援課に行ったところ、「先生から聞いてますよ」と言われて驚いたことがあります。先生と職員の方の連携が緊密で、「みんなで学生のことを考えてくれているんだ」と感じました。

大成 そう言ってもらえると、とてもうれしいです。教員と職員の連携は私たちが力を入れている大きなポイントです。就職活動や採用試験が思い通りに進んでいない学生がいたときは、教員と職員がすぐに集まり、原因や対策を話し合っています。

教育現場でも企業でも活かされる「待つ力」

大成 本学での学びは、保育や教育の仕事はもちろんのこと、一般企業をはじめとした社会のさまざまな仕事に活かすことができます。特に本学では、「待つ力」が養われているように思います。子どもが元気いっぱいに遊びたいと思っても、大人は「こんな時に」と叱ってしまうことがあります。しかし本学の学生は、そこでワンクッション置いて、待つことができるのです。それが結果として、子どもたちの伸び伸びとした活動や明るく元気な成長を支えているように思います。

金子 先生が言われたような場面で、私は「もう少し子どもを見てみたい」という気持ちがわいてきます。もちろん叱ることも時と場合によって必要ですが、子どもたちの真意を見極めるために「待つ」という気持ちがあるのも確かです。

田中 後輩の指導で同じような経験をしている気がします。後輩が「自分でできるかな」と思ったら、私は少し距離を置いてそれとなく眺めるようにしています。思うように仕事ができていなくても、そこはぐっと我慢です。本人の気持ちを汲み取り、意欲を尊重しようと心掛けているのは、大学での経験のおかげかもしれません。

大成 最後に、お二人から高校生へメッセージをお願いします。

田中 もしあなたが「大学生になったら、いろんなことを頑張りたい」と考えているなら、聖徳大学をおすすめします。聖徳大学は、頑張ろうという意欲のある学生を全力でサポートしてくれます。「何を頑張ればいいか」を見つけるお手伝いもしてくれますよ。

金子 ぜひ、やりたいことを見つけてもらいたいです。でも、なかなか見つからないかもしれません。そんなときはまず、いろんなことにチャレンジしてみましょう。そうすることで、あなたの「やりたいこと」へと近づいていけるはずです。

大成 私からは、「高校時代を大切に過ごしてください」というメッセージを贈ります。これは、今あなたがやっていることに全力を尽くすという意味です。部活動でも勉強でも、アルバイトでもいいです。頑張った経験が、大学で活きます。みなさんと、聖徳大学でお会いできることを楽しみにしています。

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