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2021年度入試からセンター試験に代わって大学入学共通テストが実施される。受験生には知識だけでなく、思考力や判断力などが求められるようになっている。東京家政大学はこうした流れの中で、入試のキーワードに「成長」を掲げ、考える力を身につけるための入試をうちだした。どのような入試になるのだろうか。アドミッションセンターの新関隆所長にお話を伺った。
取材・文・松平信恭(大学通信)
「成長」をキーワードに、独自の学校推薦型選抜を実施
──入試が大きく変わる中、東京家政大学も入試改革を行っていますね。
学生一人ひとりの「成長」をキーワードとする新しい入試を実施します。知識を問う試験から、考えることにウェイトを置いた試験問題に変えていくのがポイントです。学力試験はマークシート式である点は変わりませんが、『学力の3要素』の中の「思考力」を見ることができる問題を出題するようにします。
中でも大きく変わるのが学校推薦型選抜(推薦入試)です。入試を成長のプロセスとして位置づける「グローアップ入試」として、公募推薦に基礎学力調査を導入します。自分の今を確認して目標を一歩ずつ達成する実感を持ってもらうための改革です。
これまでも、国数英理社の基礎知識問題を、60分で解答する適性テストを行っていました。それを2021年度を待たずに、今秋の入試から、基礎学力調査として国・英に長文読解を入れた国・数・英の3科目型にリニューアルします。
──どういった狙いがあるのでしょうか。
受験生に対し「ずっと学び続ける力を養ってほしい」というメッセージを持った試験にしたいというのが一番の狙いです。数学を入れたのもその一環です。数理能力は大学において、また就職においても必要です。国数英それぞれ問題は高1必修科目のレベルとし、「高校生のための学びの基礎診断」の標準タイプ程度とします。
──それでも数学があるなど一部の文系の受験生はハードルが上がったと感じるかもしれません。
たしかに捉え方次第のところはありますが、出題内容やそのレベルを明示しましたから、どのような力がどう評価されるかが分かりやすくなったと思います。学習にも取り組みやすくなっていると思うので、ぜひトライしてほしいですね。
努力や成長が実感できるレベル別入学前準備教育
──AO入試についてはいかがですか。
現在、総合型選抜(AO入試)として実施している「渡邉辰五郎(自主自律)入試」では、東京家政大学のことをしっかり研究して、ここで学びたいという意欲を持った学生が入学しています。
現在本学は一般選抜で入学する割合が同系私立女子大の中では比較的高いです。これからは実績を見ながら主体的に学ぶ意欲をより評価する総合型選抜の入学者比率を徐々に高める方向で考えています。
さらに今年度実施の入試からは、総合型選抜で入学前準備教育のためのプレースメントテストを実施します。このテストは、学校推薦型選抜の基礎学力調査と同等のものですが合否判定には使いません。
「入学前準備教育」では、入学まで無理なく学習を続け、大学入学後の学びへとスムーズに移行するため、プレースメントテストによってレベルに応じた教材で学んでもらいます。入学後にはアチーブメントテストも実施する予定です。学生の成長を評価し、頑張りをしっかり見ていきたいと思っています。
その場の試験だけにしないのは公募推薦でも同じです。基礎学力調査の結果を入学前準備教育のクラス分けに活用します。それにより、自分に合った教育プログラムを受けてもらい、一人ひとりの「成長」を促していきたいと考えています。
「入試」を選抜ツールとしてだけでなく、「成長」のための教育プロセスと位置づけたことが最も大きな改革のポイントです。この点を高校の先生方にご理解いただき、ご協力をいただくことで、高大接続の実質化を図っていきたいと考えています。
──入試が大学入学後の学びの出発点となっているのですね。
入学してから一生懸命勉強する学生が多いのが本学の良いところだと思います。勉強を続けることや学習習慣の大切さを入試で伝えながら、一層伸ばしていける入試にしたいと考えています。
高校の先生には、本学をよく知った上で努力をおしまず学習意欲が高い生徒を推薦していただければと思います。今後多様な力を持つ学生を受け入れることで、東京家政大学が幅広い学びの場になっていくことを願っています。
今回の改革は2025年度からの新学習指導要領下での入試までの大きな流れの中にあります。一般選抜で思考力を問う問題を入れていくのはこの方向を見すえてのことです。
学校推薦選抜では基礎学力だけでなく、面接等を通して、大学でこれを学び、将来こうなりたいという受験生の思いをしっかり受けとめて評価できるよう心がけています。大学でこれを学びたいという受験生のアピールを受け止められるようになるために、私たち自身も日々入試のあり方について考え続けています。
今は高校生の時から問題意識を持って活動する人が増えてきました。こうした人がより力を伸ばせる東京家政大学でありたい。それを実現する上でも、新たな入試では、主体性が大切になってきます。
今後の方向性
項目 | 内容・目的 | 進行状況・発表時期 |
一般選抜 | 入試改革以後も従来の一般選抜を継続して実施する。 | 2021年度入試の筆記試験では、これまでと同様に看護学科のみ3科目型とし、そのほかの学部学科は2科目型とする。 |
定員見直し | 総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜の募集人員のあり方を再検討。 | 一部2020年度入試より実施予定。抜本的な見直しは2021年度入試より実施予定。 |
入試日程の変更 | 2020年度入試より、一般入試の日程を変更する。 | 2021年度入試の日程は、一部後ろ倒しになる予定。 |