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学習院大学の「学生相談所」、通称“学相(ガクソウ)”は、受験生向けのオープンキャンパスや、新入生向けの「ウェルカムパーティー」の企画・運営を行う公認団体。部でもサークルでもない「独立五団体」のひとつであり、2025年には設立65周年となる長い歴史を持つ団体です。この“学相”の所長として、2024年度に1・2・3年生合計78人の大所帯を率いた矢尾板さん、そして、2025年度の所長就任が決まった小澤さんのお二人に、活動内容や魅力をお聞きしました。
[2024年度 第64期 所長]矢尾板 哉仁 さん 文学部英語英米文化学科 3年 東京都・私立学習院高等科出身
[2025年度 第65期 所長]小澤 茉莉 さん 文学部日本語日本文学科2年 栃木県・私立佐野日本大学高等学校出身
仲間のため、受験生のため、大学のため
――まずはお二人が学生相談所に“入所”した理由から教えてください。
矢尾板:私は大学の広報活動の手伝いができる団体として興味を持ったことがきっかけです。高校までの委員会活動などで学校と一緒にプロジェクトを進めるやりがいを感じてきたことと、受験生や新入生など、人の役に立てる活動ができる点が決め手になりました。中学から学習院に通っているので、目白キャンパスの素晴らしさを伝えたい気持ちもありましたし、受験生の役に立つ活動によって学習院大学の役にも立ちたいと考えました。
小澤:私は高3の秋のオープンキャンパスで初めて学習院大学を訪れました。都心部の大学だとビル型のキャンパスも多い中で、目白キャンパスには緑もあって、“いかにも大学!”という雰囲気で気に入りました。入所の理由は、“オーキャン”で優しく対応してくれた先輩に憧れて、オープンキャンパスでの活動に興味を持ったからです。
――では次に“学相”の運営体制について教えてください。
矢尾板:活動方針などを決定する「運営委員会」を構成する幹部が6人いて、例年11月の引き継ぎの際に、新3年生から代表である“所長”と、2名の副所長を投票で選出します。加えて、総務、書記、会計は新2年生から立候補してもらい、こちらも選挙で決定します。
小澤:私は2024年度に総務を担当しましたが、ここ数年は総務から所長になっています。実際、先日の選挙で“信任”をいただき、2025年度は私が所長を務めることになりました。
矢尾板:私も2年次は総務でした。ただ、副所長は前年の役職に関係なく選出します。書記や会計から副所長になるケースもありますが、“必ず”ではありません。
小澤:私はこれまで部長や委員長の経験はなかったのですが、高校時代の書道部の副部長や、委員会の副委員長の経験はありました。トップを支える立ち位置が好きでしたし、自分に合っている感覚もありました。ただ、総務に決まった時点で「次は茉莉ちゃんが所長!」という空気になりましたし、「やるしかない!」と覚悟もできました。
そこから1年間、所長の矢尾板さんを見てきて印象深いのは、怒るときはきちんと怒るという点です。私は人にガツンと強く言えないのですが、矢尾板さんには自分にはない強みがあって尊敬するばかり。オーキャンなどのイベントに向けて“係”単位で活動する中で、必要に応じて各係のLINEグループに入って常に全体像を把握しながら、係のサポートをしていたように思います。
矢尾板:何から何まで仕切るわけではないのですが、係によっては、学外との調整などで負担が大きくなるケースもあります。基本的には各係の自主性に任せますが、準備が停滞すると多方面に迷惑がかかることもありますので、不本意ながらも所長判断のトップダウンで口を挟んだこともありました。それは仲間のためでもあり、受験生のためでもあり、大学のためでもあるんです。
こうした私の姿勢を小澤さんに強要するつもりはありませんが、私としては「代表は嫌われてナンボ」と思っているからこそ、言うべきことはきちんと伝えるようにしていました。見て見ぬフリをしてやり過ごすこともできますが、それでは団体として好ましくない方向に進みかねませんので、軌道修正が必要なんです。
――そんな矢尾板さんが笑顔になった瞬間を挙げるとすると?
