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1934年に創立され、90年の歴史と伝統を持つ福岡大学。人文・法・経済・商・商二部・理・工・医・薬・スポーツ科からなる9学部31学科を備え、約1万9000名もの学生が学ぶ西日本屈指の総合大学だ。多くの卒業生が幅広い分野で活躍する背景には、社会人基礎力の涵養と学生一人ひとりが自発的に自らのキャリアを考え・決定するために同学キャリアセンターが大きな役割を果たしている。キャリアセンター長を務める商学部教授・笹川洋平先生に、同センターの取り組みや福岡大学ならではの強みについてうかがった。
取材・文 林 郁子
キャリアセンターが担う大学での人間教育
―まずは、昨今の就職状況についてお話しください。また、キャリアセンターの取り組みについて教えてください。
どこの大学も同様ですが、ここ数年、求人件数が増える「売り手市場」が続いており、「就職しやすい」という点では学生にとって、よい状況が続いています。しかし、そうした中で学生が安易な就職を選択してしまうというマイナス要素も生じています。
また、就職に積極的な学生は早くから活動し早期に内定を得る一方、売り手市場であるがゆえに志望先を絞りすぎてしまい、思うように就職が決まらない学生もいるため、二極化する傾向があります。
私たちは、将来にわたり学生にとってよりよい進路・就職の選択ができるように、職業観や社会性、自主性を育んでいくキャリア教育に、入学早々の段階から取り組んでいます。ただ、どのようなキャリア選択をするのかということ、また、就職活動の取り組み方は、学生一人ひとりが自分で考え、決めるべきことです。私たちは、学生が将来を考えるための素地づくりや、情報提供、企業と出会うきっかけづくりを行う役割を担っています。また、昨年度は延べ1万8千名の支援を必要とする学生に、個別面談などを通じて提案やアドバイスを行い、学生一人ひとりを手厚くサポートする体制も整えています。
本学では、キャリアセンターも、キャリア教育や人間教育という教育の一端を担う組織だと考えており、私たちもその基本理念のもと数々の取り組みを「福大メソッド」として確立し、すべての学生が無理なく就活に取り組める環境を用意しています。
多様な独自企画が可能な大規模総合大学の強み
―具体的には、どのような取り組みをされていらっしゃいますか?
大きなイベントとしては、毎年1月に2日間で延べ320社の企業が参加する本学向けの「学内合同業界研究会」を開催します。本学は人文・法・経済・商・商二部・理・工・医・薬・スポーツ科といった幅広い学部・学科があるため、参加企業の顔ぶれも非常に多様です。就職活動を本格化させたばかりの3年生が、文理問わず多くの企業を知るよいきっかけになっています。
8、9月には関東や関西での就職を志望する学生を中心に、数日間泊まりがけで東京や大阪の企業を訪問する「就活キャンプ」も開催しています。このプログラムは、75名前後の学生がグループに分かれ、事前にビジネスフレームワークを学び企業分析や業界分析を入念に行ったうえで、8〜9社の企業とのセッションを経て、自分の可能性や企業選択の幅を広げます。併せて関東圏や関西圏で働くOB・OGとの交流会も行います。全国で多種多様な職種で働く卒業生と交流の場を設けられることも、大規模総合大学である本学ならではの魅力と言えるでしょう。「売り手市場」の今だからこそ、関東や関西からの求人をチャンスだと捉えて、積極的に挑戦してほしいと思います。
そのほか、企業や自治体の抱える課題についてグループで解決策を考え、プレゼンを行う「課題解決型プログラム」なども実施しています。このプログラムを通して、学生には、現実の社会課題の難しさや社会の厳しさを実感するとともに、自分の意見を主張する大切さや柔軟性を学び、自己成長に繋げてもらいたいと思っています。このプログラムは本学の学生だけでなく、近隣の高校に呼びかけて高大連携でも取り組んでいます。
―課題解決型プログラムなど社会人基礎力を養う取り組みもキャリアセンターで実施されているんですね。
本学の大きな強みは、こうした就職関連イベントやキャリア教育プログラムのほとんどが、キャリアセンターの独自企画であるという点です。本学の学生の特徴を職員が明確に把握し、学生の資質やニーズに合わせた内容を考えて実施しています。そのため、職員にとっても「教育者」としての責任感が生まれ、学生と職員の距離感も縮まり、双方にとって非常に効果的です。さらにキャリアセンター内でイベント開催のノウハウも蓄積されていくことで、次年度以降、よりブラッシュアップしていくことができます。
―公務員を志望する学生へのサポートにはどのようなものがありますか?
エクステンション講座として、各種公務員や教員採用試験対策講座を開講しています。宅建などの法律関係、会計士や税理士、簿記などの経営関係の資格試験講座、語学講座など、学生のニーズに合わせて毎年40講座前後を開講しています。
また、公務員志望者向けに役所を訪れて職員の方にインタビューを行う「自治体ワークラボ」や、教員志望者向けに教員の方との対談を行う「教員ワークラボ」といったプログラムにも取り組んでいます。本学は九州の私立大学として福岡県以外の自治体への、Uターン、Iターンを積極的に支援していきたいと考えています。本学で得た学びや人とのつながりを、さまざまな地域で役立ててほしいですね。
ワンキャンパスのダイナミズムが魅力
―今後どのような取り組みに力を入れていきたいですか?
学部との連携をより深めていきたいと思っています。例えば、学部ごとの説明会を開いたり、学部のニーズに沿った講座を開講したりしていきたいです。これからの社会では、より専門性の高い職業のニーズが増えていくと予想されます。本学のスケールメリットを活かした多様なサポートは、まさにそうした時代にマッチしていくと思います。
―最後に、受験を考えている生徒や保護者へのメッセージをお願いします。
本学の大きな魅力の一つに、ワンキャンパスに学部学科があるため、学びの分野を超えて交流ができる点があります。福岡だけでなく九州各地からも多くの学生が集まっており、中高時代と比べると格段に多くの出会いがあります。専門とする学部が異なることで世の中への視点が変わることに肌感覚で気づいたり、価値観が違う相手と時にぶつかりながら話し合うおもしろさを感じたりすることができます。
また、多くの人の中から、公務員や教員志望といった同じ目標を持つ相手とも出会うことができます。一人で1日何時間もの資格試験の勉強を続けることは難しいですが、仲間と一緒なら頑張ることができます。
ぜひ本学でかけがえのない仲間と出会ってください。