【関東学院中高の校風・後編】温かい先生に見守られながら、自由に個性を伸ばせる6年間

【関東学院中高の校風・後編】温かい先生に見守られながら、自由に個性を伸ばせる6年間

前編はこちら→【関東学院中高の校風・後編】温かい先生に見守られながら、自由に個性を伸ばせる6年間

関東学院中学校高等学校の校風に迫る本企画。後編はいよいよ「学業」面に迫ります。


楽しんで学ぶことを大切にしながら時代に合わせて充実を続けるカリキュラム

――学習面についてもお伺いさせてください。関東学院は生徒の興味を引き出していく教育を以前から行っていますね。

 中学の段階では体験を通じてさまざまなことに興味を持ってもらうのを大切にしています。そのために理科の実験室を5部屋用意していますし、技術室や陶芸室も備えています。もちろん体験だけで終わるのではなく、授業でレポートにまとめる力や表現する力を補えるようにカリキュラムを組み立てています。

 授業中も楽しそうに過ごしている子が多いですし、中1や中2の保護者の方からは「本当に学校が毎日楽しいみたいです。第一志望ではなかったのですが関東学院に入れてよかったです」という声や、小学校までは勉強嫌いだった子が関東学院に入って「理科の授業が楽しい」と感じるように変わったという話をよく聞きます。

理科実験授業
理科実験授業
技術部

――生徒に楽しんでもらおうと、先生方が意識している部分もあるのでしょうか。

 興味を持ったものでないと子どもたちもなかなか取り組んでいけないと思います。まずは子どもたちの興味を引き出すために、各教科が試行錯誤しながら、さまざまなことを考えています。

――今と昔で生徒に対する接し方などで変わってきている部分はありますか。

 生徒を後ろから支えてあげるイメージで接しているのは今も昔も変わりません。一方で、私が在学していた頃は「何をやってもいいよ」「何かあったら言ってね」というスタンスだったのが、現在は新しいことにチャレンジしようとする新しい先生が増えていて、以前よりも生徒の前に立って何かに取り組む機会が増えています。のんびりした学校に、この10年くらいは新しい風が入ってきています。

――カリキュラムの面で進化したのはどのあたりでしょうか。

 一番大きな変化は学校が3期制から2期制に変わり、年間の授業時間が大幅に増えたことでしょうか。私が在学していた頃とは授業数がまったく違いますし、それだけ学ぶことが増えています。各教室にプロジェクターが設置されるなど、ICT(情報通信技術)を活用した授業も増えました。

 授業数が増えたことで、探究型の学習に時間をかけられるようにもなっています。私が担当する社会科では、従来の講義型の授業を少なくして、生徒主体のペアワークやグループワークを中心に進める授業を行っています。自分達で調べ、それを互いに教え合ったり発表したりという形です。

 こうした探究型のアクティブラーニングと講義の比率は学年ごとに変えていて、高1では6対4、高2は7対3、高3ではすべて探究型で・・系統的に段階を追いながら、探究型の授業を取り入れているところです。

社会科授業

――自分で手を動かしたり頭を使ったりしながら学ぶ方が理解しやすい面もありますよね。

 講義中心だった時よりも、最近の探究型の授業の方が、生徒たちが積極的に授業に参加してくれています。自分の頭で考えることで理解も深まりますし、その先にある課題についても知ることができます。授業では「なぜ、今これをやっているのか」授業の目的や活動の意図を意識させています。

――英語に関しても時間をかけて、重点的に取り組んでいるそうですね。

 2年前から総合の時間を使って、ベルリッツの英語授業を週に2時間導入(中1のみ1時間)しています。外国人の講師の先生に来てもらい、1クラスを3分割した少人数で、話すことを中心に扱います。中1から高2までの全生徒に受けてもらっていて、特定のトピックについてディスカッションやプレゼンテーションをするような大学の授業に似た形の内容になっています。

ベルリッツによる授業

――少人数で行われるということは、自分から英語で話す機会も増えそうですね。

 自然と会話量は多くなりますし、外国人の先生に教わるので日本人の先生とは違った雰囲気で学べるのも大きいと思います。こうした授業に慣れてきた学年の生徒は抵抗なく英語を話していて、そこがベルリッツの授業を1年しか受けていない今の高3生とは異なるように見えますね。

