東洋大学が併願可能な推薦入試を導入 「学力重視」の入試を拡充

東洋大学が併願可能な推薦入試を導入 「学力重視」の入試を拡充

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入試改革のフロントランナー 東洋大学 理事・入試部長 加藤建二氏に聞く

関東の大規模私立大で初

多教科型入試や文系への数学必須入試の導入など、「学力重視」の入試の拡大を続けてきた東洋大学。2025年度からは新たに、一般選抜と併願可能な「学校推薦入試基礎学力テスト型」を関東の大規模私立大で初めて導入する。東洋大学理事の加藤建二入試部長に、近年の大学入試環境の動きと、それらを踏まえた東洋大学の今後の入試方針を聞いた。

取材・文 井沢 秀(大学通信)

―近年の大学入試全体の動向をどう見ていますか。

2024年度入試では、総合型選抜や学校推薦型選抜など「年内入試」へのシフトがますます加速しました。大学によって年内入試を実施する目的は異なります。特定の能力に秀でた学生の選抜を目的とする大学だけでなく、早期の定員確保のために行う大学もあり、後者の割合が増えている印象です。

多様な学生を獲得できるメリットはあるものの、年内入試には様々な問題が内在していると感じます。早く入学者を確保したい大学、確実に大学進学実績を伸ばしたい高校、家庭の都合や経済的な問題で年内に進学先を決めてほしい保護者。これら三者の都合が一致したのが現在の入試の形で、受験生が振り回されている構図です。

最も気になるのは、高校生が本当に勉強しなくなっている点です。生徒の将来を真剣に考えて「可能性をなるべく広げてあげたい」という思いで指導にあたる高校現場の先生方は、本音では今の流れを歓迎していないのでは。高校生に勉強してもらうためにも、大学全体で一定の学力試験を課していく必要があると考えています。

―今年の一般選抜の結果についてはいかがですか。

24年度は多くの大学で志願者が増えました。一方で、実志願者はほとんどの大学で減少しています。複数方式・日程化や併願割引の導入などテクニカルな要素で志願者が増えているので、一過性の動きでしょう。大学の定員管理基準が緩和された影響で23、24年度入試の合格者が大幅に増え、受験生のチャレンジ志向が高まっていたことや、旧課程入試の最終年だったことも志願者増の要因と思われます。

今年は合格者も増えたので競争率や難易度はそこまで変化しませんでしたが、来年の25年度入試は注意が必要です。この数年で多くの合格者を出した結果、各大学の学生数が増えている中で、大規模大学の収容定員超過率の基準が1.1倍まで厳格化されます。志望大学の定員充足状況を確認しておくことをお勧めします。来年度は、各大学が一般選抜の前期試験の合格者を抑え気味にして、繰り上げ合格を増やすのは間違いありません。

―次に、東洋大学の入試の動向や方針についても教えてください。

本学は長年の方針として、学力重視の一般選抜を続けてきました。GPAやゼミでの様子など入学後のパフォーマンスを比較すると、一般選抜の3教科以上、特に5・4教科型で入学した学生が最も良い結果をはっきりと残しているからです。

年内入試にも優秀な学生は多く、志願者も増えており、多様な学生を獲得するという点で機能しています。一方で、本学では年内入試の入学者は入学後の成績のばらつきが大きく、ミスマッチもあります。指定校推薦では大学名だけで選ぶ生徒さんが一定数いますし、総合型選抜は大人の手を借りて面接やプレゼンの対策ができてしまう面もあるので大学側が短時間で選抜するには判断が難しい。

一般選抜の一発勝負には問題点もあると思いますが、少なくとも本学の場合は入学後のパフォーマンスが高いという結果が出ているので、総合的に考えて学力重視の試験をメインにしています。

「王道」の改革が高評価 授業やゼミの様子も変化

―24年度の一般選抜志願者数は10万人を超えました。高く評価されている理由は。

本学は各種調査で「改革力のある大学」として挙げられるなど、さまざまな改革を次々に行う「変わり続けている大学」だと評価されています。東洋大学は「変わり続けることが伝統を守ることだ」と考える大学です。変わってはいけないものも当然ありますが、社会のニーズは常に変化するので、変わり続けることが必要な部分もまたあるのです。

入試改革が「王道」といえる内容であることも理由の一つでしょう。5・4教科型入試や文系学部の数学必須入試を拡大するなど、受験生に迎合することなく、本学が目指す教育を実現するために必要なものを課す入試を実施してきました。5・4教科型入試の志願者は、12年度のスタート時の762人から、現在は1万1000人を超えるまでに増加。専門教育で数学が重要な経済学部経済学科では、数学必須入試の入学者が11年度の3.9%から、24年度は75.8%まで拡大しました。

こうした姿勢は高校の先生方にも共感いただいています。「東洋を受けるなら文系でも数学をやらないと」「3教科より受かりやすい多教科型入試に向けて勉強した方がいい」といった形で、高校生が勉強するための目標としても活用していただいているようです。

多教科型入試や数学必須入試、英語外部試験の利用者の割合が大きくなったことで、入学する学生の様子や、授業やゼミの雰囲気は大きく変化しています。一般選抜のレベルが上がることで、年内入試のレベルも相乗効果で上がっていくことを期待しています。

―25年度入試の方針や主な変更点についても教えてください。

来年度も学力重視の試験を継続、拡大します。一般選抜では、後期日程を3教科型での実施に変更し、2教科型を廃止。年内に進学先を決定する受験生が増えて中期や後期の志願者が減少していることから、中期日程も廃止します。

年内入試の学力担保に向けた動きも加速します。来年度から新たに「学校推薦入試基礎学力テスト型」を全学部全学科へ導入。他大学や本学の一般選抜との併願が可能な推薦入試を、関東の大規模私立大で初めて実施します。

試験日は12月1日で、合格発表は12月10日。12月20日と3月4日の2回、繰り上げ合格も発表します。募集人員は計578人で、試験科目は英語・国語、または英語・数学の2教科型。 一般選抜と同様に英語外部試験スコアの利用も可能で、一般選抜の対策をしていれば対応可能な試験内容、難易度となる予定です。6月下旬に公開したサンプル問題もぜひご確認ください。

さらに、英語等の資格取得を活かせる専願の総合型、学校推薦型選抜についても、募集人員を156人→699人に大きく拡大します。

一方で、従来型の基礎学力テストを課さない年内入試は募集人員を1495人→1174人に縮小。その分の人員を、「基礎学力テスト型」の推薦入試へ割り振った形です。本音では一般選抜と同様に3教科型で行いたいところですが、試験日が12月上旬のため高校の学習進度への配慮も必要なことから、2教科型で実施することにしました。

―最後に、各高校に向けたメッセージをお願いします。

本学は今後も学力重視の試験を継続していきます。新しい「基礎学力テスト型」の推薦入試も、積み上げた学力を年内入試からそのまま発揮できる内容にしています。高校の先生方には生徒さんの学習を阻むさまざまな要因に負けることなく、本学の入試制度を高校生に勉強してもらうためにうまく使っていただけると嬉しく思います。

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