3女子大学学長鼎談
女子大学の魅力に迫る

3女子大学学長鼎談<br>女子大学の魅力に迫る

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就職に強いことで知られ、社会で活躍する女性を数多く輩出している3女子大学。
その強みはどこにあるのか、現在に至るまでなぜ「女子大学であること」を選び続けているのか―。
各大学の学長が女子教育への思いを語り合った。

自分の可能性に気づき自信を得られる場

―女子大学の意義や強みについてお聞かせください。

髙橋 女子大学は女性がセンターの位置で活躍でき、かつ教職員からの期待も実感できる貴重な場です。現在の日本社会では、残念ながら女性はまだまだ中心的存在とは言えず、そうした空間や時間は人生で二度と来ないでしょう。だからこそ、女性には社会に出る前に、自分の可能性に気づき、自尊感情を育むことのできる場が必要です。それが女子大学の意義だと思います。

森本 例えば共学では、サークルの会長は女性でも副会長は男性ということがあり得ます。これが女子大学だとどちらも女性ですから、学生は「女性にもさまざまな輝き方がある」と身をもって知ることができます。活躍する女性というとトップの人ばかりが注目されがちですが、社会にはそれをサポートするという輝き方もある。女子大学はそこに気づける場なのです。

篠原 私は日本女子大学大学院を修了後、男性が圧倒的に多い建築の世界で働いてきました。それでも特に性別を意識することなくこられたのは、女性であることが特別ではない学びの環境で育ったおかげだと実感しています。

髙橋 女子大学での4年間は、生涯にわたって大きなインパクトを与えます。日常生活の中で「あなたはたくさんのことができる存在ですよ」と励まされ続けますから、それが自分の人生を描いていく上で大いに役立つのだと思います。

森本 実は、女子大学の始まりは19世紀のアメリカなんですよ。元アメリカ国務長官のヒラリー・クリントン氏も女子大学出身で、「女子大学に行ったおかげで、世界には女性が活躍できる場が十分にあると学ぶことができた」と語っています。アメリカの女性ですらそう感じるわけですから、ジェンダーギャップ指数が先進国最低レベルの日本では女子大学の意義はさらに大きい。私たちはこうした強い思いを持って、自覚的に女子大学であり続けることを選んでいるのです。

篠原 社会においては、組織の意思決定層に女性を増やして、多様化を進めていくことも重要です。女子大学は社会で活躍する女性を多数輩出してきた歴史がありますから、意思決定層の多様化という社会課題に対しても、大きく貢献できるものと考えています。

―そうした意義を踏まえ、どんな教育を行っていらっしゃいますか。

髙橋 津田塾大学は「変革を担う、女性であること」をモットーとしています。創立者の津田梅子は、女性に高等教育が認められていなかった時代に、自立した女性の育成を目指して本学の前身となる女子英学塾を創立しました。私たちもその思いを受け継ぎ、女性がセンター(意思決定)の位置につける社会への変革を「あなたが担うんですよ」と学生に伝え続けています。

森本 東京女子大学は創立以来、キリスト教精神やリベラル・アーツ教育、人類の福祉への貢献を掲げてきました。こうした理念に基づいた教育は、どんな時代、どんな仕事にも役立つ力になると確信しています。時代の要請に媚びない大学としての気概を胸に、長期的に見て社会への貢献につながる教育を行っています。

篠原 本学は女性の社会進出が難しかった時代から、女子総合大学として発展してきました。現在では、時代の変化や多様な価値観に対応できるフレキシブルな感性を養うことを重視しています。自立した女性を育てることで、真の男女共同参画社会を実現したいと思っています。また、本学はワンキャンパス内に全ての学部学科があり、それらを横断した共同プロジェクトも盛んです。違う考え方の人と共通のコンセンサスを作るという点ではまさに社会の縮図であり、キャンパス自体が多文化共生を体感できる場にもなっています。

