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東京港区にある広尾学園は、進学実績を著しく伸ばした中高一貫校として知られる。改革着手 は9年前で、すべてリセットしての再出発だった。 金子暁氏に改革の秘訣を聞く。
【今や「東京に広尾学園あり」― の声。全国から視察に訪れる先端校に成長】
10年前の06年に比べ、難関私立大(※)の合格者が、16年には508人も増えた。『サンデー毎日』16年5月8―15日号の「難関大合格者10年で伸びた地域別ベスト500校私立大」では、増加数で関東・甲信越の2位にランクイン。
まさに目を見張る大躍進である。(※早慶上理MARCH)
広尾学園が進学校に舵を切ったのは、07年に共学化に踏み切り、 順心女子学園から校名を変更したときだった。改革を担う金子暁氏に当時を振り返ってもらう。
「最初に手をつけたのが、先生方の授業スキルを磨く研修制度の整備でした。厳しい評価基準を定め、新人、ベテランの区別なく、定期的に受けてもらう。そして基準をクリアしないと、教壇に立てない仕組みにしたのです」
先生にとって、授業指導に口を挟まれるのは、一番やられたくないこと。その最も嫌がられるところから改革を始めたことで、教職員の意識改革は進み、学外にも本気度が伝わっていったと話す。
生徒にも、進度に応じた完全個別のPLTテストを課した。毎朝15分挑ませ、採点して翌日に返す。学力向上に直結しただけではなく、
「朝から集中することで学習意欲が喚起され、勉強するぞという雰囲気が醸成されていきました」
【発展を支えるキャリア教育】
前身の順心女子学園は長い伝統を誇る名門。進学校になると宣言しての再出発ではあったが、一度すべてをゼロにし、まったく新しい学校をつくる覚悟で臨んだという。
「だからこそ変われたのです」
この決断が発展の礎になった。
当初は予備校的な手法の指導も探っていたが、しだいにキャリア教育に注力する方向に路線を変えていったと、金子氏は明かす。
「生徒に発破をかけるより、頑張るためのモチベーションづくりが 重要だと気づいたのです」
本校のキャリア教育は多彩だ。 ヤングアメリカンズ、特別講演会、 サイエンス講座、スーパーアカデ ミアといったプログラムを用意するが、いずれも一流の講師を呼んできて、学問の今にふれさせることに主眼を置いている。
「キャリア教育は、成長に合わせて進めるのが常識とされてきましたが、中1段階から本物をぶつけたほうがいいのではないか。 たとえ中学生に理解できない内 容でも、とにかく最前線を伝え てほしいと講師の方にはお願いしています」
講師から旬の話を聞くことで、 勉強に対する意識がたかまり、進路も明確に見えてくる。早い段階からのキャリア教育の充実こそ、学園発展の原動力といえそうだ。 なお、一流の講師を招聘する秘訣は先生方の熱意しだい。たとえ著名人でも、臆せずリクエストすれば、扉は必ず開かれると続けた。教育力が評価され、5年連続で志願者が増加。昇竜の広尾学園から学ぶことは多い。
【取材協力】
広尾学園中学校・高等学校
〒106-0047 東京都港区南麻布5-1-14
TEL 03-3444-7271