普通高校とは異なる高専進学のメリットって何?  あるYouTubeトーク番組が話題に

普通高校とは異なる高専進学のメリットって何?  あるYouTubeトーク番組が話題に

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好評、高専がよくわかるYouTube映像

日本の教育制度に高等専門学校(以下高専)という学校があることをご存じだろうか。中学校卒業後は高等学校進学、さらに大学・短大・専門学校や就職の道を選ぶ人が大多数だが、高専は5年間一貫教育で一般科目と工学・経営・情報など専門科目を学び、卒業後は大学3年次編入を目指す高等教育機関である。専門科目では大学並みの高度な理論と実習・実験があるので大学の先取り教育的な面も持ち合わせている。受験対策に多大な労力をかけずに大学に進学できる点も大きな魅力で、その時間とエネルギーを好きな学問の追究にかけることができる。15歳にして自分のやりたいことが明確になっている人にとっては魅力的な学校で、現在は全国で57校あり、6万人が学んでいる。

このたび石川県にある国際高等専門学校が、高専で学ぶことの魅力を動画配信で伝えるYouTubeチャンネルを開設、“日本の大学全部見学した男”一般社団法人大学イノベーション研究所所長・山内太地氏と国際高等専門学校の教員とのトーク番組3本を2021年10月より配信開始、1月19日現在再生回数は9万回を超えており、高専という学校の理解に大きな貢献を挙げている。

【第1弾】「高専ってどんなとこ?」
高校1年に相当する学年から高度な技術を身につけることのアドバンテージを伝える。

【第2弾】「国際高専ってどんなとこ?」
ロボティクスの技術や知識を英語で学びながら、課題解決のスキルや考え方、デザイン力を自分のものにする国際高専の魅力を伝える。

【第3弾】「山内太地のぶっちゃけトーク。国際高専・知名度アップ」
「工業高校や普通科進学校より、高専のほうがいいじゃん、って何ですか?」。日本の大学を知り尽くした山内太地氏によるぶっちゃけトーク。

この動画の反響が大きいのは「工業高校や普通科進学校より、高専進学の方がいいのでは」というメッセージがわかりやすく届いたためと思われる。国際高専を例に、高専の教育制度のどこがいいのか具体的にみてみよう。

高専の特長「時間をかけて高度な教育を実践」

例えばロボットやプログラミングをある程度会得して、このスキルをより磨きたいと思う中学生が高校・大学と進学した場合、研究に携わることができるのは、多くの場合大学4年か大学院に入ってからと、実に7年後となってしまう。本当にやりたいことがあり高いモチベーションを持っている人にとっては、その間何もできず時間も熱意も失われ、若いエネルギーが喪失されてしまいかねない。これに対し高専では教授や准教授から1年次から高度な授業を学ぶことができるので、大きな熱意を持っている時期に様々なことを修得できる。実例として国際高専では、中学生の頃に医療機器に興味を持ち、かつ将来はグローバルな活動を目指しているため、外資系医療機器メーカーに就職したいという目標をもって入学してきた学生が在籍している。「英語で学ぶことができ、3年次には1年間の海外留学ができる」カリキュラムに備え、現在は「English STEM教育」や「英語で発想するトレーニング」などで学び、夢に近づくための力を養っている。国際高専の場合は、AIやIoT、画像編集や映像編集、WEBのコーディングまで英語で学ぶことになるので、英語で高度な教育を受ける機会にも恵まれ、将来の国際的な活動に対応できる準備にもなる。

また入学後すぐに高度な教育を受けることで、自身の能力や将来の方向性に目覚めて大きく成長した生徒もいる。昨年ユニヴプレスWEBで紹介した2年の山崎史依さんは国際高専に入学してから授業でCADソフトに出会い、その魅力に取りつかれてから急激にスキルを高めて、1年生で日本国内の学生コンテストで頂点に立った。これは高度な授業と指導力があり、通常の大学受験にとらわれないカリキュラムである高専ならではの教育成果である。

「大学受験にとらわれずに興味のある領域を思う存分学べる」ことと、「早い時期から大学並みの高度な教育を受けることができる」こと、高専ならではの特長である。

国際高専は「附属校」「高大連携」「グローバル」

国際高専の場合は、理工系分野での高い研究力で注目される金沢工業大学が併設校。さらに同じキャンパスで学ぶので、5+4の9年一貫の教育が可能であり、高専4、5年生が理系の大学生とともに学んだり、研究ができたりする(高専4、5年生は大学1、2年生と学年的には同じ)。さらに金沢工業大学の特徴である、夢考房やライブラリーセンター、数理系の学力をサポートしてくれる数理工教育研究センターも共有して利用できるというアドバンテージがある。

これは昨今人気を集めている「大学附属校・系列校」と共通の優位性だ。大学受験を意識することなく、5年間かけて好きなことやプロジェクトに没頭できる高度な教育環境で学び、その上大学3年次編入の道が開けている。またこれも流行になっている「高大連携」教育についても、そもそも国際高専は金沢工大生と一緒に学んでいる。もう一つ教育界で話題になっている「グローバル」についても1年間の留学制度をはじめとして先に説明した通り、「理工系の知識と技術×グローバル」という現代社会の即戦力たり得る力を持つことができる。理想的な教育環境ではないだろうか。

「将来の夢がある」「やりたいことがある」生徒にとって、大学受験に惑わされることなく5年間を自分が求める学びや研究に没頭し、存分に楽しめる環境が高専にはたくさん詰まっている。卒業後は就職、大学への編入など、さらなるステップアップを見据えた進路を選ぶことができるため、将来の活躍も大いに期待できるはずだ。保護者の方々も普通科・工業高校、大学進学という道だけでなく、子供の可能性や才能を開花させるための道として、高専という選択をしてみてはどうだろうか。

学校HP https://www.ict-kanazawa.ac.jp/
<参考>
昨年ユニヴプレスWEB掲載の国際高専記事
金沢工業大学と連携、高度なグローバルイノベーターを育成する国際高等専門学校

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