新型コロナウイルスに注意! オープンキャンパス、 勉強、模擬試験…受験生が気をつけるべきことは?

新型コロナウイルスに注意! オープンキャンパス、 勉強、模擬試験…受験生が気をつけるべきことは?

世界中を震撼させた新型コロナウイルスの流行は日本では外出自粛をはじめとする感染防止対策が功を奏し、幸いにも小康状態にあります。しかし、特効薬となるようなワクチンは未だ開発されておらず、今後も引き続き注意が必要な状況であることは強く認識しなくてはいけません。
では、こうしたウイルスとの共存が迫られる環境で、どのように受験生の皆さんは大学受験に向けた準備を進めいけばよいのでしょうか。これから夏にかけて本格化していくオープンキャンパスや日々の学習の際に、できるだけリスクを小さくするためのポイントをお伝えします。

“3密”でなければ感染しないわけではありません

まず大切なのは、個人個人が新型コロナウイルスについての理解を深め、“正しく怖がる”ことです。新型コロナウイルスは “未知のウイルス”というイメージが強いと思いますが、他のウイルスと同様に「飛沫感染」「接触感染」で感染します。

飛沫感染とは、感染者の飛沫(咳、くしゃみ、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の人がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染することです。閉鎖した空間で近距離という状況では、咳やくしゃみなどの症状がなくても会話だけで感染を拡大させるリスクがあるとされています。WHO(世界保健機構)は、5分間の会話で1回の咳と同じくらいの数(約3,000個)の飛沫があると報告しています。

接触感染とは、ウイルスの付着した手で口や鼻を触ることによって粘膜から感染することを指します。感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスが付着し、他の人がそれを触るとウイルスは手についてしまうからです。WHOは、新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間、ボール紙では最大24時間生存するとしています。

 こうしたことから感染防止策として打ち出されたのが、①密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、②密集場所(多くの人が密集している)、③密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)―という「3つの密」を避けるという行動指針です。“3密”を避けることは、自粛解除後の「新しい生活様式」でも感染防止の基本的対策に位置づけられています。しかし、数多くのテレビ番組に感染症の専門家として出演し、新型コロナウイルスの最新情報を解説しているグローバルヘルスケアクリニックの水野泰孝院長は「3密でなければ感染しないというわけではありません」と指摘し「3密」について正しい理解を求めています。

「『3密』は主に飛沫感染がおこりやすい環境を示したもので、 3つ揃えば高リスク、2つなら中リスク、1つなら低リスクと考えてください。決して3密でなければ感染しない訳ではないので接触感染対策としての手洗いも忘れてはいけません」(水野院長)

オープンキャンパス情報の確認が大切

では、受験生の皆さんがオープンキャンパスに参加する際に、どこに気をつければよいのでしょうか。水野院長に聞いてみました。

オープンキャンパスへ参加すること自体は大きな問題にはなりません。ただこれは大学サイドの対応になりますが、オープンキャンパスがどのような形で開催されるかには、注意を払う必要があると思います。多くの学生が同じ空間に集まるため、どうしても感染のリスクは高まります。例えば、説明会の参加人数を限定したり説明会を複数回開催したりするなどのリスク低減への配慮がなされているか、参加を予定している学校に確認してみることをおススメします。また大学までの移動には公共交通機関を利用することになると思いますが、①できるだけ少人数で行動、②マスクの着用、③混雑する時間帯を避ける、④キャンパスに到着したらまず手洗い、アルコール消毒など手指衛生の徹底―ということを常に意識しておくとよいでしょう」

 志望校選びにおいて、オープンキャンパスで得た情報や体験はとても貴重なものです。各大学も極力人との接触を減らすような形で開催できるよう努力していると思いますので、感染症対策の基本を徹底するなどリスクを小さくする工夫をしながら、興味のある大学のオープンキャンパスにはぜひ参加してみてください。また、さらに感染防止に注意したいのであれば、多くの大学がオンライン上で開催している「WEBオープンキャンパス」を活用することも一つの方法です。

一人で勉強するなら自習室や図書館もOK

受験本番に向け、今年の受験生にとっては体調管理が極めて重要になります。感染してしまったら数週間は自宅待機、悪化すれば入院が必要になることもあります。そこで受験生の日常生活における感染リスクの度合いと注意点について、水野院長に表を作成してもらいました(下記の表を参照)。

