本の紹介『今日から使えるワークショップのアイデア帳』

本の紹介『今日から使えるワークショップのアイデア帳』

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『今日から使えるワークショップのアイデア帳』(翔泳社刊)。
https://www.amazon.co.jp/dp/4798164267/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_PD9-EbVXBNDE4

共著者のお一人である、聖学院中学校・高等学校(東京都北区・男子校)の児浦良裕先生にご紹介いただきました。

この本には学校でも企業でも使えるワークショップの事例が30パターンに渡り掲載されています。ファシリテーションの例を交えながら、各パターンを詳しく解説。今までワークショップに取り組んだことのない方でも「今日から」使える内容です。

例えば、この本の90ページに載っている「ビジョンチャート」の作成。プロジェクトを進めるに当たって大切な、ミッション、ターゲット、ビジョン、アクションプランの作成をワークショップ形式でどう行うかが、順を追って丁寧に書かれています。「SWOT分析」と言った、ビジネスの現場で使われるフレームワーク(考える型)も登場するのですが、こう言ったフレームワークは単に覚えるだけでなく、使う手順が大切だと言うことが自然と学べます。

児浦先生は、なぜここまで具体的なアドバイスができるのか。その理由は聖学院中学校・高等学校がプロジェクト型学習(PBL)を日常的に行っていることにあります。その土台となるのが、この本に取り上げられているようなワークショップの「型」なのです。PBLで鍛えられた生徒たちは、学校の外でも成果を出しており、企業から「お題」が与えられるコンテストでは、全国大会に6年連続出場を果たしています。
https://www.seig-boys.org/news/35980

閑話休題。この本には同校での教育実践を通したワークショップのエッセンスが、惜しげもなく、しかも分かりやすく披露されているのです。

ちなみに、児浦先生以外の共著者は、皆さん企業やNPOで活躍されている方です。実は児浦先生も16年間教育関係の企業(ベネッセ)に勤められていました。先程の「ビジョンチャート」の作成ひとつとっても、聖学院での実践知はもとより、児浦先生が企業時代に培った、マーケティングのノウハウが溶け込んでいます。このような背景もあり、この本は教育関係の書籍でもあり、ビジネス関係の書籍でもあります。学校と企業の垣根がない本は珍しいのではないでしょうか。

さて、最後にもうひとつ伝えたいことが。

ワークショップをやった後には、リフレクション(振り返り)を行うことが大切なのですが、これについて児浦先生はこう書いています。

(振り返りについて)特に学校ではすぐに「今回の反省点を考えてみなさい」と言ってしまいますが、失敗体験よりも成功体験に光を当てたほうが子どもたちは伸びます。(中略)大人も子どもでも成功体験にフォーカスすると前向きな気持ちで次につなげられますよね。

眼差しが、どこまでも生徒に向けられていることが印象的で、実用書からは感じることのない温かさを感じました。

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