【聖園女学院の教育】新しい自分を発見し「踏み出す人に」なる・後編

【聖園女学院の教育】新しい自分を発見し「踏み出す人に」なる・後編

前編に引き続き後編では、聖園女学院の数々の取り組みについてお伺いしました。
聖園女学院の見せる新たな一面にも注目です。

>【聖園女学院中学・高等学校】新しい自分を発見し「踏み出す人に」なる・前編

良いところをどんどん伸ばす英語教育と
給付型奨学金制度を備えた留学プログラムを用意

――これからは他者と協働する力とともに、英語力や異文化理解の力もますます大切になります。聖園女学院の英語教育の特徴を教えていただけますか。

英語力の高い生徒に向けた取り出し授業を行っているのが特徴です。中1で英検準2級から2級程度の英語力を持つ生徒が対象で、他の生徒が通常の授業を受けている裏で、別クラスでレベルの高い授業を展開しています。もちろん基礎から丁寧に始められる環境も整っているのですが、できる生徒にはどんどん磨きをかけてもらいたいということです。

取り出し授業は英語圏から日本に戻ってきた帰国生の利用を想定していたのですが、国内生の中にも「私もあっちの授業が受けたい」と奮起する子がいて、中1の開始時は2人だった現在の中3生が今では6人に増えています。結果として生徒のハートに火をつける良い仕掛けになりました。
そのほか中学の英会話の授業は、クラスを出席番号順で2つに分けた約15人ずつの少人数で行います。ネイティブの先生のもと、たくさん発言できる環境を作っています。

――さまざまな留学プログラムも用意されているそうですね。

これまでは、①中3の1~3月のニュージーランド中期留学、②高1の夏休みに行う2週間のカナダ研修、の2種類のプログラムを実施してきました。①のニュージーランド中期留学は選抜性ですが、②のカナダ研修は希望者全員が参加できます。昨年は、①に21人、②に22人が参加しました。
今年からはさらに、③ニュージーランドの1年留学を始めます。それに合わせて、生徒の挑戦を後押しするために、学校のプログラムで1ヵ月以上留学する生徒に返済不要の奨学金を支給する制度もスタートします。

出発前の生徒に話を聞くと、「自分を変えたい」「自立したい」という言葉を残して飛び立っていく生徒が多く、とても頼もしく感じています。留学を通して、現地に行かないと分からないことを肌で感じてきてほしいですね。

受験に向けた手厚い放課後支援や
有名大の指定校推薦枠で進学を強力に後押し

――大学進学に向けた支援にはどのような取り組みがあるのでしょうか。

今年から新たに始まった平日の「放課後支援」では、高校生対象の受験支援や、全学年対象の自習支援を行っています。
受験支援では受験指導の専門家が英数国3教科を指導します。講座の内容は、TEAP対策や医療・看護系英語、新入試対策の現代文など、さまざまなものを用意しています。受講は有料ですが予備校に行くよりもかなり安く済みますし、移動時間を短縮できて慣れた環境で勉強できるのもメリットです。
講座の実施には外部の力を借りていますが、完全にお任せではありません。聖園の教員が講座内容の設定などに深く関わりながら講座をつくっています。部活などの生徒対応で時間がつくれない私たちに代わって、講座を担当していただいているということです。
また、土曜日や長期休業中にも補習や講習を行っています。こちらは聖園女学院の教員が担当しています。
自習支援については全学年が受けられます。女子大学生のメンターが待機していて勉強のやり方についてアドバイスをもらえるので、自分のやり方に変に固執することなく、新しいやり方を試してみるきっかけにもなると思います。学習習慣をしっかり身につけてもらうことが自習支援の第一の目的です。

――入試に向けた対策を学校で手厚く行ってくれるのは心強いです。昨今は推薦入試などを活用して進学する生徒も多く、保護者の関心が高まっています。指定校推薦の状況はいかがですか。

上智大学2人、青山学院大学5人、立教大学1人、学習院大学1人、明治学院大学5人、日本女子大学1人、聖心女子大学4人など、多数の大学から指定校推薦の枠をいただいています。
聖園女学院はカトリックの学校なので、上智大学からは指定校推薦とは別にカトリック特別推薦枠もいただいています。推薦人数は4人で、学部の制限なく全学部から進学先を選択できます。また、聖園女学院は南山学園の一員なので、名古屋の総合大学である南山大学に37人まで、学校長の推薦により筆記試験免除で入学できます。

「優しい」だけじゃない!
さまざまな仕掛けが生徒の新しい一面を見せてくれる

――受験勉強だけにとらわれることなく学んでいける環境が整っているのがよく分かりました。そのほかに聖園女学院の魅力としては、富士山や江ノ島を見渡す高台に位置するということも挙げられると思います。