矢尾板:所員が「これをしたい!」と意欲的に発言してくれることも多々あって、例えば2024年8月のオープンキャンパスでは、初めて「トークブース」を設置して個別相談会を行いました。当初は難しさを感じたものの、夏休みで多くの高校生に来てもらえる絶好の機会ですので、大学との調整を経て、小規模でしたが実現させることができました。
所長としては、所員の声に対して大学側の視点に立って検討する必要性もありますし、大学と所員の板挟みのような状況になることもあります。さらには、最終的に所員に“No”を突きつけることで嫌われ役になってしまうこともあるのですが、この「トークブース」は所員発信で思いをカタチにできた印象深いプログラムでした。
小澤:そうですね。みんな自分たちなりに“受験生のため”と思って発言してくれるので、私もみんなの声に応えられるようにサポートできる所長になりたいですね。
矢尾板:そこは小澤さんを中心に、独自の色が出てくるといいですね。その色によって活動内容を変える必要が出てくるかもしれませんが、私の代での活動内容に縛られずに、小澤さんが信じる道を突き進んでくれれば何も問題ないと思います。
ただ、所長は多忙です。この1年間は本当に長く感じました。2024年度は新しい取り組みに挑んだせいかもしれませんが、気が休まることがないほどで、常に何かしら学相のことを考えていました。とはいえ、それが充実感につながったことは確かですし、その成果としてゼロから1を生み出すこともできたので、あとは1から2でも3でも5でも飛躍させてくれればと思います。もちろん、新しい取り組みを進めることだけが“良いこと”とは限らず、新たな課題も出てきますので、既定路線を守っていくことも十分に価値のあることだということを念頭に置いて運営していってほしいですね。
周到に“キャラ”を使い分けてきた前所長
――1年生が“入所”してからの流れを教えてください。
矢尾板:新歓期間を経て5月に正式な“入所”となり、その年のオープンキャンパスで1回は「キャンパスツアー」の案内役を経験してもらうようにしています。ただ、「キャンツー講習」もありますし、本番でも上級生が一緒ですので心配は不要です。まずは“学相”の雰囲気に慣れてもらいながら、実際に活動してもらいます。
小澤:1年生はついこの前まで受験生でしたので、“どのようなコンテンツをオープンキャンパスに求めていたのか”といった内容や、受験生として足を運んだ他大学のオープンキャンパスで印象に残ったことなどをヒアリングして、私たちの運営の参考にすることもあります。その後、11月に3年生が引退したら、12月に新体制での係を決めます。例えば新入生向けの「ウェルカムパーティー」に向けてはチーフ・サブチーフをはじめとして、企画係・庶務係・広報係の3グループに分かれて本格的な活動に入ります。
矢尾板:ただし、2024年度は1年生の何人かに10月の「トークショー」に出てもらったように、新体制になる前でも1年生に任せるときは任せます。トークショーはコロナ禍で2020年度以降は中止になっていたのですが、2024年度に復活させたものです。開催しようにもノウハウもない中で、学相の目玉イベントとして力を入れました。「大学生活について」と「受験勉強について」という2つのテーマのもと、学習院の魅力や個々の実体験をトークショーに出演してくれた所員が上手に紹介してくれて、全3回のうち、立ち見が出る回もあったほどの大盛況で泣きそうになりました。本当に感動しました。
――“嫌われてナンボ”とは言っても、仲間想いですよね。
小澤:そうなんです。後輩はみんな矢尾板さんを慕っています。厳しくするときもありますが、誰かの役に立ちたいという熱意の表れだとみんなが理解していますし、その想いが所員に向けられることも珍しくなくて、例えばイベントの打ち上げや合宿になるとエンジン全開で盛り上げ役になってくれるんです。
