特別学修達成プログラムを始動 Plus ONEの専門性を身につけ社会にADAPTできる人材にー成城大学 経済学部

特別学修達成プログラムを始動 Plus ONEの専門性を身につけ社会にADAPTできる人材にー成城大学 経済学部

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成城大学は、2015年度に全学共通教育科目としてデータサイエンス科目群を設けた後、2019年4月にはデータサイエンス教育研究センターを開設。プログラミングや機械学習の手法をさまざまな課題解決に役立てるための、実践的な学修機会の提供に力を注いできた。さらに経済学部では、2024年度に「特別学修達成プログラム(DAP)」がスタート。経済・経営分野における専門性に加え、データサイエンスをはじめとする新たな専門性を養うことが目的だ。この「DAP」について増川純一学部長に伺った。

取材・文 鈴木秀一郎
構成 副島光基

特別学修達成プログラムがもう一つの学びの軸に

経済学部長
成城大学データサイエンス教育研究センター 初代センター長
増川純一教授

―特別学修達成プログラムの開設意図からお聞かせください。

2024年度にスタートした特別学修達成プログラム(DAP)は、経済学部の新たな魅力を創造し、これからも進路として選択してもらえる学部には何が必要か、みんなで知恵を絞った結果として生まれた制度です。若手を中心とした教員でワーキング・グループを立ち上げ、1年以上かけて議論しました。新学科の設立や、コース制など様々なアイデアが議論された中で、本学の持つ教育リソースを最大限に活かせて、社会的な要請にも機動的に対応できる仕組みづくりという考えに至りました。

その時同時に重視したのは、学生の学修意識の向上です。本学では例年、新入生向けにアンケート調査を行っており、「将来に向けた見通しは立っているか」「将来に向けて何をすべきかわかっているか」などの質問項目があります。経済学部での2022年度の結果を見ると、「見通しが立っていて何をすべきかわかっている」が約3割、「見通しは立っているが何をすべきかわからない」が約3割、「見通しが立っておらず何をすべきかもわからない」が約4割でした。この「何をすべきかわからない」という約7割の学生に対するアプローチが不可欠であり、学修の指針を与えることが重要だと考えました。これがDAP開設を進める際の根幹にある考え方です。

一方で、学生が実際に何に取り組むべきかは、“学生の数だけある”とも言えます。また、小中高と大学の大きな違いは、自分で履修する科目を選択できる自由度です。必修科目もありますが、本学なら全学共通科目も充実しているため、豊富な選択肢の中から興味関心に沿って学ぶべき内容を検討し、履修科目をセレクトできます。

ただし、その際に大切なのは、“何を基準に、何を指針にして選ぶか”ということです。教員からすれば「課題の少なさ」や「単位の取りやすさ」など、学習内容以外の理由では選んでほしくないのが本音です。とはいえ、入学したばかりの1年生が明確な意図を持って履修科目を決めることは、決して簡単ではないことも確かです。もちろんシラバスを確認することで、各科目で身につく力は把握できるでしょう。しかし、専門分野の力をさらに伸ばす科目や、その周辺領域を系統的に学ぶための科目選びは容易ではないのです。

―その課題をDAPが解決してくれるのですか。

DAPが提示する科目群は、経済学部が学生に提案する〝履修モデル”と考えていただければよいと思います。

本学は、全国に先駆けて2015年度に全学共通教育科目としてデータサイエンス科目群を設置し、データ駆動型の発想のできる人材の育成に力を注いできました。

DAPの第1弾としてスタートする「データサイエンスプログラム」は学生にデータサイエンスの重要性を認識してもらい、かつ具体的に履修すべき科目を提示しているのです。

「何をすべきかわからない」という学生が多いからこそ、入学直後に一歩踏み込んだ意識づけ、動機づけを行い、4年間のいいスタートを切る後押しをすることを重視しているのです。

同様に「データサイエンスプログラム」に続く第2・第3のプログラムも準備を進めています。「地域創生・事業創造プログラム」は、いわゆる地域活性化に向けた起業や官民連携共創などをキーワードとするプログラムであり、学外でのフィールドワークなども取り入れた新たな科目の配置も検討しています。また、「ヒューマニティーズプログラム」は、本学の基礎教育や教養科目群を生かしながら、社会科学と人文科学を融合させるようなプログラムを想定しています。

いずれも、経済学部の学生としての軸となる経済学や経営学に関する専門性を高めると同時に、もう一つの軸をつくって学びを深めてもらうことを重視しています。将来的には、経済学部内でDAPの拡充を進める一方で、複数学部を横断するプログラムへと発展させたいと考えています。

