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成城大学 社会イノベーション学部
政策イノベーション学科/心理社会学科
新興国×イノベーション
政策イノベーション学科
竹之内 玲子 教授
多くの日系企業が新興国に進出し、現地の社会背景やニーズに合わせた製品開発を行っています。例えば、インドでは子供の連れ去りが社会問題となっていますが、ある日系企業はその問題を解決すべく、充電不要で安価な追跡装置を開発しました。インドで生み出されたイノベーションは、日本にも還流され、家電管理アプリ等に応用されています。日本国内にとどまっていただけでは見出せないイノベーションの種が生まれているのです。
私は、「空と宇宙×イノベーション」、つまり航空宇宙産業のイノベーションについても研究をしています。地面から100mにはドローン、150mには空飛ぶクルマ、9,000mにはジェット旅客機、数百キロメートル以上には宇宙船が飛行できる空間が広がっており、空域ごとにさまざまな機体が開発されているのです。加えて、現在では、それらの空域において多くのサービスも提供されています。例えば、宇宙葬ビジネス、流れ星を発生させるビジネスなど、宙を舞台に多くのベンチャー企業が誕生しています。
SDGs×知的財産×イノベーション
政策イノベーション学科
谷治 和文 教授
SDGsは、環境・社会・経済分野において定められた17個の目標です。世界の国や企業が目標達成のために取り組んでいます。世界中の貧困をなくそう、飢餓をなくそう等の目標は一定の成果をあげている反面、環境分野ではCO2が問題となっています。経済・社会が良くなると環境問題が生じるというトレードオフを解消するのは技術開発です。その技術開発と密接不可分の関係にあるのが特許制度をはじめとする知的財産制度です。特許制度は一定期間の独占権を与えることにより発明者が開発費の回収と利益を得て、さらに良い発明を生み出す制度です。また、特許制度は独占権を与えつつ発明を公開することで、別のアイデアとの融合(ライセンス契約等)を促進する役割も担っています。「第三者の特許発明を勝手に模倣すればいい」という技術者が増えれば、だれも技術革新を目指さなくなりイノベーションが達成されなくなってしまうのです。
ところで、アメリカ・メジャーリーグで活躍する大谷選手の二刀流は、野球界におけるイノベーションです。評論家が無理と断じても挑戦し続けることは、すべての分野のイノベーションのお手本と言えるでしょう。
クリエイティビティ×イノベーション
政策イノベーション学科
積田 淳史 准教授
「クリエイティビティ」(Creativity、創造性)は、「新奇×有用なアイデアを具体化する力」と定義され、個人、集団、組織、社会など、様々なレベルに備わります。前例を覆すようなイノベーティブな挑戦には、前例に基づくルーチンや既存の考え方から逸脱することを伴うため、創造的な個人や集団はしばしば「変わり者」「やっかいもの」と拒否されてしまいます。効率と創造を両立するためには、「出る杭を守り、受け入れるマネジメント」、杭が出やすいように、同時に、出た杭が周囲を傷つけないように、創造的に活躍したい人と効率的に活躍したい人との間をつなぐマネジメントが重要です。
個人的には、サッカーのイノベーションに関心があります。スポーツ科学の発展で選手の体力が飛躍的に上昇し、走行距離は何十%も向上しました。かつては、ファンタジスタと呼ばれる創造的な選手が好まれましたが、今は創造性よりも運動能力が重視されると言われます。この状況を打破する創造的な選手の登場が楽しみです。
食×イノベーション
政策イノベーション学科
後藤 康雄 教授
「食」は生活に彩りと活力を与え、QOL(生活の質)を高めると同時に、個々が生きるために不可欠であり、人類全体の存亡に直結する領域です。その食に関わるイノベーションは多種多様。バイオテクノロジーを駆使した新たな食材の探求や、IT化・自動化などによる生産性向上、ビッグデータを活用したマーケティング手法の進化、さらには在庫管理手法の変革による食品ロスの軽減など、社会課題の解決につながるものもあります。半世紀前に危惧された食糧危機が少なくとも先進国で発生していないのは、こうしたイノベーションの恩恵が大きく、今後も世界の飢餓問題の解消が期待されるところです。
私がもう一つ注目しているのは「映画×イノベーション」です。多額の製作費を要する映画業界では、サブスクリプション契約による資金をもとにしたNetflix社の映画づくりが大きく注目されています。また、数十年前に近未来を描いた映画に登場していた“空飛ぶ車”が、現代では実用化に近づいてきた例もあり、映画はイノベーションのアイデアの宝庫のように感じるのです。
