【北海道進学のススメ2024】Go North! 北海道の大学に行こう! 結論 北海道は“⽇本の縮図”。

【北海道進学のススメ2024】Go North! 北海道の大学に行こう! 結論 北海道は“⽇本の縮図”。

学びのネタの宝庫です。
ぜひ進学先としてご検討ください。

札幌・函館・旭川を中⼼に活発に経済活動が展開される⼀⽅、豊かな⾃然環境を誇る北海道。
多⾯的な魅⼒を持つ北海道は、有意義な⼤学⽣活を送るために適した環境といえるのです。

数々の有名企業を生んできた北海道

みなさん、新しい一万円札はもうご覧になったでしょうか。新紙幣に描かれているのは渋沢栄一。「近代日本経済の父」と称され、数百という会社設立に携わった人物として知られています。現在の高校生が20歳になったらお世話になるであろうサッポロビール株式会社もそのひとつ。歴史をさかのぼれば、渋沢栄一が1887年に「札幌麦酒会社」の設立に尽力したそうです。

一方、近年注目されている北海道ゆかりの企業としては、「お、ねだん以上」でおなじみの「ニトリ」が挙げられるほか、ハンバーグレストランの「びっくりドンキー」や、ドラッグストアの「ツルハ」も北海道発祥です。ほかにもちょっと調べるだけで、さまざまな有名企業が北海道にルーツを持つことがわかります。

中でもニトリは、『マイナビ・日経 2025年卒大学生就職企業人気ランキング』において、文系総合ランキングの1位に輝いたとのこと。しかも2年連続でトップだそうです。では、そんな人気企業を生んだ北海道にはどのような魅力があるのでしょうか。

学生の自由な発想力が北海道経済を成長させる!?

北海道といえば、国内屈指の観光地。外国人観光客の多さにも驚かされます。国土交通省北海道運輸局が2024年6月に発表した『北海道の観光基礎データ』によると、2023年における訪日外国人の旅行消費額は、全国の合計で5兆3065億円。コロナ禍後に訪日旅行が本格的に再開され、ここに円安が追い風となって過去最高額を記録したようです。ただし北海道の場合、外国人観光客が訪れるエリアは道央圏に集中しており、道内における地域活性化のためには、道央圏以外にも観光客を呼び込む方策が求められているようです。また、3月から6月までと 、9月から11月は外国人観光客が減少するとのこと。観光やマーケティング、経営学などに興味がある受験生なら、これを聞いただけでも「北海道の大学で専門的な勉強をして、地域格差の是正や、さらなる集客に貢献したい!」という意欲が高まるのではないでしょうか。いや、どうか高めていただきたい。

ところで、2024年から道内の新たな観光スポットになっているのが、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地となった「エスコンフィールドHOKKAIDO」です。アイドルなどが始球式を行い、キツネダンスを踊る野球場です。ただ、実は2023年11月に、グラウンド内の一部が規定の長さを満たしていないことが判明しました。当初は改修する方向で話が進んだものの、結局はそのまま公式戦で使用していくことに決定。「えっ!?それでいいの?」といった声も聞かれました。

とはいえ、よくよく考えてみると、日本のプロ野球でも、北海道から海を渡った大谷翔平選手が活躍するアメリカのメジャーリーグでも、球場のサイズは“まちまち”です。“ある球場ではホームランになるのに、別の球場ではホームランにならない”といったケースも珍しくありません。そういった違いを許容する一競技としての“文化”があるのかもしれませんが、ではなぜその文化が根づいたのか、背景に何があるのか、探求心をくすぐられませんか?

野球関連でもうひとつ気になったのは、札幌市の第3セクターが運営し、ファイターズのかつての本拠地であった「札幌ドーム」の現状です。プロ野球チームが去ったことで、経営状況が悪化したといわれています。では、どうすればこの逆境から復活を果たせるのか。先ほどの観光事業における集客と同様に、北海道の大学に通う学生が“身近”な施設の経営再建策について考察を深めることは、とても意義深いと考えています。

小さな半導体が大きな北海道を変えていく 

一方、北海道にとって明るい話題もあります。北海道銀行が2023年12月に発表した『2024年度 北海道経済の展望』では、道内における設備投資額が、前年から37.8%の伸び率になるという見通しが示されています。時代の最先端を行く半導体の国産化を目指すラピダス株式会社が、北海道千歳市での工場建設を本格化することが要因のようです。ラピダス社は、トヨタ自動車やNTTといった国内企業8社が出資して設立された企業であり、鈴木直道北海道知事のホームページには、「北海道にとって過去最大規模の投資となる企業誘致です」と記されています。理工系学部への進学を検討している受験生にとっても興味深い話ですよねぇ?

ここで思い出されるのは、台湾の半導体大手「TSMC社」の新工場建設によって特需に沸く熊本県菊陽町です。2025年4月から北海道で大学生活をスタートさせれば、熊本県同様に、地域社会が大きく変容していく様子の目撃者になることもできるでしょう。

なお、北海道でも既に似たような状況にあるのがニセコかもしれません。外国人観光客の増加によって「ニセコバブル」とも呼ばれる状況にあり、全国展開する牛丼チェーンでのアルバイトの時給が、東京よりも大幅に高額な店舗もあるようです。ただ、北海道といっても“広大”ですので、すべての牛丼屋さんが高時給というわけではありませんのでご留意ください。 

