一歩前に出る、フロンティア精神を持った技術者を育成

一歩前に出る、フロンティア精神を持った技術者を育成

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仏教系の大学として日本最古の理工系学部である龍谷大学の理工学部は、2020年4月に先端理工学部に生まれ変わる。日本初の課程制の導入により、高い専門性を有しながら、広い視野で活躍できる人材育成を目指す先端理工学部の可能性について、学部長に就任予定の松木平淳太教授に聞いた。


理工学部から先端理工学部へ

―なぜ、理工学部を先端理工学部に改組するのでしょうか。

科学技術が急速に発展するこれからの時代の社会課題を解決するには、専門分野をしっかり押さえた上で、様々な学問領域に横ぐしを通した教育が求められています。そこで先端理工学部は、専門分野ごとの縦割りになりやすい学科制から、複数の専門分野を横断して学ぶことができる課程制にします。理工系学部で課程制を導入するのは、日本初の試みです。

課程間に横ぐしを通した幅広い分野の学びを展開するために、どの課程からも自由に履修できる25の先端プログラムを用意します。例えば、既存の環境ソリューション工学科において、AIを使って生態系のデータベースを解析したいと考えた時、これまではAIに関する科目群がありませんでした。これからは、先端プログラムにある人工知能やデータサイエンスを履修することにより、シナジー効果で環境の学びに人工知能の知見を取り入れることが可能になるのです。専門分野と先端プログラムを組み合わせることにより、Society5・0の考え方にある、全体を見通した上で課題を解決する能力が獲得できるのです。

―カリキュラム全体の特徴を教えてください。

これまでの教育の考え方は、基礎から積み上げていくものでしたが、先端理工学部では、社会で求められている課題を高学年次の教育に落とし込み、その実現のために初年次からの教育を積み上げるという、通常とは逆向きのカリキュラム作成をしています。大学卒業後の将来を見据えたカリキュラム構成になっているのです。

将来に直結するカリキュラムで学ぶには、卒業後をイメージするために1年次の基礎教育がとても大切なので、入学時のオリエンテーションにおいて、先端プログラムと将来の進路や職業との関連性について周知します。1年次後期の「理工学のすすめ」では、6課程それぞれの教員が専門分野に関する授業を行います。さらに、働き方をイメージしやすくするために、中堅から大手、ベンチャーも含めた様々な企業を招いて、研究開発の話を聞く機会を設けます。

R−Gapで学生の 主体的な活動を促す

―学生が自由に使える学期があるそうですね。

課程制と並ぶ大きな特徴が、主体的活動を促す期間であるギャップターム「R−Gap(Ryukoku Gap Quarter)」を設けることです。先端理工学部はクォーター制を導入し、3年次の2クォーター目をギャップタームとします。大半の理工系学部は毎学期に必修科目があり、自由な活動に使える期間がありません。R−Gapは必修科目がないので、夏休みとつなげると6月から9月半ば頃までの長期間を活用して、インターンシップやボランティア、留学など、社会とのつながりを意識する期間として活用できるのです。

―具体的にどのような活動が考えられますか。

松木平 淳太教授

一つは長期インターンシップです。一週間の内、数日を企業でのインターンシップに充て、感じた課題や問題意識について、大学で教員とのディスカッションなどを通して知見を得た後、また企業に戻ってインターンシップを行うという、企業と大学間の往還を想定しています。こうしたインターンシップを通じた産学連携も視野に入れています。地元滋賀県にはものづくりに関する世界的な企業が数多くあります。そうした企業の中には、社内の諸問題解決のためにIoTを活用してデータを収集していながら、データ解析で苦戦する企業が少なくありません。学生がインターンシップ先の課題を大学に持ち帰って解決法を考える、あるいは、データサイエンス系の教員とヒアリングすることが芽となり、自然な産学連携につながるのだと思います。

―R−Gapはグローバル教育にも役立ちそうですね。

前身の理工学部はグローバル教育に力を入れていました。1年次のネイティブの教員が担当する「インテンシブイングリッシュプログラム」、2年次のベトナムやシンガポールで、日本企業の見学や、現地の学生と共同PBLなどを行う「ASEANグローバルプログラム」、3年次には、アメリカのシリコンバレーで学ぶ「グローバル人材育成プログラム」があります。就活や卒業研究がある4年次は実施しませんが、大学院では、アメリカのバークレーにある龍谷大学の北米拠点で、学会発表につながるプレゼン能力を養成する実践的なプログラム、「RUBeC(Ryukoku University Berkeley Center)演習」があります。こうした、既存のプログラムを引き継ぎ、さらに発展させるためにR−Gapを有効活用したいと考えています。

授業を通して正解のない課題の 解決力を身につける

―アクティブラーニングに力を入れるとお聞きしました。

1年次の「フレッシャーズセミナー」では、課程ごとに10人くらいの少人数で論文の書き方など、4年間学ぶ上で必要となるリテラシーを身につけます。各課程が設置するアクティブラーニング科目の特徴は、結論のない課題に向き合うことです。理工系の実験は、正解が決まっていることが多いのですが、これからは、正解があるとは限らない課題と向き合わなければなりません。そうした課題解決のためのプロセスを身に着けてほしいのです。課程全体の横ぐしを通すため、全課程の学生が参加してディスカッションを行うアクティブラーニング科目である、「デザインシンキング」を用意します。

―アクティブラーニングのための環境整備はいかがですか。

教室外で行うことが多いアクティブラーニングはインフラが重要です。龍谷大学は、関西の私立大の中で有数の無線LAN環境があります。先端理工学部はこの環境をフルに活用します。BYOD(Bring your own device)により、学生一人ひとりがパソコンを携帯しているので、プログラミングや統計データをダウンロードしてデータサイエンスの基礎を学ぶなど、これまでは実習室でしかできなかったことがその場でできるようになるのです。

学生同士が学べる場も整備します。STEAM教育(※)の拠点となる「STEAM版コモンズ(仮称)」には、3Dプリンターやレーザー加工機など簡易な工作機器が置かれ、ものづくりの協同作業スペースが併設されます。セミナーやグループワークに適した「フリーエリア」と簡単な作業ができる「Fabエリア」も設置します。その他にも、プロジェクターやホワイトボードを備えた「サテライト」及び、学内各所に小さ目な自習スペース「スポット」があります。

※STEAM教育:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)を総合的に学習する教育

―最後に受験生にメッセージをお願いします。

「誰一人として取り残さない」というSDGsの考え方は、本学の建学の精神である浄土真宗の精神に通じるところがあります。摂取不捨(せっしゅふしゃ)という考えを持つ仏教の方が先んじていると言ってもいいでしょう。こうした精神を大事にする龍谷大学が先端理工学部の“先端”という名称に込めた思いは、世界ナンバーワンの学部になるという意味ではありません。それぞれの学生が得意な分野で長所を伸ばし、チームの中でその強みを発揮できる「一歩前にでるフロンティア精神を持つ」という事なのです。先端理工学部は、それぞれの人がそれぞれの分野の先端で活躍できる人材を養成する学部だということを、受験生の皆さんに知ってほしいですね。

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