とにかく緑が多く校地は83,000㎡と広大です。ちょうど東京ドームのグラウンド部分が6つは入る計算です。本当に毎日が林間学校のような学校なので、季節の花や鳥たちに囲まれて過ごすことができます。私個人としては、敷地が広いおかげで、学校の中に誰にも会わずに自分と向き合える「逃げ場」があるところも魅力に感じていました。中高生の頃って、一人になりたい、一人で静かに考えたい、と思うことがありますよね。嫌なことがあったとしても、この大自然を見ていると自分の悩みが小さなものに感じられて「まあいいか」と思えるのではないでしょうか。

――これまで聖園女学院には、「おっとり」「優しい」「穏やか」といったイメージを抱く方が多かったと思います。本日お伺いした、時代に合わせたさまざまな仕掛けを知った方は、聖園女学院のイメージが大きく変わったのではないでしょうか。

ありがとうございます。実は今年から、教育目標として「踏み出す人に」という新しいコンセプトを掲げました。生徒が持っている力強さやバイタリティ、チャレンジ精神などを引き出して、積極性を育むことを目指しています。
聖園女学院には良くも悪くも「優しい」生徒が多いのですが、互いに切磋琢磨する雰囲気になりづらい部分があったのもまた事実です。生徒にはいい意味でもう少しアグレッシブになってほしいと多くの教員が思っていました。そこで、現校長の意向もあり、それをしっかりと学校の教育目標に据えることにしたのです。
新しい教育目標にあわせて、校訓である「信念」「精励」「温順」という言葉にも新たな解釈が与えられました。これまでは神様という言葉がたくさん出てきましたが、神という言葉を使わずに信念を表しています。
特に温順という言葉は「素直に従って」「人の後にくっついて」というイメージがあり、誤解を招きがちでした。新しい解釈では、「意見や価値観の違いを超えて、人を受け入れ、世界の平和に貢献する」という今の時代に即した解釈に変わったのをとても嬉しく思っています。
これからは「おっとり」「優しい」「穏やか」といったイメージとは違う、聖園女学院の一面をもっと積極的に見せていければと考えています。

西に富士山、南には藤沢市街の向こうに江ノ島や灯台を望めます。(左上部分)

――本日はさまざまな角度から聖園女学院についてお話いただきありがとうございました。最後に、聖園女学院に興味を持っている方に向けてメッセージをお願いできますか。

聖園女学院では学校説明会の時に、生徒に表に出てもらうようにしています。司会進行や学校紹介も生徒が行っています。
ある年の説明会で、ステージに立った高2の生徒がこんな話をしたことがありました。

「今、ステージの上でマイクを握っているのが不思議なんです。聖園の5年間でいろいろな経験をしてきましたが、小学生の時は人前に出たことなんてなく、こうした役割を担うようになることを想像もしていませんでした。聖園は想像以上の自分に出会える学校です」

私は生徒がそう言ってくれたのがとても嬉しかったです。この子のように自分で自分の天井を決めていた多くの生徒が、さまざまな経験や人との関わりから視野を広げ、新しい自分を発見しています。もちろんそうした経験は、卒業後の進路についてなど、自分のいのちをどう役立てていくかをじっくり考えるきっかけにもなります。聖園女学院は考える機会の種がたくさん蒔かれた学校だということを知っていただけると嬉しく思います。

取材後記
鐵尾先生ご自身も卒業生ということで、生徒と教員、両方の視点から聖園女学院について語っていただきました。丁寧な言葉で情感豊かに聖園女学院のことを語る様子からは、学校のことが本当に好きなことが伝わってきました。
校内をご案内いただいている時に、少し離れたところから「ママー!」と鐵尾先生のことを呼ぶ生徒がいました。私たちが取材でお邪魔していることもあったのでしょう、少し恥ずかしそうに「ママじゃないでしょう!」と答える鐵尾先生と、先生に遠くから手を振る生徒。聖園女学院における生徒と教員の心の距離の近さを垣間見た気がしました。
聖園女学院は1学年が100人前後と規模の大きな学校ではありません。それでもTPWや英語の取り出し授業をはじめとして、良いところをどんどん伸ばしていくためのたくさんの取り組みは大規模校に負けておらず、生徒全員にiPadを配布して授業や部活動に活用するなど、時代に合わせて新しいことを取り入れるのにも積極的です。有名大学への推薦枠も人数比では非常に多く用意されているので、進学面でもお得感があります。
なによりこの規模だからこそ、生徒一人ひとりに目が行き届き、教員全員で生徒の成長をあたたかく見守ることができるのだと思います。先生たちの愛情を受けて自然豊かな環境で過ごす6年間が、社会の荒波に負けない自立した人をつくるのだと感じられた取材でした。

 

聖園女学院中学・高等学校
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