学部一体で行う学生から信頼される就職支援が高い実就職率の秘訣

学部一体で行う学生から信頼される就職支援が高い実就職率の秘訣

学生との距離感の近さがなせる、親身な指導で実就職率を伸ばしている常葉大学法学部。キャリア支援の利用率を高めることで、学生一人ひとりに向き合う機会を作り出すことに何より力を入れている。キャリア支援課の職員と、すでに内定を得た学生の話から、常葉大学法学部の就職支援の実情を探ってみた。

高い就職実績

静岡県にある常葉大学は、10学部19学科から成る県内有数の総合大学。静岡と浜松、2地域にある4つのキャンパスから、地域を支える人材を育んでいる。

なかでも静岡市の静岡水落キャンパスにある法学部は、高い就職実績を誇る。法学系の「2019年学部系統別実就職率ランキング」を見ると常葉大学法学部は94.9%で、全国第4位、中部地方では第1位となっている。

高い実就職率の理由を水落キャリア支援課の新田裕介係長に聞いたところ、「特別なことを行っているわけではない」としつつ、次のように要因を分析する。

「キャンパスの職員と教員が一体となって学生をサポートしていることが実績につながっていると思います。キャリア支援に対して理解のある教員が多いので、学生からの相談に対して『この部分はキャリア支援課に聞いてごらん』と促してくれていることが、学生が安心してキャリア支援課に足を運び、支援メニューを活用することにつながっていると思います。あくまでも我々は学生を支援するピースの一つですから、『就活のことはキャリア支援課に聞こう』と思ってもらえるように、日頃から積極的に声をかけるなど聞きやすい雰囲気を作るようにしています」

静岡水落キャンパスでは、静岡市の中心部に位置するコンパクトな「都市型キャンパス」としての特性を生かして、学生との距離感を近く保っている。それがキャリア支援課の高い利用率につながっている面がありそうだ。

実就職率は大学院進学者を除く全学生を分母として算出する指標であるため、すべての学生が働くことを意識しない限り、なかなか数値は上がってこない。新田さんも「キャリア支援課だけの取り組みではなく、学部全体で『働く』ことを意識させている」と話す。

ガイダンスをきっかけに個別支援につなげていく

1年次から2年次にかけては、細かな就職活動のテクニックを教えるのではなく、まずは社会に関心を持ってもらうことを重視。学部のガイダンスなどを利用してキャリア支援課の職員が話をするほか、授業でも「キャリア開発論」やインターンシップ科目を通じて徐々に学生の意識を高めていく。

就職に向けた支援が本格的に始まるのは3年次から。その中心となるのが20回近くに及ぶ「キャリアサポートガイダンス」で、就職活動の概要や企業選び、エントリーや選考に関するポイントなどを学んでいく。自由参加ではあるが出席率は高く、7〜8割の学生が参加する。

「どうしたら学生が飽きずに時間を割いて出席してくれるかを考えながら、職員が手作りで内容を構成しています。学生を思う気持ちはどこにも負けないと自負しています。ガイダンスは学生に信頼してもらうための絶好の機会です」(新田さん)

こうしたガイダンスをきっかけにキャリア支援課に足を運んだ学生は、さまざまなサポートを受けられる。個別面談では、アドバイザーと職員総勢6人のスタッフが対応し自己PRの添削や面接練習など学生一人ひとりの希望に合わせた支援を行っている。それ以外にも、細かな相談などはいつでも対応している。

過去の選考について先輩が記した「面接レポート」も自由に閲覧できるので、実際の選考の様子をイメージしながら準備を進めていくことも可能だ。

企業の広報活動が開始される3月には、大学主催の合同企業説明会が開催される。静岡と浜松で計5日間開催し、全体で約250社が参加する。「常葉大学の学生を採用したい」と考える企業のみが集まっているのが最大の特徴で、法学部では9割近い学生が参加する。多くの教員も視察に訪れるなど、まさに学部一体でキャリア支援に取り組んでいることがうかがえるイベントだ。

法学部では公務員の養成にも力を入れている。公務員と民間企業では評価のポイントが異なることもあり、公務員の対策は「公務員試験対策センター」が中心となって担う。希望者は1年次から筆記試験や面接試験の対策講座が受けられるほか、専門の職員に随時相談に乗ってもらえる。

新田さんは新入生や高校生に向けて話をする時に、「どんな会社が世の中にあるかを意識してほしい。企業がどうやって利益を上げているかを知ることは、世の中の仕組みを知ることにつながる」と伝えている。こうした地道な取り組みを通して多くの学生が就職に正面から向き合うようになった結果、それが高い実就職率に結びついていると言えるだろう。

常葉大学の学生にキャリアについて聞きました

Q.なぜ常葉大学の法学部を選びましたか

折原 高校生の頃から将来は公務員になりたいと思っていました。高校の先生にアドバイスをもらい、地域行政の仕組みに関する授業や、自治体と連携して活動する学生が常葉大学には多いことを知って、それが魅力で選びました。

宇佐美 附属校である常葉高校から進学しました。外国語学部と迷ったのですが、法廷ミステリーなどのドラマが好きで、その背景にある制度などについて詳しく知りたいと思い、法学部を選びました。

Q.役立ったと思うキャリア支援について教えてください

折原 民間企業の内定も得た上で最終的に公務員に決めたのですが、就職活動では最初、何も決められませんでした。自己PRや志望動機などに悩んでいる中、面談や電話などで何度も親身に相談に乗ってもらいました。公務員試験の面接対策でも、私が志望した島田市の政策について詳しく教えてくれるなど、個別のアドバイスを毎回してくれて助かりました。

宇佐美 自己PRを添削してもらうなど、個別面談は何度も活用しました。自分の経験談を交えながらどうアピールしていくかを一緒に考えてもらいましたし、突然相談に行ってカウンターでお礼メールのチェックをしてもらったり、日経新聞の読み方を教えてもらったりもしました。進路がまだ明確でない段階からたくさん通っていたので、業界や職種を決めていくのに役立ったと思います。

Q.これから、どのように働いていきたいと考えていますか

折原 大学入学後に行った地域の祭りやイベントのボランティア活動や、地方都市の問題について学ぶ授業の中で、「市役所の職員として地元の人や街をもっと盛り上げたい」という気持ちが強くなりました。島田市の魅力を外部に伝えていくのはもちろん、市民が過ごしやすい制度を作るなど、一人ひとりの声に耳を傾けて頼りになる存在になりたいと思っています。

宇佐美 証券外務員としてお客様の資産を預かる立場になるので、信頼してもらえるような関係を作ることを大切にしたいです。探究心や興味を常に持って、いろいろなことにアンテナを張りながら楽しんで仕事をしたいと思っています。男女比が近く、女性が働きやすい会社を選んだので、できるだけ長く働いて貢献していきたいです。

ユニヴプレスMAGカテゴリの最新記事