持続可能な社会の発展に貢献する 未来の理工系人材を育成―龍谷大学 先端理工学部

持続可能な社会の発展に貢献する 未来の理工系人材を育成―龍谷大学 先端理工学部

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2020年に開設された龍谷大学の先端理工学部には、「課程制」や「クォーター制」の導入により専門領域を深めながら多分野を横断的に学べる環境が整っている。2025年4月には「環境生態工学課程」の「環境科学課程」への名称変更も予定。未来の理工系人材の育成を加速する同学部の学びについて、学生の声とともにお伝えする。

聞き手 井沢 秀(大学通信)

25の多様なプログラムを分野横断で自由に履修

龍谷大学の先端理工学部は、持続可能な社会の発展に貢献できる人材の育成を目指し、確かな専門性と広い視野を養う教育を展開する理工系学部だ。「専門性」と「分野横断」の両立を目指し、日本の理工系学部初の「課程制」を導入しているのが特徴で、「数理・情報科学」「知能情報メディア」「電子情報通信」「機械工学・ロボティクス」「応用化学」「環境科学(24年度までは環境生態工学)」の6つの専門課程の下に、人工知能、データサイエンス、航空宇宙など計25のプログラムが設置されている。

各プログラムには、ひとつのテーマに基づいて20単位程度の関連科目がパッケージ化される。たとえば「IoT・通信ネットワーク」のプログラムには、「半導体デバイス工学」「知能ロボット」といった科目が含まれる。学生は所属課程に拘わらず自由にプログラムを選択可能なので、各課程で専門性を高めつつ、興味・関心に応じて多分野を横断的、かつ主体的に学ぶことができる。

一年を第1〜4タームに分割した「クォーター制」を採用している点にも注目だ。短期間で集中的に授業を履修することで、着実、かつ効率的に学んでいけるのがクォーター制の大きなメリット。基礎からの段階的なステップアップが求められる理工系の学修では、特に高い教育効果が期待できる。

また、3年次の第2クォーターと夏期休業を合わせた約3カ月間(6月中旬〜9月中旬)が、学生が主体的に活動できる期間「R-Gap」と位置づけられている。R-Gapには必修科目が配置されないため、海外留学、インターンシップ、プロジェクトリサーチ、ボランティア活動など、大学の授業以外の活動を自由に実施できる。大学に留まり授業を受けることも可能で、自分自身のペースに合わせて多様な活動ができるように支援が行われている。

来年度に名称変更を予定 環境領域を網羅的に学ぶ

環境問題に対し多角的な解決アプローチを行う「環境生態工学課程」は、2025年4月に「環境科学課程」へ名称変更を予定している。

環境科学という言葉には、「環境のさまざまな側面を自然科学の領域から俯瞰する」という意味合いが含まれる。今後はこの新名称の下、整然とした学問分類になじまない性質がある環境問題を扱う課程として、生態学や環境工学などに学問上の軸足を置きつつ、より広い視野で環境科学分野の展開を目指す。教育内容をより的確にあらわす名称となることで、高校生や受験生にとっても課程の教育方針をイメージしやすくなりそうだ。

森林生態、生物多様性、環境共生、都市環境テクノロジーなど、環境保全や環境改善の問題に対する網羅的、かつ体系的な教育研究を推進する環境科学課程。人と自然が共生する持続可能な社会の構築に向けて、さまざまな環境問題に対して積極的に取り組み、創造的に課題解決策を提案できる人材の育成を続けていく。

学生インタビュー

多方面から社会の情報通信インフラを支えるエンジニアを目指す

先端理工学部電子情報通信課程3年生
平田みのりさん

—高校生の頃から通信技術に関心があったそうですね。

きっかけは自分が興味を持てる分野を考える探究学習の授業です。当時はコロナ禍で、授業がオンラインのみとなった時期もありました。安定した通信設備や通信基盤があるからこそ、その恩恵として授業を受けられている。こうした事実を知って、人々の生活を支えるインフラの一つである通信の分野に興味を持ちました。

—さまざまな情報系学部の中で龍谷大学の先端理工学部を選んだのはなぜですか。

情報通信のソフト面だけでなく、ハードウェア面も含めて幅広く横断的に学べる学部だったからです。専門分野である電子情報通信の科目以外に、他課程の科目を横断的に履修可能な点も魅力でした。必修の授業を受ける中で「もっと知りたいな」と思ったら他の課程の専門的な授業を受けられるので、より理解を深めることができていると思います。