海外とのつながりが3女子大の創立基盤に

―3女子大学は今春、ロシアによるウクライナ侵攻に関して共同声明を出されました。その思いをお聞かせください。

髙橋 篠原学長が発案して素案を作ってくださり、津田塾大学が英訳を担当させていただきました。本学の前身の女子英学塾は、津田梅子の留学先であるアメリカの女性たちの募金活動によって実現したものです。この支援がなければ開校は不可能だったでしょう。不可能を可能にしようとした女性たちがいたからこそ、海外とのつながりがあったからこそ今がある。声明には、それを忘れてはいけないという思いと、世界平和を願う思いを込めました。

森本 本学も、アメリカのプロテスタント諸教派の援助のもと開学した歴史があります。共同声明は前学長が担当したものですが、私も大いに賛同しています。最近では、ウクライナからの避難学生の受け入れなどの準備を開始しました。ウクライナ侵攻もコロナ禍も、数年前には誰も予想し得なかった出来事です。この世界は数年後に何が起こるかわからない。リベラル・アーツ教育は、こうした変化に対応する力の根幹となるものだとあらためて実感しています。

篠原 本学創立者の成瀬仁蔵は留学先のアメリカで女子教育の研究をし、後にそれが本学の開校につながりました。3女子大学は、いずれも他国とのつながりや支援のもとで発展してきた歴史があります。その感謝の思いを表明したく、また世界の平和を願って皆さんにお声がけさせていただきました。

―海外とのつながりを受けて、グローバル教育では特に何を重視されていますか?

髙橋 本学では、学生の留学やインターンシップなどの学外活動を広げるため、2017年度から学年暦を4ターム制に変更しました。6月中旬〜7月下旬の第2タームと夏休み期間を併せ、最長10週間、集中的に学外で活動できるようにしています。津田梅子は、海外で学んだからこそ日本にないものを打ち立てようという発想を持てました。以来、本学では海外経験を重視し続けており、グローバル教育はいわば当たり前のもの。世界を見てこそ変革を担うことができるようになるのですから。

森本 グランドビジョンに「国際的な視野を持った地球市民としての女性」の育成を掲げています。ウクライナの侵攻に際しても図書館で参考資料の展示が開始され、教員と共に考える勉強会が立ち上がるなど、すぐに行動に結びつきました。遠い国で起きていることも、将来どこかで実際に経験をした人たちと共に語り合う日が来る可能性を意識することが必要でしょう。

篠原 学生には、世界で起きていることを自分ごととして捉えられるようになってほしいと願っています。そのためにも、やはり海外へ出る機会、他国の現実に触れる機会を作っていくことが重要だと思っています。近年、本学は特にアジアにおける協定校を拡大し、留学生の受け入れなどを強化しています。

女性リーダーを育てるキャリア教育とは

―キャリア教育はいかがでしょうか。日本では、女性の生涯にわたるキャリア構築が課題になっています。

髙橋 私は、キャンパスで学生に見せる風景が大事だと思っています。教授陣の男女比は50対50で、職員の管理職も女性比率を意識的に高めつつあります。歴代の塾長・学長も11人中10人が女性で、それぞれが困難を乗り越えながら歴史を紡いできました。そうした歴史も含めて女性がリーダーとして責任を担っている風景を学生に見せ続ける、それが最良のキャリア教育になると考えています。その意味では、本学はキャンパス全体がキャリアセンターと言えるでしょう。

森本 本学ではキャリア支援プログラムも多数展開していますが、やはり最も重視するのはリベラル・アーツ教育で、これがキャリアを構築するための基礎力を養うと考えています。昨年の、3年生を対象とした国内24大学学修行動比較調査において、本学の学生は教養・文章力・読解力・国際問題への関心といった分野で飛び抜けていました。入学時点での調査ではもっと数値が低いので、2年間のリベラル・アーツによる学びで伸びたということです。これが本学の教育の成果だと胸を張って言えます。

