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問題解決能力を持つ人材を育成
鈴木恵二理事長・学長
1993年北海道大学大学院工学研究科精密工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。専門は人工知能、ディープラーニング、観光情報学、自律分散ロボット制御、複雑系工学など。北海道大学教授、公立はこだて未来大学教授などを経て、23年より現職。
国内有数のAI研究の拠点である公立はこだて未来大学は、システム情報科学部の中に幅広い研究領域を内包する、情報系の単科大学です。情報アーキテクチャ学科には情報システム、高度ICT、情報デザインの3コース。複雑系知能学科には複雑系、知能システムの2コースが用意され、既存の学問分野の枠を超えたユニークなカリキュラムを展開しています。
函館山を望む丘の上に立ち、夜には函館の「裏夜景」を見渡すキャンパスには、未来志向の研究と教育を創成する場として、総ガラス張りの巨大オープンスペースが用意されます。「オープンスペース、オープンマインド(❶)」の精神で、教員と学生の双方向の学びや、学生同士の学び合いを重視しながら、コンピューターを基盤とする問題解決能力を養うことで、豊かな社会の実現に取り組んでいます。
❶「オープンスペース、オープンマインド」
未来志向の研究と教育を創成するために、公立はこだて未来大学が重視してきた精神。キャンパスには5階分を吹き抜けとする大空間を配し、学びの共同体としての一体感を醸成。オープンな空間と、教員・学生が双方向に影響し合うオープンな学びが、同大のさまざまな活動を生み出す根源となっている。
幅広い研究領域を背景に情報の力で生活を豊かにする
2000年開学の公立はこだて未来大学は、システム情報科学部からなる情報系の単科大学。情報と聞いてイメージされる人工知能や情報システムといった分野にとどまらず、認知科学、情報デザイン、ロボティクスなど、幅広い研究領域を有しています。情報系は関連する領域が広く、「自分の専門領域だけでなく、さまざまな分野に手を付けていく意欲が求められる」と鈴木恵二学長は話します。
「本学には授業以外にも講演やハッカソンなど世の中の仕組みを知るさまざまな機会が用意され、毎日新しい発見が可能です。大学の4年間はあっという間に過ぎてしまうので、後回しにすることなく、欲張りさを発揮して貪欲にトライしてほしいですね」
同大の教育は、学部名にもある「システム」という概念の修得を一つの目標とします。情報やプログラミングだけで世界を動かすことはできません。システムを構築することで初めて、世の中で役に立つものや、さまざまな科学的探求が生み出されます。確かな知識やどう動いているかを見破る力、未来を想像する力、もっと良くする方法を探求する力などを身につけることでシステムを深く理解していくことが大切なのです。
コンピューターを使って、いかに人々の生活を豊かにするか。「コンピューテーショナル・シンキング(➋)」と呼ばれる、計算機の存在を前提とした問題解決の発想力が身につくのは、公立はこだて未来大学で学ぶことの大きな価値だと言えます。
❷コンピューテーショナル・シンキング
コンピューターを活用しながら課題の発見や分析、解決方法の考案などに取り組むための、総合的な思考能力や思考方法。文部科学省が提唱する「プログラミング的思考」も、こうした能力の一部。
1年かけて課題解決に挑戦 個性が混ざり合うPBL
公立はこだて未来大学の特徴的な授業の一つが、3年生全員が参加する「プロジェクト学習(PBL)」です。学生が5〜15人ほどの少人数グループに分かれ、2〜3人の担当教員とともに丸1年をかけて課題解決に取り組みます。
教員からは「未来を形作る部品をつくろう」といった大枠のテーマは示されるものの、実際にどのように取り組み、何をつくっていくかは学生たちに任されます。明確な解がある問題ではないので途中でつまづくことも多々ありますが、教員からのアドバイスや、学生同士の密なコミュニケーションで乗り越えていきます。プロジェクト学習は学科・コースに関係なく、興味のあるテーマに対して学生が集まる形で実施されます。さまざまな個性が混ざり合い、お互いの強みを発揮しながら課題解決に臨む中で、能力が伸びていく側面も大きいそうです。