北海道に詳しくないならなおさら進学する価値がある

“広大”といえば、昨今は「高大連携」が重視されているかと思います。高校生にとって大学は未知なる世界。だからこそ高校生のうちに大学での学びのエッセンスを感じとり、何らかのアクションを起こすことが重視されているのだと思います。未知なる世界は新発見の宝庫であり、それが“今”を生きる活力となり、将来にもつながっていく。未知なる世界には“ワクワク感”を覚えますし、そこに足を踏み入れて得られる刺激が、成長を後押ししてくれるのです。多感な18歳前後の年頃であればなおさらです。そう考えれば考えるほど、多くの高校生にとって未知なる世界であろう北海道への進学を検討してほしいのです。

そもそもみなさんは北海道について、どれだけのことをご存じでしょうか?「観光名所」「自然が多い」「魚が美味しい」「ヒグマがいる」。確かにそうでしょう。でも、実は表面的にしか知らない方も多いと思います。それならば、やや強引ではありますが……、北海道進学一択です。4年間生活するからこそわかることがあり、現地で得た気づきを自らの養分として吸収して成長していけるはずです。それは、大学入学後の企業訪問やインターンシップにも似ています。就職活動を経て、自分が思い描く将来像に向かって歩みを進めるために、まずは未知なる世界に飛び込んでいくのですから。 

アレもコレも学べる北海道 タイパ的にもオススメです

北海道はネタの宝庫、気づきの宝庫です。軽々しく“ネタ”と書くと語弊もありますが、例えば北海道に梅雨がなく、台風が来なかったのも今は昔。では、何が原因で、何に備えるべきなのか。気候変動によって農業や水産業にどんな影響が出ているのか。さらに、備えという点では地震対策やクマ対策も重要ですし、その際に外国人観光客向けの対策は万全なのか。また、北方領土もありますので、ロシアとの関係、他国との関係を考えるきっかけも与えてくれます。アイヌ民族に思いをはせながら、ダイバーシティや異文化間コミュニケーションといった観点で物事を考える力も養われるでしょう。問題は山積しているかもしれませんが、だからこそ多様な脅威への対策を北海道というフィールドで考えることで、日本全国に還元できる有効な対策を導き出せる可能性が大いにあると思うのです。

要は、「札幌・函館・旭川と北海道全体の関係」は、「東京・大阪・名古屋・福岡と日本全体の関係」と数学でいう“相似”の関係にあり、“北海道は日本の縮図”だと思えるのです。“広大”ですが、縮図ですのでコンパクト。しかもオールインワンですので、学ぶには効率的です。“タイパ”を重視する若者にとっても適していると思いますが、いかがでしょうか?

私が北海道を選んだ理由 北海道職員インタビュー

石原健太郎(いしはら けんたろう)

出身地:愛知県知立市
出身高校:愛知県立刈谷高等学校
出身大学:北海道大学文学部卒業(2020年3月卒業)
2021年4月から北海道職員
現職:北海道総務部危機対策局
危機対策課主事

―本州から北海道の大学を選んだ理由を教えてください。

本州から北海道の大学に進学したことを話すと、自然や生物について学びたかったからなのか、と聞かれることが多いです。しかし、道外の方には共感を得られると思うのですが、北海道という土地やそこでの生活に、漠然とした憧れを持っている人は多いと思います。私もその一人であり、「大学進学を機に地元から離れた土地で暮らしたい」という考えから、「折角だし北海道へ行ってみたら面白いかも」という、比較的軽い動機で北海道の大学へ進学しました。

―大学生活はどのように過ごしていましたか。

在学中は札幌に住んでいましたが、都市の規模も大きく、気候も冷涼でたいへん住みやすいところでした。雪にはある程度覚悟していましたが、慣れてしまえば特に苦労はしませんでした。

また、北海道で生活するからには自然に親しみたいと考え、アウトドアサークルに所属しました。こちらに来てから始めた登山のほか、キャンプ、ウインタースポーツ、観光などで、道内を隅から隅まで巡りました。景色や食事はどこを取っても素晴らしく、雄大な北海道を満喫することができました。

サークルのメンバーと滝を見に

―道内での就職を決めた理由をお聞かせください。

北海道に来たばかりの頃は、東京もしくは地元での就職を考えていました。しかし、思い出深い学生生活を経て、このまま住み続けたいと考えるようになり、北海道での就職を選びました。

現在の職場である北海道庁では、この魅力溢れる北海道のために働くことができ、またプライベートでは依然アウトドアも楽しみながら、とても充実した日々を送っています。

―北海道での生活について、また学生と社会人での視点の違いをお聞かせください。

春のスノーシューハイク(雪が多いので色々できます)

最初の勤務地は釧路でした。釧路には学生時代に観光で何度か訪れたことがあり、その際には良い印象しか持っていない土地でした。しかし実際に社会人として住んでみると、その素晴らしさをより深く知ることができる一方で、抱えている地域特有の様々な課題も見えるようになりました。

場所がどこであれ、その土地に暮らすということになると、訪れた際に感じた魅力や利点に触れるだけではなく、課題にも向き合うことになります。私は行政職員として、そして一人の社会人として、地域に貢献できるような仕事をしていきたいと思っています。

―道外の受験生にメッセージをお願いします。

北海道は広大な自然と多様な文化があり、学ぶにも住むにも素晴らしいところです。大学には、明確にやりたいことがあって進学してきた人もいれば、私のようにふんわりとした動機の人もいましたが、皆口をそろえて「北海道に来てよかった」と言っていました。理由はどんなことでも構いません。少しでも興味を持ったのなら、是非、大学生活を北海道で過ごしてみませんか。皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。

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