矢尾板:そこはキャラを使い分けてきました。オーキャンなどはカッチリとマジメにやらないといけませんが、打ち上げや合宿で純粋に学生同士が交流してほしい場面では、カタくする意味もなければ、したくもありません。“代表が率先して場を盛り上げれば、みんなも楽しんでくれるはず”という思いがありましたので、自分をコントロールしてきたんです。
小澤:ちなみに合宿は、観光したりBBQしたり、遊びに行って他の学年との親睦を深めます。2023年度には山中湖に行って、“ほうとう”づくりをしたり、花火をしたり、忍野八海に行ったりもしました。
矢尾板:2024年度の合宿では伊豆に行ったのですが、ちょうど南海トラフ地震の警戒情報が出たタイミングだったためビーチには行かず、体育館でドッジボールや鬼ごっこをしました。夜はあれやこれやオシャベリをして、翌日にBBQをして帰ってきました。
まずは“学相”内での密なつながりをつくりたい
――オーキャンで受験生と接していると“コミュ力”は磨かれますか。
矢尾板:最初からある程度コミュ力やトークスキルの高い学生が集まってくるように思いますが、入所時に「ややおとなしいのかな?」と感じた学生が、いざオープンキャンパスの業務になると上手に対応することもありますし、どんな学生も回数を重ねるごとに上手になっていきますね。
小澤:キャンパスツアーでは1組あたり多くて約30人の受験生を担当するのですが、1日に7組を案内することもあって、私自身、その日のうちに上手になっていく実感もありました。後輩を見ていても、午後に調子が上がってきて午前中とは見違えるほど上手になることもあります。
矢尾板:私にしたって、その日の前半と後半では言い回しが改善されていきます。学年が上がり、学生として過ごしてきた月日が長くなれば案内できるネタも増えていきますし、対応力も向上していくと思います。
小澤:初対面の受験生や保護者と会話を始める際のきっかけづくりの引き出しが増えていきますし、今では余裕も出てきたので、“笑い”を交えて楽しくキャンパスを紹介したいと思っています。そのために日々ネタを仕込んでいますし、実際に笑ってくれるとうれしいものです。
矢尾板:私が2023年の夏のオーキャンで、ある高校生に対応したところ、12月のイベントの際に「指定校推薦で合格しました」と報告しに来てくれました。さらに“学相”にも入ってくれた時には“学相の所員冥利に尽きる”というか、つくづく学相の活動をしてきてよかったと思いました。もちろん対応した全員が学相に入るわけではありませんが、私たちの活動をとおして「学習院っていいな」と思ってくれるとうれしいですね。
――では最後に、小澤さんから“所信表明演説”をお願いします。
小澤:2024年度は矢尾板さんに多くの新しい種を蒔いてもらい、新しいことを始める大変さも喜びも感じられました。それを踏まえて、2025年度は守るべきは守りつつ、新たなチャレンジもしていきたいと思っています。すぐにでも進めていきたいのは、所員間の交流と意思疎通を活発にして、相互理解を深めることです。せっかく学部学科を越えた、さまざまな学生が集まっていますので、人生の糧として将来につながるような、学生同士の密なつながりを生み出したいと思っています。
高校時代はコロナ禍で先輩や後輩との強固なつながりを感じることが少なかったですが、大学で学相に入ったことで上下のつながりを感じられ、そのこと自体にうれしさや楽しさを感じてきました。“先輩から学べる”という側面もありましたが、先輩が可愛がってくれてご飯に連れていってくれるだけでも本当にうれしかったですし、後輩が「茉莉さん!茉莉さん!」と言ってくれることもすごくうれしいんです。
新2年生も新入生も、一緒に活動していく大切な仲間が個性や強みを発揮できる団体にしたいですし、仲間が充実感を味わいながら、受験生や大学のために活動をしたいです。誰かの助けになりたい、誰かのために活動をしたいという方を是非お待ちしています!よろしくお願いします!