【実践女子大学】オンラインで進む産学連携での「実践教育」

【実践女子大学】オンラインで進む産学連携での「実践教育」

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新型コロナウイルスの影響で対面での授業が困難となり、大学は遠隔授業への対応を急速に始めている。実践女子大学も新学期をオンラインでスタートした。社会と連携した「実践教育」を強みとする同大学は、遠隔授業でもアクティブ・ラーニングを行う。主体的に学び続けていくために、授業のスタイルを柔軟に変化させている様子をお伝えする。


実践女子大学は学園創立当初より、仕事と学問による女性の地位向上を目指してきた。

 その理念は現在の学びにも受け継がれている。企業や自治体との連携によるPBL(問題解決型学習)を重視したキャリア教育プログラムが豊富に用意され、「実践の実践」として知られているのはその証だ。実社会に即した実践的な授業は社会や企業を知る機会であると同時に、自分自身の興味や関心に気づくきっかけともなっている。

 新型コロナウイルスの影響で多くの授業がオンラインでの実施となっているが、対面に見劣りしない質の高い授業の実現に向けて、教職員はさまざまな工夫を凝らしている。実践女子大学の特長であるPBLを重視したキャリア教育も、対面型のコンテンツをほぼ全てトレースしながらオンライン上で行われている。

新聞の模擬一面づくりに遠隔での共同作業で挑戦

文学部国文学科深澤晶久教授が担当するキャリア教育科目「国際理解とキャリア形成」は、PBLを重視したオンライン授業を行っている講義の一つ。国際感覚あふれる人材となることを目指して、日本や世界の主要諸国の歴史や直近の動静について学ぶ内容となっている。2年生以上の共通科目として行われる本講義は、例年、企業から多数のゲストを招いてアクティブ・ラーニング型の授業を行ってきた。

 今年の授業はスポーツニッポン新聞社との産学連携で実施される。学生は課題研究として「スポニチ紙面の模擬一面づくり」に挑戦。東京オリンピックが開幕する2021年7月23日の新聞1面記事を、チームに分かれて作成することになった。

 課題研究の初回授業は、スポーツニッポン新聞社の講師を大学に招き、オンライン上で講義をライブ配信した。会社の概要についての説明の後、オリンピック・パラリンピックでの実地取材の経験が豊富なプロの記者が登壇。インターネット上のアンケートシステムを用いて「金メダル獲得数が最も多い都道府県」を尋ねるなど質問を交えながら、オリ・パラの歴史からIOC(国際オリンピック委員会)と開催都市との関係性まで幅広い基礎知識を解説し、記事作成にあたってのヒントとなるさまざまな視点を紹介した。

 グループワークを通して作成する新聞記事の内容は自由で、学生目線の独創的な記事が期待される。本文や前文、見出しの大まかな文字数など紙面の構成はあらかじめ示されており、そうした制約の中で文章をまとめ上げることが学生には求められる。

 事前講義を受けた後はチームでのグループワークに移行。「LINE」のグループ会話機能や、オンライン会議システム「Zoom」のブレイクアウトルーム機能を使ってオンライン上で学生同士が話し合いを行いながら、対面授業と同様にチームで課題に取り組むアクティブ・ラーニングを進めている。

 実際の仕事に近い形で能動的に記事作りに参加することは、学生にとって自らのキャリアを考えるきっかけとなることだろう。また、東京オリンピック・パラリンピックをテーマに学ぶことは、実社会の出来事への関心を高め、社会へ主体的に関わっていく姿勢にもつながっていく。

遠隔と対面を融合した未来型の実践教育を加速

実践女子大学では6月以降、遠隔授業での実施が困難だった実験や実習を伴う科目など、一部の授業で対面授業が再開された。一方で、従来通りの体制に戻るまでには時間が必要であり、多くの授業は遠隔での実施が続く。

 一般的にはオンライン授業のデメリットとして「教員との直接のコミュニケーションがない」「グループワークが難しい」といったことが挙げられるが、深澤教授が行うアクティブ・ラーニング型の授業のように工夫をこらせば、これらのデメリットは克服可能だ。

 オンライン授業には「時間と場所に縛られない」「質疑やアドバイスをいつでもできる」「ITリテラシーの向上」「自主的・自律的に学習する力がつく」など数多くのメリットもある。オンライン授業を進めることは、IT化が進む現代社会において、将来を先取りした挑戦とも考えられる。

 実践女子大学の城島栄一郎学長は、「学生からの受講後の感想や意見を取り入れながら、オンライン授業と対面授業を組み合わせることにより、より優れた未来型の教育システムを構築していきたい」と今後を見据える。深澤教授の授業においても、外部講師を招いて行う双方向のオンライン講義に引き続き取り組んでいくそうだ。

 実践女子大学は授業のスタイルやツールを時代に合わせて柔軟に変化させている。今後、テレワーク社会が進展し、オンラインツールなどを活用する「新たな学び」「新たな社会人基礎力」も必要となる。自らの可能性を発見し、将来を見据えて学びを深めていく「実践教育」は加速を続けている。

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