もやもやする気持ち×イノベーション
心理社会学科
後藤 悠里 准教授
多くの人は日々の生活の中で、「なんとなく嫌だな」「でもしかたないかな」と感じる場面があるのではないでしょうか。かつて私が障がいのある女性にインタビューした際に、「なんとなくつらい」という“もやもやする気持ち”を聞くことがありました。実は、“もやもやする気持ち”は、社会に潜む問題を示してくれていたのです。それは、本人も研究者たちも見過ごしていた、障がい者であり女性であることが、障がい男性とは異なる生きづらさを生み出す可能性でした。現在は複合的な生きづらさが認識されるようになり、2006年に採択された国連の条約にもそのことが含まれました。 “もやもやする気持ち”が新しい条文というイノベーションを生み出したのです。みなさんにも“もやもやする気持ち”を大切にしてもらいたいと思います。“もやもやする気持ち”を、友人や教員と共有したり、いろいろな本を読んだりする中で、形にしていくことでイノベーションにつなげていく、そんな試みを大学ではしてほしいと思っています。
調査・実験力×イノベーション
心理社会学科
稲垣 佑典 准教授
技術や制度的な革新にとどまらず、人々の考え方や価値観にも変革を起こすのがイノベーションです。私は社会調査や社会実験といった手法を通じて、人々の意識と行動の傾向を研究してきましたが、近年ではWeb調査やオンライン実験の結果をデータサイエンスの技法を用いて分析する手法が台頭してきました。国勢調査のような公的調査もWeb調査形式へのシフトが進み、コスト削減や集計期間の短縮といった実施者側のメリットのほか、回答者の負担軽減にもつながっています。今後は、VR空間での調査・実験が普及し、対話型生成AIを搭載したロボットに質問されるようになる可能性もあるでしょう。
ただし、昨今は“ビッグデータ”が存在する以上、あえて大規模な社会調査や実験を行うことの意味を問い直そうとする風潮も出てきています。とはいえ、最先端の技術をもってしても明らかにできない“何か”があると判明し、従来の調査手法が再評価される可能性もあるでしょう。だからこそ私は、調査手法そのものを研究対象とする「調査法研究」も進めています。
文化という『メガネ』×イノベーション
心理社会学科
川村 晶彦 教授
私の研究テーマは異文化間のコミュニケーションです。「文化」は特定の国や地域だけのものではなく、人が2人いればそこにその2人だけの文化が生まれることもあります。この文化というものはメガネと似ていて、人は異なる文化に属する相手と接する時も、自分の文化の価値観というメガネを通して評価してしまいがちです。それなのに、普段自分のメガネは見えないし、見ようともしません。レンズが汚れていないか疑うこともありません。文化が異なれば、同じものが全く違う見え方をしているかもしれないのに、自分の見方だけを基準に相手を評価し、相手の視点での見方ができないのです。イノベーションで大切なのは、必要に応じてメガネの度を確認し、時には相手のメガネを借りて新しい見方を可能にすることです。思い込みは新たな気づきや可能性を排除してしまいますが、メガネを変えると、今までとは異なる見方、考え方を得られるかもしれません。それまで知らなかった人やモノとの新たな出会いによってメガネを変え、そこから生まれるイノベーションが多々あるのです。
確率×イノベーション
心理社会学科
中村 國則 教授
「確率」は人類を変えたイノベーションです。過去の情報の意味を数の大小で表す「確率」という数学的な道具は、間違いなく私たちの生活を便利にしました。出かける前に天気予報を見ない人、受験前に模試を受けない人はいないでしょうし、過去のデータを参考にしないアスリートは少数派でしょう。ChatGPTも基本的には過去の膨大なデータを分析し、次に出てくるべき最も確からしい言葉を予測する仕組みから成り立っています。これらは全て確率という道具なしには成立しません。「確率」によって目の前にある現実から未来に役立つ情報が得られるようになり、私たちの生活は大きく変わったのです。また、私の専門である心理学にとっても確率や統計は歴史的に大きな役割を果たしました。現代心理学は19世紀の終わりに成立しましたが、同時期に発展した統計学の手法を取り入れ、データ分析に基づいた方法論を用いて大きく発展しました。現在でも「確率モデル」は心理学研究の重要なツールです。確率は心理学という学問分野自体にもイノベーションを起こしたのです。
学生の声 ご紹介します!