—これまでにどんな他課程の科目を履修しましたか。

機械系と環境系の科目を履修しました。機械工学で履修したのはサークル活動で馴染みのあった電子工作のプログラムを行うソフトについて学ぶ授業で、自分の理解を再確認する目的もありました。そこで学んだプログラムの知識は、情報分野の実習にも活かすことができています。環境関連の専門科目で学んだ内容は、就職活動の中でCSRレポートを読み解きながら自分に合った企業を探す上でも役立っています。

—3年生から研究室配属があるのも決め手の一つだったそうですね。

今は無線通信の研究室で、マイクロ波増幅器について設計やシミュレーションを行いながら学んでいます。研究に2年間取り組めるので密度の濃い学びができますし、3年生から研究室で活動する大学は比較的少ないので、就職活動で他大学の学生との差別化になる点も強みに感じています。

—クォーター制やR-Gapについてはいかがですか。

1年が4分割となり授業が細分化されることで、きめ細かな学習支援を受けられますし、履修を工夫することで一つの教科に集中して取り組みやすい仕組みだと感じています。R-Gapではインターンシップに取り組んでいます。企業での活動の中で自分に足りない部分を実感できたので、今後はそれを埋められるように授業を履修していきたいです。

—将来の展望を教えてください。

大学で幅広い知識をつけて、情報通信面で日本全国のインフラを支える仕事に就きたいと考えています。一つの分野だけに精通するのではなく、ソフト、ハード両面の知識を持った、互いの苦労が分かるエンジニアになりたいです。

—高校生に向けてメッセージを。

志望校選びで悩んだら、やりたいことをできるだけ明確にした上で大学や学部・学科の特色を調べ、自分に合うものを見つけてください。まだ明確でない人も、自分の興味のある分野や、関連する内容を学べる大学を探してみるといいと思います。

あたたかな善意を生かす「落とし物の報告アプリ」を開発

先端理工学部知能情報メディア課程4年生
後藤桃衣さん

—R-Gapの期間に開発した「落とし物の報告アプリ」で、プロジェクトリサーチ審査報告会・表彰式の「ものづくリプロジェクト大賞(産学連携コンソーシアム選)」と「学部長賞」を受賞されました。R-Gapの活動でアプリ制作を選ばれたのはなぜですか。

大学入学時から「自分の作品となるモノを作りたい」という気持ちがあり、大学院への進学も決めていたので、今の自分にとっては作品を残すことが最も有意義な活動になると思ったからです。興味をひきそうなテーマの候補をたくさん考え、その中から落とし物アプリの開発を決めました。

—どんな機能を持つアプリなのですか。

落とし物をみんなで見つけ合えるようなアプリです。街で落とし物を見つけた人は、アプリを開いて写真を撮影し、位置情報と一緒にアプリの地図上に簡単に投稿できます。落とした人が地図を開いて移動経路を確認すると、見つけた人からの投稿があり、落とし物が見つかるという仕組みです。機能だけでなく見た目やデザインなどUI/UXにもこだわって作りました。

現状の落とし物の対策方法は紛失防止タグをつけるなど、どちらかといえば落とした本人が見つけられるような工夫がされています。一方でこのアプリは、みんなで助け合うことも目指しています。あることで気持ちがほっこりするような“あたたかいアプリ”にしたいという気持ちで開発しました。

—アプリ開発で苦労した点は。

開発未経験で始めたので、環境構築の段階から苦労しました。生成AIのChatGPT3.5を活用しながら、生成させたコードについて質問して、それに対する回答をもとに修正を加える作業を何度も繰り返しました。

—先端理工学部での学びは役立ちましたか。

生成AIを頼りに単独で初めてのアプリ開発に挑戦したのですが、3年間で少しずつ蓄積されていた知識や経験が役立ったと感じます。学んだ知識を直接使うことはなくても、何も知らない頃よりは格段に早くアプリ開発を進められたんじゃないかと思います。

先端理工学部は個人ワークの機会が多いのが魅力で、座学よりも実践を通して力がついたと思います。R-Gapという期間が設けられていることで、全員が何かをやらないといけない雰囲気もある。自分で考えて動く機会があったのはとても良かったですね。

—今後の目標は。

私は大学院に進学するので、その期間を活用して、研究以外にもさまざまなことにチャレンジしていきたいです。「人を感動させたい」という気持ちがあるので、それを一つの目標に将来の仕事も選びたいです。

—最後に高校生へメッセージを。

大学では何も強制されず、やるもやらないも自分次第。自分がやりたいと感じることにモチベーション高く取り組みながら、毎日を楽しく過ごせる環境だと思います。

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