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岐阜協立大学は、日本列島のほぼ真ん中、岐阜県大垣市に位置する。岐阜経済大学としての開学以来、社会科学系の大学として50年近くの歴史と伝統がある。
まだ情報メディアが今ほど一般的に普及していなかった2008年に、経営学部にいち早く設置された情報メディア学科が、24年には経営情報学科として生まれ変わる予定だ。では、学び方はどのように変わっていくのだろうか。経営学部准教授の佐々木喜一郎先生と、同学部専任講師の市川大祐先生にお話を聞いてみよう。
取材・文 雫 純平(大学通信)
構成 石塚祐次(大学通信)
必ず得意が見つかる3分野融合の学び
佐々木喜一郎
(ささき きいちろう)
岐阜協立大学 経営学部 准
市川大祐
(いちかわ だいすけ)
岐阜協立大学 経営学部 専任講師
―24年から経営学部の教育が変わると聞きました。このことについて教えてください。
佐々木 現行の経営学部は情報メディア学科とスポーツ経営学科の2学科体制で、性質の異なる2つの視点から経営を学べることが特徴です。00年代に、今後はますます情報メディアを活用する時代になるという予測から情報メディア学科を立ち上げたわけですが、その予測通り情報メディアは急速に普及し、動画の編集やグラフィックデザインなどを誰もが取り扱う時代になりました。そんな中、より今の時代に即した人材育成のため、24年より情報メディア学科を経営情報学科としてリニューアル致します。
市川 従来の情報メディア学科では情報、経営、会計の3領域について、得意なものを伸ばすという発想での教育を行っていました。新しい経営情報学科では、学生それぞれが柱となる専門領域を持ちながらも、そこに偏ることなく3領域全てをしっかりと学んでいきます。今の世の中は創造社会であり、新しい製品やサービスを生み出していくことが求められる時代ですよね。ところが、日本では新しいものを生み出す際にリーダーシップをとれるような人材が圧倒的に不足しています。そういった危機感を背景に、情報、経営、会計の3領域の知識を融合して活用し、イノベーションを起こせるような人材を育成したいというのが今回の学科改組の趣旨です。
―3領域を学ぶとなると、1つの領域だけを学ぶよりも難しいことのように感じます。
佐々木 当然、すべてが得意という学生は多くありません。まずは得意なことを1つ見つけてほしいです。本学科では多様な教員を用意していますので、例えば3領域のうち経営学1つをとっても、数学的な分析、歴史的な事例の研究など、様々なアプローチから学べるようになっています。言い換えると、学んでいくうちに誰でも1つは得意分野が見つかるカリキュラムとなっています。1領域だけを学ぶ場合よりもむしろ取り組みやすいのではないでしょうか。
市川 入学段階での知識の有無も問いません。1年次から3分野とも必修になりますが、本学のカリキュラムの特徴は「イチからではなくゼロから学ぶ」というものです。例えば、プログラミングや組織のマネジメントなどについて、基礎知識・技能の前に、まずは考え方や、学び方から教えていきます。そうしてまずは自分の得意を見つけ、さらに残りの2領域についても十分に知識があるという状態をめざしますので、将来の活躍の幅は大きく広がっていきます。
段階的に学ぶカリキュラムで学びながら地域の困りごとを解決
―お二人が専門としている教育・研究について教えてください。
佐々木 私は社会システム情報学を専門としており、産官学連携で地域の困りごとを解決するような取り組みを行っています。具体例としては、コロナ禍において地域のマラソン大会で非接触型の受付や運営を考えたことや、やはりコロナ禍で吹奏楽団の活動が自粛されていた時期に、楽器にセンサーを取り付けることでメタバース空間での合奏を可能にしたことなどがあります。
市川 私は長く一般企業でエンジニアとして働きながら、新人の育成にも携わってきました。その時の経験を活かし、今は教育カリキュラムの開発を行っています。一般企業での人材育成は、教えることそのものよりも育てた結果に主眼が置かれます。その発想は大学教育にも応用ができ、先ほどゼロからと申し上げたように段階的に経験を積めるようなカリキュラムを作っています。エンジニア、企業での人材育成、そして大学の講師という経歴を持つ人は多くないでしょうから、私ならではの経験を学生たちの役に立てたいという思いがあります。
―ほかに、貴学ならではの学びといえるような特徴はありますか。
佐々木 ここ大垣市には90年代に岐阜県が整備した先端情報産業団地である、ソフトピアジャパンという場所があります。IT関連企業のオフィスが数多く集まっている中に本学の共同研究室も置かれており、課外活動として気軽に足を運べるようになっています。学びを学内で完結させるのではなく、開かれた場所で実際の企業と交流し、研究成果を活用してもらいフィードバックを受けられるというわけです。30年近く続くこの取り組みは、本学ならではの学びと言えます。
市川 ソフトピア共同研究室で起業した本学の卒業生が、今は本学の学生をインターンシップなどで受け入れ指導してくださるという事例もあります。大学で学んだことをすぐに社会で試せるという環境は強みになっており、アプリケーションの開発やプログラミングなどのコンテストなどで活躍する学生が増えてきています。地方の文系学生でありながら、都市部の国公立大の理系学生も出場している中で賞を勝ち取るようなことも珍しくありません。
―最後に、高等学校の進路指導教諭へのメッセージをお願いします。
佐々木 自分にしかできない何かをやってみたい。でも、何をしたらいいか分からない。そんな生徒さんはいらっしゃらないでしょうか。もしいるのであれば、ぜひ本学に送り出していただきたい。学生たちが自分の殻を破り羽ばたいていく後押しをするのが我々の役目と考えています。
市川 本学で特に伸びる学生を見ていると、「何かを作るのが好き」という共通点があります。それはモノに限らず、仕組みや企画なども含めてです。新しいモノやコトを作る楽しさを感じられる学生であれば、本学の教育に合うのではないでしょうか。