篠原 本学では、「現代女性とキャリア」をテーマにした全学対象の講義を実施しています。また、企業と一緒に課題を解決するプログラムなども行っており、こうした働きかけを通して、学生に「働くって楽しいことなんだ」と感じてもらい、生涯働き続けるイメージを持ってもらえるよう努めています。女性のキャリア構築においては、学生時代にさまざまなロールモデルに接することも重要ですから、キャリアガイダンスなどでは必ず卒業生の話を聞く機会を設けています。

―キャリア構築という点では、近年では生涯学習も注目されています。

髙橋 よく卒業式で「ここで学んだおかげで生涯学び続けねばならないと知ることができた」と挨拶する学生がいます。生涯学習の重要性に気づいてくれたのだと誇らしく思いました。大学は学び方を学ぶ場所であり続けたいですね。

森本 働き始めると多くの人が「大学時代にもっと勉強しておけばよかった」と言いますよね。それなら学び直しをすればいいわけですが、実際にそうするのは大学の4年間で勉強の面白さを知った人です。その面白さに気づかせる働きかけをするのも、大学の役割だと思っています。

篠原 その意味では、大学は生涯をともにする専門分野と出会う場所でもありますね。私も建築に出会ったのは本学の家政学部住居学科で、以来ずっとこの分野を探究し続けています。学生にも、そうした出会いを提供し続けていきたいと思います。また、人生は長いので、本学ではリカレント教育課程など社会人のための学び直しの仕組みも充実させています。近年は、転職のため、あるいは今の会社や所属団体で幹部層などに就くため、もう一度大学で学びたいといったニーズも増えています。

未知の物事に出会い充実した4年間を

―今後について、改革構想などありましたらご紹介ください。

髙橋 本学は、建学の精神に沿いながら女子高等教育をさらに充実・発展させていくため、5年前に「Tsuda Vision 2030」を策定しました。今後も国際化推進をはじめ、大学、教育、研究、同窓生、経営の五つのビジョンを着実に実現していく方針です。

森本 創立以来続けてきたリベラル・アーツ教育をさらに進化させたいと、日夜大学改革に取り組んでいるところです。新たな東京女子大学を打ち出したいと思っています。今後にご期待ください。

篠原 本学は2021年の創立120周年を機に、4学部15学科と大学院を目白キャンパスに統合しました。そして2023年度には、国際文化学部を開設します。続けて2024年度には、建築デザイン学部(仮称)を開設する構想も進めています。翌年度以降も、既存学部の発展的な改組を構想中です。改革を通して、今後も新たなメッセージを発信し続けるとともに、豊かな未来を目指していきます。

―受験生や保護者に向けてメッセージをお願いいたします。

髙橋 女性がリーダーシップを発揮している本学の風景は、若い女性に大きな自信を与えるでしょう。教職員は皆、ジェンダーギャップの激しい世界で女性が生き抜いていくのは簡単ではないと知っており、全員が学生の支援者です。ここで過ごす4年間は、私自身がそうであったように、生涯にわたってインパクトを与え続けるものになるに違いありません。受験生の方々には、ぜひ「自分の伸びしろ」を最大限伸ばしてくれる大学を選んでいただきたいと思います。

森本 大学での学びは、その広さも深さも高校までのものとは根本的に異なります。きっと想定もしていなかった学びに出会えることでしょう。そうした出会いを楽しみに入学していただければと思います。大学の4年間は、その後の人生を決めるような新たな価値に出会う時間です。心を開いて未知の物事との出会いを楽しんでください。

篠原 学生には、自ら関心を持って専門的な知識を突き詰めていくことで、普遍的な課題や目的にたどり着いてほしいと願っています。例えば「どうすれば皆が幸せになれるか」といったことですね。真っ直ぐに現実を見る勇気を持ち、新たな価値を創造できるよう、協働できる友だちを見つける。女子大学で、そんな充実した4年間を過ごして欲しいと思います。
 

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