未来に大きく広がる農学の可能性

未来に大きく広がる農学の可能性

ここ数年、農学系の人気がない。
しかし農学は、喫緊の課題とされるSDGs(持続可能な開発目標)の課題解決に大きく貢献する上、就職状況も良好だ。
入試の倍率を勘案すると、農学系はお得な学部系統と言えそうだ。

大学入試において農学系人気は上がらず、志願者は減少傾向。その要因として受験関係者は、「高校生が学びたいと思えるトピックスが少ないため注目されにくい」と口を揃えるが、本当にそうだろうか。

確かに農学系には、近年の学部・学科選択のキーワードの一つであるITやAIといった、大きな話題は少ない。しかし、未来の地球について考える壮大なテーマである、SDGsに注目してほしい。そこで掲げられた17の目標の内、農学の学びが不可欠なものに、②「飢餓をゼロ」⑫「つくる責任つかう責任」⑭「海の豊かさを守ろう」⑮「陸の豊かさも守ろう」などがある。これらの分かりやすい目標以外に、①「貧困をなくそう」③「すべての人に健康と福祉を」⑥「安全な水とトイレを世界中に」⑦「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」なども、農学が役に立つ。SDGsの17の目標の半数近くで、農学の学びが求められていることになる。

持続可能な社会の構築を目指す、様々な場面で農学の学びが求められるのは、研究分野の多様性にある。植物の生産や畜産、水産といった主流といえる分野に加え、森林科学や環境学、醸造学、バイオサイエンス、遺伝子工学、食品安全学、地域資源開発学、国際地域開発学、食料環境政策学、農業経済学、食農ビジネス学など、その研究分野は多岐に渡る。

農学は、多様な問題意識を持ち、人や社会の役に立ちたいと考える受験生に注目してほしい学部系統だ。

研究分野の広さは就職先の多様性にも結び付いており、農水産業以外に食品、化学、機械、化粧品メーカーなど。さらに、農業の基礎知識を生かして、公務員や金融機関なども就職対象となる。

多様な就職先が視野に入ることから就職率も高い。就職に有利な資格が取得できる医療系などを除くと、農学系は理工系と並んで、平均実就職率が最も高い学部系統だ。「農学系学部の実就職率ランキング」を見ると、大半の大学で実就職率が90%を超えている。

持続可能な社会構築に貢献でき就職状況も良好なのに、前述の通り受験生の人気が上がらないため、農学系は一般選抜の倍率が高くない学部が多い(「2021年 主な農学系学部の入試結果」参照)。この状況が続くなら、農学系はお得な大学と言っていいだろう。

模試の志望状況を見ると、22年度も農学系の志願者が大きく増えることは考えにくい。生徒の興味関心を広げる学びの一分野として、農学の可能性を探ってみてはいかがだろうか。

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