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埼玉県の私立春日部共栄高等学校は、全国レベルの運動部や吹奏楽部をはじめ、部活動で輝かしい実績を誇る一方、東大を筆頭とする難関大学に多くの卒業生を送り込んでいる。「メリハリをつけて勉強にも部活動にも取り組めばこそ」と言うは易しだが、いかにして同校が「文武両道」を実現させているのか、教務部長の吉場慎二先生に話をうかがい、その内実に迫った。
両立を重視する意識こそ、計画性のある行動の原点
春日部共栄高等学校での部活動所属率は約9割。生徒たちは限られた時間の“やりくり”を主体的に考え、明確に時間を切り分けることでメリハリのある生活を送っているという。その背景には、部活動の顧問を含めた教員による指導もあるが、校風として先輩から後輩へと脈々と受け継がれ、生徒の意識に根づく「文武両道」のマインドがある。
部活動では、大会などの遠征で登校できず「公欠」扱いになるケースもある。しかし、かといって勉強をしなくていいわけでも、提出物が免除されるわけでもなく、何よりも生徒自身がそれを望まない。公欠は事前にわかるからこそ、それを言い訳にすることなく、遠征前に提出すべき課題を生徒自ら教員に確認。「いま自分がすべきこと」を明確にしたうえで取り組む気概が、同校の生徒にはあふれている。
また、同校で運動部に所属する生徒は、大会の日程から逆算して体調管理や練習方法などを自分の頭で考え、地道に取り組む「計画性」に優れているという。限られた時間で効率よく結果を出す大切さは、勉強も部活動も同じ。勉強や練習の方法を自分で考え、工夫する姿勢が身につくのが同校の魅力だ。
「文武両道」をサポートする駅前の学習センター
とはいえ、勉強時間の確保はやはり大きな問題だ。部活動で勉強時間が少なくなることは入部時点でわかることだが、大所帯の部活動では個人差も生じやすい。そこで、同校では少しずつでも勉強する習慣をつけるよう指導。1年次から自分のペースで勉強するリズムを定着させることで、部活動の引退後は余った時間を受験勉強に回し、予備校に通わずとも難関大学の現役合格につながるという。そんな先輩の存在もまた、後輩を奮起させる好循環を生んでいる。
部員の主な進学先
●野球部
一橋大、千葉大、東京理科大、慶應義塾大 、早稲田大、立教大 、法政大、明治大など
●水泳部
一橋大、自治医科大、慶應義塾大、早稲田大、立教大、上智大、東京理科大、明治大など
●男子バレーボール部
北海道大、秋田大(医)、筑波大、慶應義塾大、早稲田大、東京理科大、明治大など
●女子バレーボール部
筑波大、お茶の水女子大、早稲田大、青山学院大、大妻女子大、東京女子体育大など
●管弦楽部
東京大、京都大、北海道大、東北大、東京医科歯科大、東京外国語大、早稲田大、上智大など
●吹奏楽部
東京大、一橋大、東北大、東京芸術大、早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大など
●ソフトボール部
九州大、電気通信大、埼玉県立大、早稲田大、上智大、北里大(獣医)、明治大、立教大など
●数学研究部
東京大(通算6名)、山梨大(医)、東京工業大、筑波大、早稲田大、慶應義塾大、東京理科大など
●ハンドボール部
東京工業大、一橋大、筑波大、大阪大、千葉大、早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大など
●サッカー部
筑波大、千葉大、弘前大(医)、横浜国立大、早稲田大、慶應義塾大、東京理科大、青山学院大など
●陸上競技部
北海道大、筑波大、千葉大、早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大、東京医科大など
●パワーリフティング部
筑波大、福井大(医)、宇都宮大、早稲田大、慶應義塾大、東京理科大、明治大、青山学院大など
●アーチェリー部
東京大、東京工業大、東北大、名古屋大、筑波大、千葉大、東京学芸大、東京海洋大、慶應義塾大など
●バドミントン部
北海道大、東北大、新潟大(医)、東京学芸大、早稲田大、慶應義塾大、東京理科大、明治大など
●ダンス部
東京医科歯科大、筑波大、東京慈恵会医大、東京女子医大、早稲田大、上智大、東京理科大、など
●インターアクト部
九州大、東京外国語大、筑波大、千葉大、山梨大(医)、早稲田大、慶應義塾大、上智大など
同校には春日部駅前に60名分のブースを備えた自習室がある。自習室を利用することで、部活動後に勉強する習慣ができ、そこに集う同級生や先輩の姿も刺激になる。「テスト前だから仕方なく勉強する」のではなく、日ごろからコンスタントに勉強することは、何よりの受験対策になるのだ。
学業・部活動・学校行事の「三兎を追え」
同校の生徒指導で確認することは、時間の有効活用法だ。例えば、成績が落ちたことを理由に退部を考える生徒がいるが、現段階で時間を持て余し、少ない時間ですら勉強に使えないとしたら、退部しても時間を有効に活用できない。これが教員間の共通認識だ。だからこそ安易に退部は勧めない。部によっては顧問も通知表をチェックし、担任や教科担当の教員と密に連携しながら指導を行っている。
また、「何か一つでも打ち込める分野で力を伸ばしてほしい。やりたいことを一生懸命やり、勉強もしっかりやってほしい」という同校の姿勢のとおり、部活動のほかにも、外部のクラブチームなどで活動する生徒や、IT系の資格取得をめざす生徒、小説やマンガなどの創作活動に力を注ぐ生徒もいる。「三兎(学業・部活動・学校行事)を追え」が同校のモットーであり、勉強だけでなく課外活動を含めた「すべてを全力でやり抜くこと」を重視している。
