自身の価値観に出会うキャリア教育で、納得の就職と質の高い就労を実現ー関西学院大学

自身の価値観に出会うキャリア教育で、納得の就職と質の高い就労を実現ー関西学院大学

99.7%という高い就職率を誇る関西学院大学。同学には、就職先への満足度98.2%という、もう1つの秀でた実績がある。この特筆すべき成果を生み出す一翼を担っているのが、人生の目標や自分なりの価値観を見つけ、それらを実現するための基礎を築くキャリア教育だ。「キャリアの関学」とも称される同学の取り組みについて、キャリアセンターの森隆史センター長に話を伺った。

取材 井沢 秀(大学通信)   
 文 松本守永(ウィルベリーズ)

―関西学院大学におけるキャリアセンターの役割や特色を教えてください。

キャリアセンター センター長
森 隆史さん

「キャリア支援」と「キャリア教育」の2つの役割を一元的に担っているのが、本学キャリアセンターの特色です。キャリア支援とは、いわゆる就職支援のことです。各種のセミナーを開催したり、学生からの相談に応じたりしています。キャリア教育とは、「その人なりの幸せな人生を送るための学び」であり、「生きていくための価値観に出会うための学び」です。本学ならではと言えるのが、キャリア教育に非常に力を入れている点です。1年次からキャリア教育の科目を受講することで、働くことや人生の目標などについて考えることができます。そうすると、目標の実現に向かってどのような大学時代を過ごすべきなのかも考えることができます。低学年次でのキャリア教育が充実した学生生活につながり、その結果として満足のいく就職につながっているのです。

―2022年度から始まったキャリア教育の科目である「KGキャリア入門」について教えてください。

KGキャリア入門は、動画によるオンデマンド型の授業です。内容は、各界で活躍している本学の卒業生と私が対談し、それぞれの学生時代や現在の仕事について語ってもらうというものです。14人の卒業生に登場いただき、毎週、学生へ動画を配信しています。

本学の特色は、スクールモットーである「Mastery for Service(奉仕のための練達)」が浸透していることです。そして、KGキャリア入門に登場する14人の卒業生は、誰もが「Mastery for Service」の体現者です。この授業を通して、「関西学院大学で学ぶとはどういうことなのか」を感じてもらい、「この場所では、自分が主役になっていいんだ」ということを伝えています。幸いにも初年度である2022年度の1年間では、1万1000人の学生が受講しました。また、今年度は6600人が受講しています。現時点で、開講初年度に入学した学生の約8割が既に受講しており、低年次から多くの学生に将来設計も踏まえた学生生活の過ごし方やスクールモットーについて考えてもらう機会を提供しています。

―キャリア教育の科目として、「ライフデザインと仕事」「キャリアゼミ」も開講しています。

KGキャリア入門がオンラインでの授業であることに対して、これら2つの科目は対面型のリアルな授業です。KGキャリア入門で人生の奥深さや本学で学ぶことの楽しさに興味を持った学生が、「もっと考えを掘り下げていきたい」と思ったとき、これら2つの科目へ進んでいくという仕組みになっています。

「ライフデザインと仕事」は、企業の方が講師を務めてくれます。3コマ1セットの授業で、1コマ目は自社の紹介、2コマ目は私とのトークセッションによる仕事やキャリアについて深掘りという構成になっています。また2コマ目の授業では、企業から学生に対して課題が出され、グループワークも行います。3コマ目はグループワークを受けての発表と、ディスカッションです。これを4社に協力いただいて実施しています。

卒業生の話を聞いて学ぶKGキャリア入門は、いわば「先輩の人生」でした。それに対して課題に取り組んだりディスカッションをする「ライフデザインと仕事」では、大学生活の過ごし方やキャリアが自分ごとに変わっていきます。これが大きなポイントです。指導は私が担当しているのですが、学生から「どうしたらいいですか?」と相談されたときも、「自分で考えてみよう」と答えるにとどめています。学生が発表する内容はもちろんのこと、発表の仕方を考えてもらうこともあります。

「キャリアゼミ」では、私自身の経験を題材として話しながら、学生に大学生活の意義や過ごし方を考えてもらっています。それらを踏まえて、ビジネスプランを作成して発表します。この過程では思考力やコミュニケーション能力を養うことができます。キャリアゼミで私が力を入れて伝えているのは、「人生には予期せぬ出来事が起こる」ということです。予期せぬ出来事とは、自然災害やコロナ禍などの大きなことから、仕事などで思ったような成果が上がらないことも、予期せぬ出来事の一例です。大切なのは、そういった出来事をどのように捉え、どうやってその後の糧にしていくかです。望んでいなかった出来事であったとしても、糧にできるのであれば、決して無駄な経験ではありません。そのように物事を捉えられる力、すなわち「生きる力」を育んでもらいたいと考えています。

