“LAW&LAW”で次世代の法曹を養成するー中央大学法学部

“LAW&LAW”で次世代の法曹を養成するー中央大学法学部

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法学部法律学科3年間+法科大学院2年間の一貫教育プログラム

中央大学では、法学部法律学科を3年間で早期卒業し、法科大学院で2年間学ぶ一貫教育プログラムが2019年度入学生からスタート。2023年には、この“看板学部”である法学部が多摩キャンパスから茗荷谷キャンパスに移転し、法科大学院が市ヶ谷キャンパスから駿河台キャンパスに移転したことで連携を強化。これまでに幾多の法律家を輩出してきた「法科の中央」として、司法試験での合格者増が期待されています。“3+2”と呼ばれる一貫教育プログラムの制度設計から携わってきた秦公正教授と、その1期生である三輪千紘さん、そして、来春の早期卒業と法科大学院進学を目指す皆川一愛さんにお話を伺いました。

取材・文 井沢 秀(大学通信)
構成 副島光基(大学通信)

教員や卒業生が一体となり学生を徹底サポート

秦 公正教授
専門は民事訴訟法
中央大学法学部准教授などを経て2014年より現職。
現在は「民事訴訟法」や「民事裁判法入門」、そして「専門演習」をはじめとする演習科目等を幅広く担当。
※2023年10月現在

法科大学院
法学既修者コース3年
三輪千紘さん
中央大学法学部法律学科
2022年3月早期卒業
東京都立新宿高等学校出身

法学部法律学科3年
2024年3月早期卒業見込み
皆川一愛さん
中央大学附属高等学校出身

―三輪さんと皆川さんが法曹を目指したきっかけから教えてください。

三輪 中央大学には、主に司法試験や公認会計士試験といった難関試験に挑戦する学生が集う「炎の塔(※)」という伝統的な研究棟があり、そこで活動する「真法会」という研究室に所属したことがきっかけです。法律を使って何か仕事をしたいというぼんやりとした将来像しかなかったのですが、研究室の先輩方は法曹志望者が多かったことから、私も法曹になりたいと考えるようになりました。また、学部を3年間で早期卒業し、法科大学院に進学する一貫教育プログラムが、入学した2019年度にスタートしたこともあり、1期生として早期卒業への意欲も高まっていきました。

※現:学生研究フロア

皆川 私は小学校の行事で最高裁判所を見学したことで興味を持ち、高校生になると刑事裁判の傍聴も経験して、法曹を目指すようになりました。入学後は、私も3年間で学部を卒業して法科大学院に進もうと、「炎の塔」で活動する「瑞法会」という研究室に所属しています。

―早期卒業となると、濃密な3年間になりそうですね。

 制度設計の段階から重視してきたのは、学びの質をいかに保証するかという点です。学部卒業後は、中央大学の法科大学院のほか、東京大学や慶應義塾大学など、他大学の法科大学院に進学する卒業生もいるのですが、2023年からは法科大学院在学中に司法試験を受験できるように制度が変更されましたし、学部での3年間で十分な実力を備えた学生を育成することが教員の果たすべき責任だと強く感じています。一貫教育プログラムでは、学部2年次の最後に学部の試験とは別に実施する進級試験があり、3年次にも修了試験に合格しなければ早期卒業は認めていませんので大変ではありますが、教員のほか、法曹として活躍する卒業生も一体となって学生をサポートする環境が整っています。

三輪 真法会の先輩方からは、常日頃から勉強方法などのアドバイスをいただいてきましたし、法曹として活躍されている卒業生との縦のつながりも強く、聞きたいときにいつでも聞ける安心感がありますね。

法学部茗荷谷キャンパス
法科大学院駿河台キャンパスにある模擬法廷

学部1年次の導入教育で将来をイメージ

―具体的な勉強のステップを教えてください。

 法曹になって仕事をしていく将来を想定して、まずは実際に法曹実務に携わっている方による導入教育を重視しています。1年次前期の「法曹論」では、弁護士や裁判官、検察官の方にお力添えをいただいて模擬裁判を行うなど、「法曹とはこういうものだ」というイメージをつかんでもらいます。また、後期には少人数のゼミナール形式で行う「法曹演習」という科目があり、模擬裁判のような形式を採用するクラスや、判例を研究するクラス、さらには、具体的な事案について検討するクラスもあります。以前の法学部は大教室で大人数向けに行われる講義形式の授業が多かったのですが、1年次から10人程度という少人数クラスでじっくりと法律の理解を深めていくことに力を入れています。

三輪 「法曹論」では元裁判官の先生や弁護士実務をされている先生などから臨場感のあるお話を伺い、将来、法曹三者の何を目指すべきかを考えるためにも役立ちました。また、企業内弁護士の方がゲストスピーカーとして登壇されることもあり、弁護士業務の多様さも知ることができました。現在の法科大学院では、2週間にわたって弁護士事務所を訪問する授業があり、法律相談の場への同席や、裁判の傍聴、訴状の作成などを行ったのですが、その時に思い出されたのは、大学1年次に模擬的な民事裁判を行った「法曹演習」です。学部の初期段階で実務の進め方を学び、段階的に知識を補強しながら理解を深めていける点に、一貫教育プログラムのメリットを感じています。

皆川 私は入学以来、法律科目を中心に履修し、現在は法科大学院の受験対策を進めていますが、「法学入門」をはじめ、入門系の科目が充実していたおかげで、法律学の概念や全体像を把握した上で、深く細かい学びに進んでいけました。基本書で条文などを読み込んで、学説と判例の違いなども整理しながら、腑に落ちる解釈を知識として定着させていくような流れです。

