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早期から、日本大学との高大連携教育を行ってきた日本大学第一中学校・高等学校。特に理工学部との連携授業では、高度な実験・研究やフーコーの振り子プロジェクトなど、長期的な活動が行われている。
【プロジェクト型で行う 理工学部の高大連携教育】
講座はテーマごとに大きく3つに分かれ、5月下旬ごろからスタートする。ひとつは、大学2年生の「物理学実験」という科目で行っている研究テーマを体験できる。「熱伝導率」など研究テーマは14あり、その中から興味のあるものを選ぶ。大学生でもあまり行わない、物理学科の高度な実験装置を使った実験を行う。
2番目は、物理学科のプラズマ理工学研究室において、核融合の研究を行う。
3番目は「フーコーの振り子」。日本大学第一中高の校内に全長25mの巨大な振り子を設置するプロジェクトだ。プレゼン・展示のチーム、観測のチーム、設計のチームの3つに分かれる。生徒が主体となってアイデアを出し、製作していく。数年後に完成予定で、最終的には墨田区の「小さな博物館」(区の産業や文化に関連するコレクションを作業場や民家の一部を利用して展示する事業)に登録することを目指している。
【2回のプレゼンテーションを経て、大きく成長】
研究成果をアウトプットする機会として、プレゼンテーションを2回行う。文化祭で行う中間プレゼンテーションでは、来場者から鋭い質問が投げかけられることもある。発表者は、その時点ではまともに答えられないが、修正を重ねていく。3月の最終プレゼンテーションでは、大学院生からの質問にも答えられるほど成長するという。 高大連携授業で指導にあたる日本大学理工学部物理学科の浅井朋彦准教授が、こう話す。
「高大連携講座や大学の公開授業は、中学・高校生にとって、『理解できなかったけど、難しいことを体験した』という印象しか残らないこともあります。教員がお膳立てして、ただ単に作業させて終わるのではなく、生徒自身が考え、失敗しながらも自分で活動できるよう、サポートしていきます」
この高大連携教育は1年間、ほぼ週1回理工学部キャンパスに通うことになる。それを可能にしているのが日本大学第一の立地の良さだ。JR・地下鉄両国駅そばの立地を生かし、放課後、理工学部のある御茶ノ水駅まですぐに通える。
高大連携授業の受講者は、日本大学へ入学後、ほかの学生よりも理解度が早いというメリットがある。それだけでなく、他大進学希望者にとっても、選択肢を広げ、将来の進路を考える機会になっている。また、理工学部の授業はプロジェクト型で行われるため、問題発見・解決力や、プレゼンテーションの技法が身につくなど、大きな成果を挙げている。
【高大連携教育の導入から現在】
日本大学との高大連携を導入してからどのような変化があったのか。
熊谷一弘校長にお話を伺った。
「日本大学との高大連携授業は、2002年10月、生産工学部の授業参加から始まりました。07年からは、理工学部の研究室で大学生・大学院生と研究を行う講座が始まりました。現在は、歯学部・医学部の病院見学、看護体験、薬学部の見学などをはじめ7学部で開講されています。総合大学の強みを生かし、文系・理系の分野を幅広くカバーしています。希望者は高校1・2年生が中心で、毎年約200人が参加します。文系学部は講座受講型で、受講後、期末試験に合格すると、日本大学入学後の単位として認められます。開始前は、大半の生徒が、何を学ぶかを知らずに大学へ進学していました。高大連携授業によって、入学前に学部・学科での学習内容を見極められ、自分の適性を知ることができるようになり、入学後のミスマッチが確実に減っています。授業で大きな刺激を受けることも多く、看護体験がきっかけで、救急救命士として活躍している卒業生もいます。明確な目的意識をもって大学に進学しますので、大学入学後の、のびしろが違ってくると感じています。」