キャリアゼミ

―キャリア教育科目全体に共通する狙いを教えてください。

問いを立てる力を養ってもらうことです。これもまた、生きる力の1つです。

高校までの勉強はあらかじめ問題が用意されており、いかにして正解に近づくかが求められていました。ところが、「生きる」ということにおいては絶対的な正解はありません。解くべき問題も用意されていません。自分で問いを立て、答えを探すことこそが生きることなのです。これと同じことをするのが、大学の学問です。キャリア教育科目で自問自答の経験を積み、そのうえで社会へ飛び立ってほしいと願っています。

社会も企業も、目まぐるしく変化しています。現在の価値観が、いつまでも変わることなく世の中の主流派であり続けるとは限りません。そこで大切になるのが、自分自身の価値観です。自分の価値観を確固たるものにしていくためには、「なぜ?」「どうなっているんだろう?」「どうしたらいいんだろう?」など、自ら問いを立てる必要があります。その習慣づけを学生時代にできれば、社会がどのように変わったとしても、対応できるはずです。これこそが、キャリア教育科目で養ってもらいたい力です。

―スクールモットーの「Mastery for Service」は、キャリア教育のなかではどのように伝えられていますか?

「Mastery for Service」という言葉には、「世の中に貢献しようと活躍している人たちのためのマスター(リーダー)になりなさい」という意味があると私は考えています。自分の欲望のためにチームをつくり、そのリーダーになるような人のことではないのです。「世の中のためのリーダーになろう」と伝えています。

―神戸三田キャンパス(KSC)では9月に、スノーピークとの連携で「KGキャリアキャンプ〜supported by Snow Peak〜」が開催されました。

KGキャリアキャンプ

発端は、スノーピークの人財本部の方と話したことにあります。同社では採用にあたって面接を行わず、代わりに採用候補者と一緒にキャンプをするそうです。なぜなら、キャンプには人柄が如実に現れるからとのこと。その話にヒントを得て、キャリアセンターとKSCが持つキャンパス内の自然という財産を結びつけたのが、今回の取り組みです。スノーピークも賛同してくれ、社員を派遣してくれるなどの協力をいただきました。

キャンプでは、自身の価値感やキャリア観を知るために、自分らしさに気づくための人生すごろく「金の糸」を行いました。そこで得た気づきなどは、焚き火を囲んで話す「焚き火トーク」という時間に発表し、参加者同士で共有しました。また、スノーピークの社員と本学の職員が社会人としての転機や成功体験などを語るトークセッションも行いました。

キャンプ当日は、あいにくの雨に見舞われる場面がありました。すると、「なんとかしなきゃ」という空気が自然に全員の間に広がったのです。段取りの変更に向けて、学生も職員も分け隔てなく協力しました。これこそがまさに、「人生には想定外のことが起こり、大切なのはその捉え方」の実践でした。得難い経験ができたキャンプだったと思います。

参加した学生からは非常に好評でした。会場はKSCだったのですが、日頃は西宮上ケ原キャンパスで学ぶ学生も参加しました。キャンパスの垣根を越えて学生が交流できたことも、意義深かったです。

―各業種のリーディングカンパニーに就職する学生が多いことも特色のように思います。その要因はどこにあるとお考えですか。

さまざまな要素が考えられますが、私はキャンパスを大きな要因として挙げたいです。時計台や芝生の広場に象徴される西宮上ケ原キャンパスをはじめとして、本学の各キャンパスはいずれもが非常に美しいです。この環境は、知らず知らずのうちに学生の顔を上げさせてくれます。辛いこと、悔しいことがあってもくじけずに前に進む力を、キャンパスという環境が与えてくれるのです。リセットする力、気持ちを切り替える力とも言えるでしょう。この力が、企業から本学卒業生に対してしばしば寄せられる「関学生は素直だ」という評価につながっていると考えています。

―創立150周年となる2039年を見据えた将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」では、「質の高い就労実現のための施策」が掲げられています。質の高い就労とはどのようなものでしょうか。またその実現のためには、何が必要でしょうか。

働いていると、「あなたがいてくれてよかった」「あなたのおかげでこの仕事ができた」と言ってもらえることがあります。自分が評価され、認められる瞬間です。このときの嬉しさは、さらなる成長への原動力になります。私は、1人でも多くの学生にそういった体験をしてもらいたいと考えています。ただしこのような瞬間は、すぐに訪れるわけではありません。まずは自分自身の頑張りがあって、それを見た周囲の人が評価を寄せてくれるようになるのです。となると、最初のステップは自分を磨くことです。まさにスクールモットーである「Mastery for Service」なのです。さまざまな経験をし、自身を鍛えることが、「いてくれて良かった」と言ってもらえる人材への成長につながっていくのです。

―最後に、高校の先生方や受験生へメッセージをお願いします。

郊外に広がる美しいキャンパスは、本学の大きな魅力です。ここは、日常のなかの非日常のような空間です。国内留学をしているような環境とも言えます。日常から離れ、学びや友人との交流、さまざまな活動など、興味のあることに思う存分打ち込むことができる場所なのです。人生のなかで、そのような環境に身を置く時間は、非常に意義深いです。ぜひ、本学を進路の選択肢に加えてみてください。