 ベルリッツの授業の他にも、高1ではフィリピンにいる先生と1対1で英語を話すオンライン英会話の授業を行っています。こうした授業を週5~6時間行っている通常の英語の授業と組み合わせながら、英語の4技能(聞く、話す、読む、書く)を伸ばすことに力を入れているところです。

オンライン英会話

部活動や課外活動についても主体的に取り組む生徒が多い

――関東学院は部活動も盛んな学校ですよね。どのくらいの数の部活があるのでしょうか。

 現在は35の部活が活動中で、ほかに合唱などの同好会活動を行う生徒もいます。部活の種類が多いので、やりたいことが見つけやすいのではないでしょうか。兼部をしている子も多いですね。

――部活には必ず入らなければいけないのですか。

 そういうことはありません。部活に関しても自由で、私たちから入部を勧めることはありません。ただ、部活から広がっていく友人関係もありますし、私自身が部活をやってきてよかったと思うことがたくさんあるので、「何か夢中になれるものを見つけた方がいいよ」とはアドバイスをしています。入部は自由なのですが、中1の段階ではほとんどの子がいずれかの部活に入っていますね。

――生徒にはどんな部活が人気ですか。

 関東学院の看板となっているマーチングバンド部は人気があります。日本で最初に作られたマーチングバンドチームで、全国大会で初代、2代目のグランプリに輝いています。毎年全国大会に出場していて、今年も銀賞を受賞しました。100人以上の部員がいるオーケストラ部や、運動部では野球部、サッカー部、テニス部などが人気です。

 ほかに実績を残している部活としては、世界大会に出場したハンドベル部や、フラガールズ甲子園で3位になったダンス部などがあります。

マーチングバンド部

――鬼嶋先生が顧問として指導をされている少林寺拳法部についてはいかがでしょうか。

神奈川だと最も古くからある少林寺拳法部の一つで、伝統ある部活です。私の一つ上の先輩は全国選抜大会の団体と個人で準優勝した学年ですので、在学していた頃は、上下関係も厳しく、練習も相当きつい時期でした。文字通り朝から晩まで練習していましたね。

 近年は人数が減ってきてしまっているのですが、今年は中学生が全国大会に出場しました。

――いまもそういう雰囲気は変わらずですか。

 当時とは大きく変わりました。時代も変わり、あの頃のような厳しい練習は、今ではできなくなっていますので。今は、人数も少なくなっているのでアットホームな雰囲気です。

――学校行事についても教えてください。鬼嶋先生が印象に残っている行事はありますか。

 中1と高3で校外研修として行くことになる、伊豆の天城山荘での修養会の経験が強く印象に残っています。プログラムは少しずつ変わっているのですが、ろうそくを灯して礼拝を行う「キャンドルライトサービス」など昔から変わらないものもあります。

 高3生には最後、自分なりの「人になれ 奉仕せよ」の意味を考える課題が出されます。生徒の書いた作文を見ると、一人ひとりその解釈は異なるとはいえ、確実に育っているものがあることを感じました。中1と高3で全く同じ場所に行くことになるので、今年の高3生とは「中1の頃に比べてこんなに成長したね」「関東学院に入ってよかったね」という話をできましたし、生徒たちも天城山荘に戻って気づいたことがたくさんあったようです。

修養会

――好きな行事はありますか。

 個人的に好きなのは「かんらんさい」(文化祭)です。部活動単位での出展があるほか、高校ではクラス展も行います。生徒が自分たちで企画する中でぶつかりあうこともあるのですが、最終的には毎年、達成感と充実感をみんなで味わうことができています。生徒には「失敗してもいい。とにかく全力でやろう」と伝えています。失敗から学ぶことは多く、全力を出しきった先に見えるものは必ずあります。学校行事は、机上の勉強では学べないことが学べるチャンスなので、いかに全力で取り組ませるかを考えています。