 まず学習環境についてです。水野院長は「どの場所でも一人で勉強するならば大きな問題はないと考えます。予備校の自習室や図書館などの人が集まるような場所ではマスクの着用をおススメします」とアドバイスしています。

自宅で家庭教師の先生に習っている人は、①先生と一定程度の距離を取る、②窓やドアを開けるなど換気をする、③先生には手洗いや消毒、うがいを徹底してもらう―などの工夫をしてみてください。自宅の机で、自分しか触らないものまでは消毒しなくても大丈夫でしょう。また、カフェや喫茶店、ファミレスなど自宅の外でしか集中できる環境が整わない人もいると思います。こうした場所でもマスク着用・一人であれば、感染リスクはそう高くないということです。ハンディサイズの消毒剤を持ち歩き、テーブルや椅子など他の人が触れる可能性のあるものを拭くことも忘れずに。

 学校生活では、授業中や昼食時の感染防止対策は各学校が一定程度実施していると思いますので、あまり心配する必要はありません。ただ休み時間に友達と会話するときなどには、友達との距離や人数について気をつけることが大切です。

 感染リスクが高いとされるカラオケやネットカフェ、マンガ喫茶などに行くときには注意が必要です。歌を大きな声で歌ったり、他の人が使ったパソコンやマンガに触ったりすることは避けられず、飛沫感染・接触感染のリスクが高まります。一人カラオケでも、カラオケルームを完全に除菌することは現実的に不可能です。カラオケに限らず他の遊興施設も人が密集する可能性が高いので、しばらくはできるだけ避けた方がよいでしょう。

効果的な感染防止対策は規則正しい生活

感染リスクを小さくするには、日常生活の過ごし方も大切です。水野院長は、免疫力を高める効果的な工夫について、「規則正しい生活をすることにつきます」と断言しています。規則正しい生活のポイントとして挙げているのは「、1日3食」「主菜・副菜のバランスの良い食事」「十分な睡眠」「ストレスをためない」などです。受験生にはなかなか難しいことですが、できる限り心がけてください。時には外出をして運動をすることもストレス解消にはつながるので効果的です。

辛くなったら我慢せず、クリニックを受診

感染防止対策を徹底していても、日常生活を送る以上、リスクはゼロにはなりません。それでは、発熱などの風邪症状が出てしまったらどう対応するのが正しいのでしょうか。

水野院長はこうアドバイスします。「症状の悪化がみられなければ2、3日目くらいまでは経過観察しても構わないですが、毎日検温を行い、自覚症状を記録してください。前日に比べて明らかに辛くなっているときは我慢をせずに、かかりつけ医または近くのクリニックに相談してください」

 “第二波”と呼ばれる感染拡大の兆候が、受験シーズンに再び見られる可能性も十分にあります。政府や学校から要請や指示がない場合でも、ご家族で日々の感染者数の動向をみながら、増えているなと感じたときには、「不要不急な外出を控える」「大人数で集まらない」「イベントへの参加は見送る」など、できる限り自粛をすることが望ましいでしょう。当然ながら自分の体調がすぐれない時には、必ず自宅で休むことも大切です。
 では入試直前に感染してしまった場合はどうなるのでしょうか。諦めるしかないのでしょうか。水野院長は

「入試直前でも症状が軽減していれば諦める必要はありません。最終的には医師や学校の判断になりますが、無理をせずに全力を尽くして下さい。感染防止対策の徹底と規則正しい生活を送ることが合格への近道になるはずです」

と受験生にエールを送っています。

新型コロナウイルスで受験生が気をつけるべきポイントまとめ

1、「3密」でなければ感染しないというわけではない

2、飛沫・接触感染に注意。マスクやアルコール消毒液などを常に持ち歩こう。

3、オープンキャンパスへの参加はOK。不安なら「WEBオープンキャンパス」の活用も

4、受験勉強は極力一人でしよう。周りの人への協力のお願いも忘れずに。

5、免疫力を高めるには規則正しい生活が大切。もし体調を崩したらすぐに病院へ行こう。

水野 泰孝 院長
グローバルヘルスケアクリニック院長。昭和大医学部、東京慈恵医大院修了。大学病院やナショナルセンターで小児科・感染症内科の臨床経験を積む。感染症の専門家としてメディアに多数出演。

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