関西学院大学は自由と責任を学べる場所。自分らしいリーダーへと成長できる

西川良太さん
法学部卒業
ダイキン工業株式会社

ダイキン工業は空調機器の製造・販売を行っています。ダイキン工業の製品は世界170カ国以上で販売されており空調分野ではグローバルNo.1の会社です。「空気で答えを出す会社」というキャッチコピーや「ぴちょんくん」というキャラクターでご存知の方も多いかもしれません。

私はダイキン工業でデジタルトランスフォーメーションの一端を担っています。デジタル技術や様々なデータを活用して社内外にどのような“嬉しさ”や“価値”を提供できるかを考え、実行しています。価値の提供先は日本に留まらず、世界中に広がります。新しいことにも常に挑戦できる会社で働けています。

関西学院大学には、キャンパスに一目惚れして入学を決めました。春の桜の時期に開催されたオープンキャンパスに参加したのですが、最寄り駅から坂道を登りきったときに目の前に現れた時計台と桜並木の美しさは、衝撃的でした。実は卒業後にも時々、キャンパスを訪れています。仕事などで悩んだときに足を運び、食堂で食事をしたり、芝生に座って時間を過ごしました。何かあれば帰ることができ、迎え入れてくれる場所が、私にとっての関西学院大学です。

関西学院大学は、チャレンジができる場所であり、失敗してもかまわない場所です。留学や他学部の授業が受けられる制度など、学生の興味や意欲を後押ししてくれる制度が豊富に揃っています。ポイントは、自分の意思でチャレンジできるからこそ、責任をもってやり遂げようという気持ちが養われる点です。決して「言いっ放し」にはなりません。自由だからこそ責任感が養われる環境だと言えます。

責任感と並んで関西学院大学の学生の特徴と言えるのが、リーダーシップです。リーダーシップと言ってもいろいろな形があります。それぞれの個性を発揮しながら、チーム、ひいては社会に貢献していく方法を考えているのが、関学生ならではのリーダーシップではないでしょうか。これはまさに、スクールモットーである「Mastery for Service」の現れだと思います。

関西学院大学の卒業生は、母校が大好きです。そして、後輩たちの力になりたいと思っている人がたくさんいます。私もその1人で、「ライフデザインと仕事」の授業では講師を務め、ダイキン工業の事業や私自身のキャリア観についてお話しする機会をいただきました。主体性や責任感、自ら踏み出す気持ちなど、私が経験して大切だと感じてきたことが後輩の役に立つのであれば、それは私にとっても大きな喜びです。それに、学生たちの前向きで真剣な姿に触れることで、私自身も勇気や元気をもらうことができました。また、「ライフデザインと仕事」で関学生にお話した“今の私”の根底にあるのは関西学院大学での学びや経験だなと改めて感じました。

今の世の中は、価値観が多様化しています。就職先であっても、以前であれば「いい会社」の基準とは、知名度や企業規模であることが多かったです。しかし現在は、ベンチャー企業や社会課題に挑む会社など、基準はさまざまです。ここで大切になるのが、自分なりの価値観を持つことです。そこで役立つのが、キャリア教育です。関西学院大学のキャリア教育は非常に充実しています。動画で受講できる「KGキャリア入門」などは、私も受講したいぐらいです。

自分なりの価値観や基準を持つにはさまざまな価値観に触れることが大切で、「そんな考え方もあるんだ」「自分はこの考え方に近いな」と考えることこそが必要です。その環境が関西学院大学にはあります。関西学院大学では、人生の転換点となる人や出来事と出会えるはずです。まずはぜひ、高校生の時の私のように、美しいキャンパスに訪れてみてください。

キャリアセンターの職員からMessage

岡本佳子さん

私たちキャリアセンターだけでなく本学のすべての部署は、学生が目標と出会い、成長するための機会を提供したいと願っています。さまざまなプログラムは、その思いが形になったものです。本学に入学して、決して後悔はさせないと私たちは自負しています。オープンキャンパスなどを通じて、本学の取り組みと、美しいキャンパスを体験してください。

廣川智三さん

本学のキャリア教育では、学生が将来の自身について見通しを立て、社会のなかで自分をどう表現していくかを考える機会を提供します。これがあることで、自分は今何を学び、何をすべきかを考え行動していくことにつながります。ここでの経験は、社会で活躍するための大きな財産になるはずです。ぜひみなさんも本学で、可能性を大きく広げてください。

石橋將広さん

本学のキーワードの1つは「つながり」です。学年を越え、学部を越え、文系・理系を越え、さらにキャンパスまでも越えたつながりに満ちています。他者とのつながりは気づきや発見のきっかけになり、自身の成長へ結びついていきます。多くの学生が受講する「KGキャリア入門」は、在学生だけではなく、卒業生や社会との「つながり」を提供している側面があります。「つながり」を一つのきっかけとして、美しいキャンパスの中で仲間と共に、みなさんの明るい未来について一緒に考えていきましょう。

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