 前期の期末試験後が文化祭ウィークになっていて、試験が終わると学校が文化祭一色に変わっていきます。私もクラス展の準備を生徒と一緒にする時間が大好きで、その期間は、教室に10時間近く居てしまうくらいです。授業やホームルームの関係とは違って生徒とフランクに話せる機会ですし、世間話の中から普段は見えない人間関係が見えてきます。「この子、意外とこんなこともできるのだな」といった新しい発見もあります。 他の大きな行事としては、中学生の合唱コンクールがあります。毎年2月に横浜のみなとみらい大ホールで行っているイベントで、中1から中3までがクラスごとに歌います。1年間ともにやってきた仲間と一緒に行う最後のイベントになるので、いろいろなドラマが生まれる行事です。

充実の指定校推薦枠を生かしつつ生徒に合わせた丁寧な進路指導を実践

――進路指導については、どのようなスタンスで取り組まれているのでしょうか。

 高2で文系理系に分かれた後に、その中でさらに難関大受験クラスと一般クラスに分けていきます。一般受験を中心に据える難関大受験クラスと、指定校推薦なども視野に入れながら進学を考えていく一般クラスでは、それぞれ異なる指導をしています。

 さまざまな講演会や卒業生の話を聞く機会を用意するなど、生徒に多様な選択肢を示すことは大切にしている部分です。私のクラスは一般クラスなので部活を最後まで頑張りたい子もいます。それぞれの状況を見ながら情報を提供するようにしていますが、同時に「最後に決めるのは自分だよ」ということも伝えています。

――推薦の状況について詳しく教えてもらえませんか。

 指定校推薦のほかにキリスト教同盟推薦などもあるので、種類も数も多くの推薦枠があります。GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)以上の難関大学だと全部で30人ほどの指定校推薦枠がありますし、青山学院大にはそれ以外にもキリスト教関係の推薦枠があります。部活を一生懸命やってきた子たちは、学校の勉強をしっかりと頑張って、推薦で大学に進学する子が多いですね。

――鬼嶋先生は大学受験を迎えている今の高3の生徒たちを、中1から6年間持ち上がりで見ていらっしゃいました。これまでの生徒たちの成長を見て、どのように感じていらっしゃいますか。

 今こういう姿になることを中1の時には想像もできなかったですね。私との関係もだんだん変わってきています。はじめはこちらが100%引っ張っていた部分が、高校生になると子どもたちが自分たちから動けるようになりましたし、日々の世間話だけでなく、もっと先の将来の夢やビジョンを一緒に語れるようになったのは大きな喜びでした。人間的に成長していることを感じます。

 彼らが中2の時、ちょうど反抗期だった生徒とぶつかった時期がありました。その子が高校になってからわざわざ来てくれて、「あの時はありがとうございました」とお礼を言いながら当時のことを話してくれたことは忘れられません。その瞬間はすごく嬉しくて、こちらもありがとうという気持ちでした。中学の時のことを高校になって違う角度から話せるのは、中高一貫校のいいところだと思います。

――最後に、受験生や保護者の方に向けてメッセージがあればお聞かせいただけますか。

 関東学院は今年で101年目を迎えた学校です。時代は目まぐるしく変わり、社会も大きく変わっていますが、関東学院には、のんびりした子が多く自由な雰囲気があるのは、今も変わっていない部分です。私自身、のんびりとして自由な風土で6年間教育を受けてきましたが、そこで得たものは本当に大きかったと感じています。一方で、ベースは変わっていないけれども、時代に合わせて確実に変化を続けているとも感じます。

 また、関東学院は昔から勉強だけでなく、部活動や学校行事、課外活動にも力を入れてきた学校です。いまは世間で「生きる力」や「主体性」「協調性」と盛んに言われていますが、関東学院では昔から継続して、自然とやってきたことだと思います。機会があれば学校に来て頂き、生徒や教員の様子を見ていただければ嬉しいです。

関東学院中学校高等学校 〒232-0002 横浜市南区三春台4番地 TEL.045-231-1001 http://www.kantogakuin.ed.jp/

中学・高校のことカテゴリの最新記事