“マイペース”で構わない各自のタイミングで学べばいい

―第1弾のデータサイエンスプログラムには、具体的にどのような科目がありますか。

例えば「データサイエンス・アドバンスド・プログラム」という科目は、グループワーク形式で知恵を出し合う課題解決型の授業スタイルです。社会的な課題や企業の経営課題を解決するために、効果的にデータサイエンスや機械学習の手法を応用する力を養います。全学共通教育科目のため、学部の壁を越えて学生が集結し、多様な視点や考え方に触れられるメリットもあります。また、本学が学術交流協定を結んでいる「公立はこだて未来大学」の大学院生がTA(Teaching Assistant)としてオンラインで参加し、適宜アドバイスをしてくれる“贅沢”な科目でもあります。

ほかにも「データサイエンス特殊講義Ⅰ〜Ⅳ」では、一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会のご協力を得て、人事関連のデータ分析などにも挑戦できます。また「データサイエンス・ワークフロー・プログラム」は、日々ビジネスの最前線でデータ分析を駆使している実務家教員が担当する臨場感溢れる授業です。実社会でいかにデータサイエンスが必要とされているかを実感できる科目です。

一方で、DAPには組み込んでいませんが、主に1年次を対象とする「データサイエンス概論」と「データサイエンス基礎」という2科目を全学共通教育科目に配置しています。データサイエンスの基礎力を養う入門科目のため、学部を問わず全学的に履修を推奨しています。この2科目は文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」の認定を受けている科目です。また、DAP内の必修科目である「データアナリティクス基礎」と「機械学習基礎」は、同じく文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)」の認定科目です。

DAPが指定する科目で単位を取得すれば、経済学部からディプロマ(認定証)が発行されるほか、知識やスキルを証明する国際標準規格として普及が進む「オープンバッジ」も取得できます。さらには、履修したプログラム名が成績証明書に記載されて“見える化”されるため、達成感にもつながるでしょう。また、実践的な学びが多いからこそ“何をやってきたか”を語りやすく、就職活動で“ガクチカ”として十分にアピールできることもDAPの魅力です。

―DAPによって学生の負担が高まる懸念はありませんか。

DAPは、既に学部内で履修可能な科目をセレクトした上で、体系的な知識獲得とスキルアップが期待できる科目群として構成したものです。オープンバッジを発行するために登録制を採用しますが、登録しなくても興味があれば無理なく個別に履修してもいいわけです。

また、受験生からすると「最先端のデータサイエンスを学びたい。社会を動かす軸となる経済学・経営学も学びたい。ただ、どちらかだけでは不十分な気がする」など、大学選びの段階で迷ってしまうこともあるでしょう。その点DAPなら、経済学科もしくは経営学科に所属しながら、任意のタイミングでデータサイエンス関連科目を履修できます。DAPへの登録は任意ですし、2年次以降に“追っかけ”で登録することも可能ですので、自分で調整し、自分のペースで学べるわけです。各年次で分散させてもいいですし、3・4年次にまとめて履修しても構いません。“お試し”で履修してから“本気モード”になるのもいいでしょう。そこは学生の主体性に委ね、“学びたいときに学べる環境”を整えておくことが大学側の責務だと考えています。

AIは“外部装置”と捉え“自己”研鑽に励んでほしい

―では最後に受験生へのメッセージをお願いします。

ここ十数年の間に情報分野での革新的な発明が相次ぎ、世の中が絶え間なく、急速に変化しています。AIを筆頭とする最先端テクノロジーが、あらゆる分野の津々浦々まで浸透しつつあると考えていいでしょう。もはや文系理系で切り分けて物事を考える時代ではありませんし、学生が就職していく先でも、あらゆる部署で“デジタルに強い人材”であること、“データ駆動型”の思考力を持つ人材であることが必須条件になる時代です。変化の激しいデジタル社会に適応していくためには、経済学や経営学の専門性に加えてもう一つのスキルを持つことが不可欠だからこそ、DAPのプログラムがそのスキル獲得の機会を提供するのです。

ただ、AIは「ハルシネーション(幻覚)」という現象を起こすことがあり、もっともらしい“ウソ”をつくこともありますので、生身の私たち自身がチェックしなければいけないケースもあります。その際には、ウソや誤りを見抜くための基本的な知識が必要です。 “外部装置”としてAIが存在することと、“自分の中”に知識体系を持っていることは大きく違いますので、どんなに技術が進歩しても、基本的な学習の大切さは変わらないことは理解しておくべきでしょう。その上で、主たる専門分野である経済・経営の学びと、DAPによって培われるもう一つの専門分野の学びの2つの軸で、有意義な4年間を過ごしてくれることを願っています。

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