【聖園女学院の校風】新しい自分を発見し「踏み出す人に」なる・前編

【聖園女学院の校風】新しい自分を発見し「踏み出す人に」なる・前編

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校舎画像

学校現場の生の声を取材して「その学校についてより深く知ってもらいたい」という思いで始まった本企画。今回は神奈川県藤沢市の湘南・江ノ島を見渡す高台に位置する聖園女学院中学・高等学校を取り上げます。
お話をお伺いした入試広報部長の鐵尾千恵先生は、聖園女学院の卒業生でもいらっしゃるとのこと。実際に中高の6年間を過ごした卒業生として、そして現役の教員としての両方の視点から、聖園女学院について語っていただきました。特別に前後編でお届けします。

1人ひとりの生徒に丁寧に接するのは社会で力強く生きるための自己肯定感を育むため

――聖園女学院の卒業生でもある鐵尾先生にお話を伺いながら、数値やデータには表れにくい聖園女学院の姿に迫っていきたいと思います。まずは人を育てるという面で、聖園女学院がどんなことを大切にしているかを教えていただけますか。

鐵尾先生

卒業生として感じるのは、聖園女学院は「自分は存在していいんだ」ということを無意識のうちに思える学校だということです。「大切にされていたな」「生まれてきてよかったんだな」と思える瞬間がたくさんありましたし、今の生徒たちにもそういう瞬間をたくさん作っていきたいと思っています。
聖園では生徒同士も教員同士も、尊厳ある一人の人間として接することが大前提としてあります。人生を山登りに例えると、私たち大人は生徒よりも少し先を登っていて、より広い部分を見ることができるだけともいえます。もちろん生徒と教員の間で節度は必要ですが、教員だから上、生徒だから下ということはないのです。
特に大切にしているのが「傾聴」、つまり生徒の声に耳を傾ける時間です。私たちは悩んでいる生徒の聞き役として心と頭の交通整理を担うことで、さまざまな要因から埋もれてしまっている、一人ひとりの中にある答えを引き出すようにしています。

――女子と男子では悩みの種類も異なるかと思います。女子校ならではの生徒への接し方などもあるのですか?

女の子、特に思春期の女子は豊かな想像力を持っています。友達のちょっとした態度から想像が膨らんで「自分は嫌われている」と思い込んでしまうこともよくあります。「事実」と「想像の上の心配」が、悲しみのあまりごちゃ混ぜになってしまうのですね。
ですから、私たちはその違いを解きほぐし、物事を違う角度から見るお手伝いをしています。それだけで悩みが解決してしまうこともあるんですよ。

――視点を変えて物事を見るのは社会でも大切になりますね。

「理解されることよりも理解することを(※)」というお祈りの言葉があるのですが、そうした視点や発想を持っておくことは社会に出た時に必ず役に立つと思います。
社会では必ず分かりあえない人と出会いますし、理不尽なことも多いです。生徒が卒業してしまったら、私たち教員は心では寄り添えても、隣にいてあげることはできません。それでも「私は私のままでいい」と思えるならば、そして相手のことを理解できるのであれば、一度へこたれても自力で立て直せると思うのです。
社会に出た時に力強く生きていくための立ち直り力と、その根源としての自己肯定感を持って卒業してほしい。その一心で私たち教員は日々生徒と接しています。
(※)「聖フランシスコの平和の祈り」の一節。

生徒を長い目で見守り「時が来た」ときに新たな一歩を後押しする

――聖園女学院の先生方が生徒を大切に育てている様子が伝わってきます。世間からは「面倒見の良い学校」という評価を受けることが多いと思いますが、面倒見の良さについてはどのようにお考えでしょうか。

聖園女学院が大切にしているのは、生徒を長い目で見守ってあげることです。生徒から目を離さないですよ、心を離さないですよ、という意味での面倒見の良さであって、24時間生徒を監視して、手取り足取り生活全ての面倒を見てあげるものではありません。生徒の自立を手助けしながら伴走するようなイメージですね。

