【2016年度大学就職力データ②】有名企業400社就職率ランキング!

【2016年度大学就職力データ②】有名企業400社就職率ランキング!

「2016年度大学就職データ②」の続きです
http://univpressnews.com/2016/12/09/post-619/

実就職率の動きとともに、注目されるのが有名企業への就職だ。難関大のキャリアセンターの職員は「受験生の保護者に顕著なのですが、実就職率よりどこの企業に何人就職しているかをよく聞かれます。一部上場企業にどれぐらいの割合で就職していますかなどで、いきなり聞かれて、こちらも焦ります」という。こういった質問が出る背景には、大学のレベルがある。難関大では就職率より、就職先の企業が問われるようだ。安定した大手企業への就職への期待が高い。
 表6は有名企業400社への実就職率(400社就職者数÷〈卒業生数―大学院進学者数〉×100)のランキングで、卒業生数100人以上の大学についてのデータ。有名企業400社は日経平均株価採用企業225社に、規模や知名度、大学生の人気を基に大学通信が選んだ企業を加えたもの。各大学へのアンケート結果を集計した。
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400社全体の採用者数を昨年と比べると4・6%増加だった。採用が活発な証しだ。トップは一橋大で、62・6%と6割を超えた。昨年より、5ポイント近く実就職率が上がっている。主な就職先企業は三菱東京UFJ銀行31人、三井住友銀行20人、みずほFG16人、三井物産、大和証券グループ、東京海上日動火災保険各14人。

一橋大には文系学部しかない。その文系学部卒業生に人気の高いメガバンク、生・損保などの採用は昨年並みか、それ以上に増えたことも、実就職率大幅アップの理由とみられる。メガバンクの中には2千人近い採用のところもあるほどだ。文系学部卒業生の就職状況の好転で、首都圏私立大の内定を取った学生は「今までなら業界の5、6番手の内定しか取れなかったのが、昨年から2、3番手の企業の内定が取れるようになってきました。上位企業の採用が増えているからと先輩に言われています」という。

2位は東京工業大で54・9%。上位2大学が5割を超えた。卒業生の2人に1人以上が、安定した大企業に就職している計算になる。東京工業大の主な就職先企業は日立製作所27人、三菱電機22人、トヨタ自動車21人、パナソニック、キヤノン各19人など、やはりメーカーに強い。学生の就活に詳しい専門家は「東京工業大は学部卒業生の多くが大学院に進学し、大学院では産学連携の研究も多く、そこで研究に携わることで、そのまま大手企業に就職する割合が高いのでしょう」という。

3位は豊田工業大、4位は慶應義塾大、5位は国際教養大で、ここまでが4割を超えた。5位までの順位は昨年と全く同じだ。有名企業への実就職率が高い大学は限られているようだ。国立大が強いのも特徴で、大学受験の時に5教科6科目をしっかり学んできた学生は強いといわれるが、その影響もあるのかもしれない。

女子大の健闘も光る。15位の東京女子大、16位の聖心女子大、19位の日本女子大、20位の学習院女子大、22位の白百合女子大など。関西圏では39位の神戸女学院大が女子大トップに位置している。総じて女子大は就職に強いことで知られるが、有名企業への就職者も多いことが分かる。また、理工系の大学も強い。東京工業大、豊田工業大だけでなく、8位の電気通信大、11位の九州工業大、13位の名古屋工業大など。メーカーは採用数も企業数も多いことから、就職者が多いと見られる。

また、京大は18位、東大は32位で意外に低い。これはやはり、企業ではなく官僚をはじめとする公務員になる人が多いこともある。東大の今年の省庁就職者数を見ると、総務省27人、国土交通省26人、経済産業省23人、農林水産省17人、厚生労働省16人など。

また、国立大に多いのだが、大学入試での入学者よりはるかに卒業生が多い大学もある。その典型が東大、京大で、東大は4年前の入学者が3112人だが、大学院生を含めた卒業生+大学院修了者数は7855人。京大も同じく入学者2929人に対して、卒業生+大学院修了者数は6217人。大学院からの入学者が多いことが分かる。
さらに留学生も多く、当然、帰国する学生もいて、日本の有名企業には就職していないこともあり、400社の実就職率は低くなっていると見られる。

【補足:女子大の有名企業400社就職率ランキング】

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