大切なのは“持続可能”なペース配分

―三輪さんと皆川さんは、どのような心構えで勉強に臨んでいるのでしょうか。

三輪 私は、あまり頑張り過ぎないようにという意識を常に持っています。無理をし過ぎると何か順調に事が進まなくなったときの反動が大きくなる実感があり、周囲の学生を見ていても、大学1年次から全力で突っ走り続けた結果、息切れしてしまうようなケースも見られました。ですから少なくとも私は、どこか心に余裕を持って、無理なく走り続けられる学習ペースを心がけています。予備試験を経て学部のうちに合格を目指す学生はずっと勉強しているイメージもありますが、意外とオンオフを切り分けていますし、私もダンスサークルにも所属して、学園祭ではジャズダンスのステージに立つなど、キャンパスライフも楽しんできました。とはいえ、勉強の空白時間が長くなるとモチベーションが下がりかねませんので、適度に息抜きをしながらも地道に継続することが肝心ですね。

皆川 私も入学当初から勉強ばかりしてきたわけではなく、友達と遊んだりアルバイトをしたりする時間も大切にしてきました。その後、勉強に本腰を入れたのは2年次からです。炎の塔にいると周囲の学生の熱量が伝わってきますし、2年次になって1年間の勉強量の差が出てきていると痛感したんです。かといって、一人で何時間も勉強し続けることは大変なのですが、私は仲間に恵まれました。仲間と問題の解き方や解釈の仕方を話し合う“自主ゼミ”の時間を毎週設け、これを最低限クリアすべきアクションとしたことで、日々のモチベーションを保つことができました。もちろん学部の授業や、法曹志望者向けに特化した課外プログラムである「法職講座」も重要なのですが、クリアすべき最低ラインを決めておくことで、気持ちが楽になるようにも思います。

研究期間に訪れたニュルンベルク裁判所
ナチスの戦犯が裁判を受けた法廷は現在も使用されている。

社会問題に対する広い視野と柔軟な対応力を養ってほしい

―法曹志望者に必要な意識についてお聞かせください。

 法曹志望者以外にも当てはまることですが、社会問題に広く関心を持ってもらいたいと思います。ほぼ毎日何かしら法律に関わる問題が取り上げられますので、まずは映像のニュースをチェックするだけでも構いません。法律学の勉強は簡単ではないですし、忍耐力も必要になるからこそ、最初は自分が関心を持った分野やテーマを切り口にしてアプローチしていくのがいいと思います。また、とりわけ法曹を目指す学生は、晴れて法曹となって働き始めると、民事裁判の依頼人にせよ、刑事事件の被告人にせよ、それまで自分があまり関わってこなかったような境遇の人と対話を重ねる場面が出てきます。そのためにも、社会の動向を広く知り、多様な相手に対応できる広い視野と柔軟性が大切ですね。

―広い視野という点で、理工学部や国際情報学部との連携についてもお聞かせください。

 法学部が茗荷谷キャンパスに移転したことで、後楽園キャンパスの理工学部や、市ヶ谷田町キャンパスの国際情報学部に近くなりましたので、3学部共同開講科目を設置することが出来ました。これにより、例えばITの問題やSNSの問題について知識を深められるチャンスが広がりました。近年ではSNS上に書き込まれた誹謗中傷を削除するための仮処分という法的な手続きが増加しているのですが、SNSの構造や仕組みについては、法律学を勉強しているだけでは理解できません。また、AI技術を含め、ITの高度化の流れは、裁判の実務や弁護士業務にも大きく影響しますので、情報技術の発展を理工学や国際情報学の観点で捉えていくことは有益なことだと考えています。

司法試験合格は通過点

―三輪さんと皆川さんが思い描く将来像を聞かせてください。

三輪 現時点では弁護士のほか、裁判官にも興味があります。例えば、昨今は同性婚が話題になることが多く、さまざまな考え方がある中で、既に地裁レベルで判決も出ているのですが、多角的に情報を集め、自ら考え抜いた上で妥当な判断を下せる法曹でありたい、社会的な注目度の高い裁判でも、その重責を担える裁判官になりたいという思いがあります。

皆川 私も裁判官を志望しています。大学入学後も何回か裁判を傍聴したのですが、検察が提出した調書などを読み、スピーディかつ的確に対応する女性裁判官の頭の回転の速さに圧倒されるとともに、自分もそうなりたいと憧れを抱いています。

―同様に中央大学法学部を志望し、法曹を目指す受験生に、先生からメッセージをお願いします。

 法学部から法科大学院に進み、司法試験に合格することはゴールではありません。司法修習を経て法曹として数十年にわたって仕事をしていけば、日々新たに解決すべき問題が生まれていくもの。社会が変われば新たな問題が生まれ、その都度また勉強し直さなければいけませんので、司法試験に合格した後も、絶えず変化し続けていく社会を見据え、一生勉強が続くことを覚悟した上で法曹を目指してほしいと思います。そうすることで、弁護士であれば依頼人に対して有効なアドバイスを行い、裁判官であれば被告人に対して更生に資する言葉をかけることもできるでしょう。勉強をし続ける苦労の先には、自分自身の達成感もあれば、法曹である自分と関わる人々の喜びにつながる可能性がありますので、そこにやりがいや魅力を感じて法曹を目指してほしいですね。

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