――あくまでも生徒に寄り添い、内側からの成長を後押しするのが聖園女学院のスタンスだと。

それぞれの生徒にはその子の良さが芽を出そうとする「時が来た」タイミングがあります。そのタイミングを逃さずに「まだ見えない何か」を引き出してあげたいと、すべての教員が思いを共有しています。
ある生徒の話なのですが、合唱のピアノの伴奏をやってみたいと思っているのに、「私より上手でふさわしい人がいる」「私が立候補したら周りはどう思うんだろう」とさまざまなことを考えてしまい、なかなか一歩が踏み出せない生徒がいました。私たちは「チャレンジしなければ始まらない。オーディションは受けてみたら」「やらなかった後悔とやってみての結果は違うよ」という話をしながら挑戦を後押しし、結果としてチャレンジした子も1曲、立派に演奏しました。
ある小学生保護者の方から「表舞台に立つ子はいつも同じ」という話を聞いたことがあります。たしかに教員としてはその方が安心かもしれません。この子を出しておけば間違いないという生徒は聖園女学院にもいます。でも、それは少し違うなと思うんですよね。
いつも表舞台に立つような子は、縁の下の力持ちになった時の気持ちを知っていた方が豊かになれると思いますし、いつも支えている子には、表舞台に立って違う景色を見てほしい。いろいろな立場を味わって新しい自分を発見してほしいのです。そのための一歩を踏み出すために、背中を押してあげられる環境を聖園女学院は用意しています。

 

100人には100通りのタイミングがある。じっくりその時を待つ。

Team Project Workを通じた与えられた環境でベストを尽くすための学び

――これまでのお話から聖園女学院の雰囲気が感じられたような気がします。ここからは具体的な取り組みについてもお伺いしたいと思います。Team Project Work (TPW)という特徴的なプログラムがあるそうですが、どんな活動を行っているか教えていただけますか。

TPWでは、無作為に組まれた5~6人のチームで、1年間かけて一つのプロジェクトを遂行します。たとえばある企業から出された「中高生が朝食で乳製品を手軽に取れるメニュー開発」はその一例です。
課題は企業などから与えられることもありますが、学年が上がると課題についても自分たちで探して、調査や研究を行い、アイデアや解釈を発表していきます。TPWは中1から高2までの5年間、毎年取り組むので、失敗から学んで再チャレンジできるのもポイントです。
優秀なチームは聖園女学院を代表してTwice Award全国大会に出場しています。今年は自分史や学校フリーペーパー部門でグランプリ・グローバルリサーチ部門で準グランプリを受賞するなど、高い評価を頂いています。自校の先生だけではなく外部の方から評価を受ける機会もまた大切にしたいと考えています。

――5年間のTPWを通した生徒の成長が結果にも表れているのですね。一見するとTPWからは、これからの子どもたちに求められる問題解決力や協働する力などが育まれるように見受けられますが、他にも狙いがあるのでしょうか。

TPWの活動からは、何かを行う時にいつも好きな人同士でできるわけではないことを体で分かってほしいと考えています。社会に出たら、気が合う、合わないに関わらず、チームを運営し、プロジェクトを遂行していくことになります。与えられた条件の中で自分とチームの仲間のパフォーマンスを最大限発揮する方法を考える体験が大切なのです。
実際問題として、グループでうまく活動していくのは大変です。必ず「私ばっかりやらされている」と感じる人と、「他の子が全部やってしまうからやることがない」と感じる人が出てきます。同じ事象なのに、立場が違えば言うことが変わってくるのです。
学年が低いうちはうまくいかないのは当たり前です。大切なのは経験を積み重ねて学年を経るごとに成長し、「私ばっかりやらされている」と言っていた子が変われるか、「やることがない」と言っていた子が「何かできることはある?」と声を掛けられるようになれるかどうかです。たくさん泣いたり傷ついたりしながら学んでいくことなのだと思います。
後編に続く)

取材;松平 信恭(ユニヴプレス編集部)

 

前編あとがき
中学、高校時代の大切な6年間を高校受験に中断されずに過ごせるのは中高一貫校の大きなメリット。その利点を最大限活用し、長い目で生徒の成長を後押しする聖園女学院の教育を、鐵尾先生のお話から感じていただけたかと思います。後編では、放課後の学習支援や留学プログラムといった取り組みのほか、気になる指定校推薦の状況までお伺いしていきます。

 

聖園女学院中学・高等学校
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FAX0466-81-4025
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※夏季、冬季休業期間中など応答できない期間もございます。

【聖園女学院中学・高等学校】新しい自分を発見し「踏み出す人に」なる・後編

8月1日(木)帰国生説明会を開催します!|聖園女学院中学校高等学校

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