同校の主な学校行事には、文化祭、体育祭、球技大会があり、部活動や受験勉強の合間を縫って計画的に準備を進める。周囲と活発にコミュニケーションをとり、チームで何かをやり遂げるプロセスによって身につく素養は、勉強だけでは得られぬものだ。集中し、熱中し、全力投球してやり切る経験が成功体験となり、貴重な財産になる。
目に見えない成果も言葉にして蓄積
もっとも、生徒を成長させるのは「成果」だけではない。部活動や学校行事を通して「何を考え、何を学び、何を身につけたか」こそが重要だ。同校では、部活動や学校行事での収穫や感じたことを全生徒が記録する仕組みが整備され、生徒一人ひとりが学校生活を振り返り、取り組みや成果を言語化し、可視化していく。行事ごとに随時行うことで、臨場感のある“生々しい”までの本音が綴られ、表現力を高める練習にもなるという。
この取り組みは、受験対策のツールとして行うものではないが、結果的に推薦入試の志望理由書などにも活かされる。同校の生徒には“ネタ”の蓄積があり、書き溜めたエピソードをベースにして、説得力と深みのある志望動機ができる。書き溜めた内容自体が生徒の潜在意識を紐解く材料となり、現在の自分自身や将来像を見つめなおすきっかけになるのだ。
国公立大対策も効率と逆算がカギ
また、忘れてはならないのが科目別の受験対策だ。特に国公立大学をめざす生徒は、複数科目を勉強する際のバランスに悩みがちだが、同校ではまず、苦手科目で最低限の合格点を取ることを重視。添削結果を例に、難問に固執するよりも、試験終了時刻から逆算して効率的に解き進め、得点可能な設問で取りこぼさない大切さを指導している。効率的に残りの得意科目・分野でカバーすれば、全科目で満点をめざす必要はなく、国公立大志望でも臆することはないという。
ただし、その前にまずは苦手意識の原因を把握することが不可欠だ。解けない応用問題にやみくもに挑むのではなく、一段階前に戻るよう指導する。同校では到達度テストを活用し、一段階前に戻って復習させることで確実に基礎を固め、苦手克服につなげている。
※国公立大学への進学実績推移
大学 | 2020年 | 2019年 | 2018年 |
北海道大学 | 1 | ||
北海道教育大学 | 1 | ||
室蘭工業大学 | 1 | ||
帯広畜産大学 | 1 | ||
北見工業大学 | 2 | ||
釧路公立大学 | 4 | ||
弘前大学 | 1 | ||
東北大学 | 1 | 1 | |
宮城大学 | 1 | ||
秋田大学 | 1 | 1 | |
国際教養大学 | 1 | ||
山形大学 | 1 | 1 | |
茨城大学 | 5 | 3 | 4 |
筑波大学 | 4 | 6 | 6 |
宇都宮大学 | 5 | 5 | 2 |
群馬大学 | 1 | 7 | |
群馬県立県民健康科学大学 | 1 | ||
群馬県立女子大学 | 1 | ||
高崎経済大学 | 5 | 2 | 2 |
前橋工科大学 | 1 | 1 | |
埼玉大学 | 6 | 9 | 11 |
埼玉県立大学 | 8 | 3 | 7 |
千葉大学 | 2 | 2 | 3 |
東京大学 | 1 | ||
東京外国語大学 | 1 | ||
東京学芸大学 | 3 | 4 | |
東京農工大学 | 4 | ||
東京芸術大学 | 1 | ||
東京工業大学 | 3 | ||
東京海洋大学 | 2 | 1 | |
電気通信大学 | 1 | 1 | |
一橋大学 | 1 | ||
東京都立大学 | 2 | 1 | |
横浜国立大学 | 1 | 2 | |
横浜市立大学 | 1 | ||
新潟大学 | 1 | ||
山梨大学 | 1 | ||
都留文科大学 | 1 | 2 | |
山梨県立大学 | 1 | ||
信州大学 | 2 | 3 | |
岐阜薬科大学 | 1 | ||
鳥取大学 | 1 | ||
高知大学 | 1 | ||
北九州市立大学 | 1 | ||
海上保安大学校 | 1 | ||
防衛大学校 | 1 | 2 | 3 |
防衛医科大学校 | 2 | 1 | |
国立看護大学校 | 1 | ||
水産大学校 | 2 | 1 | |
合計 | 69 | 48 | 73 |
保護者が追い求める「三兎」を手中に
同校が実施する入学相談会では、「勉強も部活もしたい」「選抜クラスでも部活動はできるか」といった相談が多くあがるという。結論から言えば、同校なら部活動と選抜クラスでの勉強を両立させ、難関大に進学する生徒は少なくない。
一方で、入学しただけで安心してしまう生徒や、“不本意入学”でポジティブになれない生徒、部活動だけに没頭してしまう生徒もいるが、同校なら生徒同士が刺激し合い、部活動の顧問を含めた教員が一枚岩となって全力投球を促す風土がある。
加えて、同校の卒業生は、進学先の大学で部活動のキャプテンなどを任されるケースが多いという。高校時代の部活動や学校行事で培われた計画性や自己管理能力、リーダーシップが発揮されている証であり、当然、大学を経て実社会においても高く評価される資質であることは言うまでもない。
「部活動をやり抜き、大学受験で納得のいく結果を残し、確かな将来性を手に入れる」。そんな「三兎」を追い、わが子に対して欲張りなほどの願望を持つ保護者もいるだろう。ただ、それが決して欲張りではないのだと気づかせてくれるのが、この“春日部共栄”なのかもしれない。
春日部共栄高等学校
住所:〒344-0037 埼玉県春日部市上大増新田213
電話:048-737-7611 FAX:048-737-8093
HP:https://www.k-kyoei.ed.jp/hs/
●東武スカイツリーライン・アーバンパークライン春日部駅下車、スクールバス約10分