情報工学を基礎から学び、本物のIT技術者を社会に送り出す―京都橘大学

情報工学を基礎から学び、本物のIT技術者を社会に送り出す―京都橘大学

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京都橘大学は、2021年に工学部と経済学部、経営学部の3学部を新設し、京都屈指の総合大学となる。新設学部の中でも、近年注目度が高まる情報学を学ぶ工学部・情報工学科の特徴について、工学部長に就任予定の東野輝夫教授に聞いた。

工学部に情報工学科と建築デザイン学科を設置

―まず、工学部の情報工学科と建築デザイン学科の設置経緯について教えてください。

AIや自動運転技術など、社会の中にITが浸透し、自動翻訳や音声認識が実際に使えるレベルになってきました。情報技術が身近になった一方で、日本は情報技術者を育成する学部や学科が不足しています。そうした社会的なニーズに応えるため、情報工学科を設置します。建築デザイン学科は、建築意匠と建築計画の分野を専門としながら、SDGsが提唱する持続可能な社会の構築に向け、情報工学との融合により、エネルギーを効率的に利用する環境に配慮した建築学をめざします。

工学部と同時に開設する経済学部と経営学部も情報工学の学びを取り入れ、統計データをAIやIoTなどを使って解析するデータサイエンスを重視します。

――情報工学科の学びの特徴を教えてください。

情報系学部以外の出身者が、企業のコンピュータセクションに多数いる時代です。情報系以外の出身者でも企業が教育すれば、それなりにプログラミングやシステム構築ができると思いますが、AIや深層学習の仕組みを大学で学んでいるわけではなく、付け焼き刃的な知識といえます。

Googleはバックに百万台くらいの計算機があって、入力データを適切に振り分けているからこそ、世界中の人が同時に検索しても、瞬時に答えが返ってくるのです。こうしたシステムを作れることが情報工学科の存在意義であり、とりあえず目の前の数百行のプログラムを作れることとはかなり違います。

理想的には文系から理系に至るすべての学部で情報学の知識を持った学生の集団ができると社会でさまざまなイノベーションを創出できるようになると思います。そういう大学が増えてくれば、日本のIT化も世界に誇れるレベルになると思います。

興味を持って学ぶために基礎力を身に着ける

―ソフトウェアデザイン、ネットワークデザイン、IoTシステム、メディアデザイン、データサイエンスの5つのコースが用意されています。

データサイエンスやAI、ロボット、VR、ゲームなど、学生が興味を持って面白いものを作り上げていこうという意欲がもてる材料提供のため、5つのコースを用意しました。プログラミングは一人でパソコンに向かうようなイメージもありますが、興味のある分野なら喜びや楽しさを感じながら、プログラミングできると思います。

興味を持って面白いものを作るには、ベースとなる情報工学の基礎をしっかり学ばなければなりません。コンピュータを効率よく動かす仕組みであるアルゴリズムを使って、どうしたら効率よく計算できるのか、また、アルゴリズムをきちんとプログラミングして、実際のコンピュータ上で動かすための知識も必須です。情報工学科では、しっかりアルゴリズムとプログラミングを学んで、基礎力を身に着けることを重視します。

―基礎を固めた上で、自分の興味や関心がある部分に取り組むということですね。

情報の世界は5年もたてば大きく変わります。5年後にAIは当たり前で、エクセルやワードのようにパッケージ化されているかもしれません。基礎的な力を身に着けることで、変化があってもその分野のことが簡単に理解できる人材育成が、情報工学科の基本的な方向性です。

――経済学部・経営学部と連携すると聞きました。

経済・経営・建築学的な視点と情報学的視点の両方を持った視野の広い学生を養成するため、文系の学生と理系の学生がクロスオーバーするPBL(課題解決型学習)を計画しています。例えば、今後、AIがパッケージ化され、IBMのAI、WATSONがやっていたことがパソコンでできるようになった時、単純なAIの仕組みのみを学んだ学生より、AIの仕組みを実際の問題に応用した経験を持つ学生の方が幅広い問題に対処できるでしょう。そうした学生の輩出をめざします。

―産官学連携についてお考えですか。

行政のIT化を推進する地方自治体と連携予定です。また、京都橘大学にある、看護や理学療法、救急救命といった医療や健康に関連する学部・学科と一緒に産学連携を進めることで、ITを医療の中で使っていくデジタルセラピューティクス(デジタル治療)を進めるなど、この大学だからこそできる産学連携を進めていきたいと考えています。

―卒業後はどのような進路が想定されますか。

情報系は求人件数がとても多いので、就職に強い学科になるでしょう。半数くらいの学生は、電気会社や通信メーカー、ソフトウエア開発会社などに就職すると思います。3分の1くらいは、流通など自分が進みたい業界に就職して、コンピュータを手段としてIT化を進めることも考えられます。情報の教員や、公務員も視野に入り、就職先の間口はとても広いのです。

私は、5年、10年後に採用した会社から高く評価される学生をどれだけ育成できるかが勝負だと思っています。そういった学生を地道に輩出することが、結果的に後輩たちが自分の行きたい会社に就職できることに繋がっていくと思います。

論理的に考える力があれば文系の生徒も学べる

―文系の生徒も情報工学科で学べますか。

論理的に考えるために数学が必要といわれますが、プログラミングで微分積分はほとんど使いません。もちろん、数学は必要ですが複雑な知識は求められません。アルゴリズムやデータ構造を理解し、それをプログラミングすることが情報学の基本技術だとすると、論理的に物事を考えることにストレスを感じなければ、数学が不得意でも大丈夫です。

―最後に、高校生にメッセージをお願いします。

情報に興味を持ってもらえると嬉しいですが、一般的な話として自分が興味をもてる学問を見つけ、その分野を勉強したことが将来の仕事に繋がれば理想です。4年間これに打ち込んでみたいとか、これをやったら楽しそうと思える学問分野を選んでほしいと思います。入学後は勉強も大事ですが、友達をたくさん作って、クラブ活動や社会的な活動にも参加して幅広い人間性を形成してほしいですね。大学時代が楽しかったと感じてもらえれば教員として本望です。4年間が有意義だと思える学科をじっくり選んでください。

工学部の開設にあわせ、IT教育、研究の新たな拠点が誕生します

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