杉本 翔太
政策イノベーション学科 3年
東京都立昭和高等学校出身
地元の再開発計画を知って“まちづくり”に興味を持ち、大学では関連する分野を幅広く学びたいと考えました。ゼミでは“イノベーション・マネジメント”を勉強しており、経営学の視点で企業の取り組みの意図を分析する面白さを実感。まちづくりにも多様なアプローチ方法があるとわかり、卒業後にどのように“地域イノベーション”を実現させるかを考えています。また、成城大学は学生同士も、学生と先生方も距離が近くて“仲良し”。日々の活発な交流から生まれる新たな気づきがイノベーションの起点になると感じますし、周囲と意見交換するからこそ、1人では到達できないレベルまで学びを深められています。
小林 杏里
政策イノベーション学科 3年
静岡県立富士見高等学校出身
将来は英語力を活かす仕事がしたいと考え、英語教育に力を入れているこの学部に入学。TOEIC®スコアが大幅にアップした一方で、興味深く学んでいるのがマーケティングです。ゼミでは、あるメーカーが既存技術を異分野に転用して成功した事例などに触れながら、大手企業の経営戦略を分析。販売促進策や顧客満足度の向上策を学生自身が考える時間もあり、主体的に楽しみながら実践的なマーケティングスキルを磨いています。また、今年の夏には、オーストラリアでの約1カ月間の海外インターンシップに参加予定。英語力向上に加え、就職活動や卒業後につながる新発見ができればと考えています。
荒井 光寛
心理社会学科 3年
東京都立立川国際中等教育学校出身
私は心の状態が身体に影響を及ぼした実体験から、大学では心理学を学ぼうと考え、入学後は心理学の知見を応用したマーケティングにも興味が拡大。ターゲットや課題に関する解像度を高めるための調査手法や、解決策を導き出すための思考法などを学び、「第3回学長賞懸賞コンペティション2023」では、成城大学が進める生涯学習支援事業のPR内容を考えて最優秀賞を受賞しました。現在は“学外での挑戦フェーズ”と位置づけ、ベンチャー企業での長期インターンシップに参加してビジネス感覚を磨いています。第一志望ではありませんでしたが、与えられた環境で全力を尽くし、今では成城を選んで本当によかったと思っています。
吉田 理紗
心理社会学科 3年
宮城県立気仙沼高等学校出身
私は心理学や社会学への漠然とした興味と、マーケティングへの漠然とした“憧れ”から入学。自分を含めた日頃の意思決定プロセスを心理学の観点で学ぶ授業は、純粋に楽しいのひと言です。「褒めるという行為は、その時点で上下関係を形成する」といった考え方をはじめ、物事を俯瞰して言語化できる点に心理学の面白さを感じています。また、消費者心理を把握した上で効果的な販売促進策などを立案していくマーケティングのプロセスも非常に興味深く学んでいます。卒業後の目標は食品業界に進み、“イノベーション”に貢献すること。ゆくゆくは水産業をはじめとする地元・宮城県の産業にも貢献できればと思っています。
曽村 知花
心理社会学科 2年
東洋英和女学院高等部出身
私の入学理由は、心理学が社会に与える影響や、心理学を用いた人事業務での実践例など、「政策・戦略・心理・社会」の4領域を多角的・横断的に学びたかったから。高校時代は情報工学分野への進学も考えていたため、データサイエンスと心理学を絡めて勉強できる環境も魅力的でした。実際、1年次からプログラミングなどを学ぶ「データサイエンス基礎」といった授業があるほか、統計の手法を駆使する専門科目もあり、データサイエンスの実用性を実感しています。3年次に楽しみにしているのは「組織心理学」の授業。インターンシップやゼミを通じて、企業における人の行動様式などを勉強したいです。