学生の学びを後押しする「メタ学習ラボ」も注目の制度で、授業の疑問点や深く知りたいことを、先輩学生のチューターに教わることができます。学生のつまづきをいち早く解消する効果だけでなく、教える側の成長にもつながる仕組みです。
国内有数のAI研究拠点 地域社会との連携にも注力
公立はこだて未来大学は、AIに関する国内有数の研究拠点として知られています。中島秀之元学長、松原仁特命教授、平田圭二教授など世界トップクラスの研究者が開学時から集まり、日本のAI研究を牽引してきました。ビッグデータを扱う研究にも力を入れており、学生向けには「データサイエンスオープンプログラム(➌)」という独自の教育プログラムを開発。データサイエンスを体系的に学べる環境が整っています。
地域貢献にも力を入れており、水産業が盛んな函館に位置する大学として独自の研究領域「マリンIT」を展開。日本各地での水産業のIT化支援や、インドネシアにおける養殖支援など、実践的な研究を行っています。
他分野と協働して行われる研究は他にも数多くあります。美術館や博物館の文化財をデジタル化し、再利用を可能にする「ミュージアムIT」、SAVS(➍)と呼ばれる乗り合い交通システムを構築して人々の移動を支援する「モビリティIT」、遠隔医療や手術の経過予測へのAI活用、フレイル予防やリハビリ支援といった高齢者支援に取り組む「メディカルIT」などがその代表例です。
こうした研究には卒業研究や大学院の研究として学生も積極的に参加。前出のプロジェクト学習で、地域の課題解決に学生が取り組むこともあります。
❸データサイエンスオープンプログラム(DSOP)
知識を体系立てて修得し、実社会でデータサイエンティストとして活躍するための素養を身につけるための独自の履修プログラム。「データサイエンス入門」「確率・統計学」「データベース工学」「画像認識」「実験調査データ解析」「認知心理学演習」といった科目が開講されている。
❹SAVS(Smart Access Vehicle Service)
タクシー(デマンド交通)と路線バス(乗合交通)の長所を掛け合わせたAIによる配車サービス。複数人の乗車希望をAIがリアルタイムに調整することで、公共交通の空車率を減らし、限られた車両数で最大限の輸送効率を達成できる。
高い就職率に表れる、卒業生への社会からの期待
公立はこだて未来大学の23年3月卒業生の就職率は97.1%。情報系人材には社会から高いニーズがあります。手厚いキャリア支援も就職を後押し。3年生から週1回行われるキャリアガイダンスのほか、情報系の資格取得支援や、インターンシップの単位化も行われています。毎年12月には学内に企業を招いて1週間のキャリアセミナーを開催。さまざまな会社説明会に参加して視野を広げることが可能です。
情報系の分野では卒業後、多様な人々と関わりながら働くことが予想されます。コミュニケーション能力を重視した教育も、高い就職率の一因でしょう。たとえば英語の授業では、英語をコミュニケーションツールとして位置づけ、さまざまなことを調べ、発表し、意見を交換し合うことを重視。デザイン系の授業では、情報を相手にはっきり伝達するためのデザイン手法を学びます。
「大切なのは論理的思考に基づいて、人の話を聞き、伝えるべきことを順序立てて説明できるかという点。話下手だからコミュニケーション能力が低いわけではないということを高校生にも知ってほしいですね」(鈴木学長)
オープンに学べる風土が学生の成長意欲を後押し
公立はこだて未来大学は教室も教員の居室もガラス張りで、授業や研究の様子が自然と目に入る空間で過ごします。意欲的な学生は1年生の頃から自主的に研究室に入ったり、勉強の進め方を相談したりと、教員と学生が密な関係の中で学んでいます。広いスペースが必要な研究にも自由に取り組めるなど、ハード面でも学生の自発的な活動を後押し。さまざまな挑戦がしたい意欲的な人に最適な環境が整います。
鈴木学長は高校生に向けたメッセージとして、大きく広がる自分の可能性を信じ、能力を伸ばしていってほしいと期待をかけます。
「将棋の藤井聡太さんがAIを活用して強くなったように、今はAIの支援によって、これまでにない能力を獲得することが可能です。皆さんもAIの力を借りれば、アインシュタイン以上の天才になれる可能性もあるのです。天才が一人現れると、世の中は本当に良くなります。自分の能力を伸ばせることを信じて、優れた人となれるように頑張ってほしいと思います」