大学が変われば、学生も変わる 昭和女子大学が進める教育改革の現在地と未来予想図

大学が変われば、学生も変わる 昭和女子大学が進める教育改革の現在地と未来予想図

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坂東眞理子理事長・総長 インタビュー

昭和女子大学は、1988年に日本の大学初の海外キャンパス「昭和ボストン」を米国ボストンに設置して以来、2009年の国際学部、2013年のグローバルビジネス学部の開設など、グローバル教育を筆頭に、学生が挑戦し成長するためのダイナミックな改革を推進してきた。キャリア教育にも注力し、11年連続での実就職率女子大No.1*の実績も誇る。こうした改革の背景や女子教育への思いについて、坂東眞理子理事長・総長に話を聞いた。
*2020年度卒業生/卒業生1000人以上の大学(大学通信調べ)

日本を語れることが世界での活躍のカギになる

昭和女子大学 理事長・総長
坂東眞理子
東京大学卒業後、総理府(現内閣府)入省。内閣広報室参事官、埼玉県副知事などを経て、1998年にオーストラリア・ブリスベンで女性初の総領事に就任。その後、内閣府初代男女共同参画局長を務めたのち、2004年に昭和女子大学へ着任。昭和女子大学女性文化研究所長などを経て2007年に学長に就任し、以後2014年に理事長、2016年からは総長を兼務する。ベストセラーとなった『女性の品格』(PHP新書)の著者としても知られる。

―昭和女子大学がグローバル教育を推進されてきた背景からお聞かせください。

かつて日本経済が大きく成長した頃は、男性が家族に応援されながら、定年まで勤め上げれば人生安泰と考える人が多かったと思います。ところが、バブル崩壊後は経済成長が鈍化し、日本企業は国内ビジネスだけでは行き詰まり、グローバルな展開を余儀なくされています。

この間、少子高齢化も進み、女性の活躍に対する社会的なニーズも高揚しました。女性自身も自らのスキルを発揮したいという思いが強まり、社会で働く機会が増えてきたわけです。とはいえ、日本経済の主流な部分では、いまだに男性中心の働き方が確立されているのが実情です。女性の社会参画といっても、男性の働き方に女性が合わせることが求められがちで、それは必ずしも女性が望むことではないはずです。

そこで女性に考えてほしいのは、男性が存在感を十分に示し切れていない分野に進出することです。その一つがグローバル分野であり、高いスキルを身につけた女性を送り出すことが本学の使命だと考えています。

―その思いが国際学部やグローバルビジネス学部の新設につながったのですね。

2009年に開設した国際学科のコンセプトは「英語+1言語」を使いこなせるプレーヤーを育成することです。ただし、大事なのは語学力を駆使して発信するコンテンツがあるか。何を語れる存在であるかが、社会的な評価を左右するのです。つまり、日本の文化や社会への深い理解の有無が、グローバル社会で通用するか否かの分かれ道となり、信頼されうる人間性を持ち合わせているかの物差しにもなります。その上でグローバル社会への関心や、グローバルに通用するスキルが重要になることは、私自身がこれまで実感してきたことでもあります。

2013年にはグローバルビジネス学部を開設しました。語学力だけではない、グローバルなビジネスシーンに有用な知見を併せ持つ人材育成の重要性を感じたからです。だからこそ同学部では、日本文化や日本独自の商慣習に関する知識に加え、より実践的にグローバル社会で通用するビジネススキルの修得をめざしています。加えて得意分野を複数持ち、それらを組み合わせることでオリジナリティーにあふれた新しい道を切り拓ける人物像を意識しています。

―2013年には現代ビジネス研究所も開設されました。

現代ビジネス研究所では、ビジネスの最前線で活躍する方を研究員に迎え、学生の指導にもあたっていただいています。学生が企業と協働するプロジェクト型学修などに加わり、学生の良きロールモデルとして多大な示唆を与えてくださっています。

企業や自治体などとの連携によるプロジェクト型学修は、理論どおりに物事が進むのはレアであることを学生が認識できる場でもあります。「1+1=2」とは限らず、そもそも正解などないかもしれません。それでも次善の策として何ができ、何をすべきかを考えるのです。学生は現実の厳しさを痛感しますが、その経験が大きな糧になることを教員や研究員が実感をもって伝えてくれます。人の能力の多様さや、自分がどんな力を発揮できるかに学生が気づき、自己肯定感を高めるきっかけにもなっています。

万全の感染症対策を施し昭和ボストンへの留学を再開

―コロナ禍の影響が大きいグローバル教育について、今後の展望をお聞かせください。

確かに影響はありましたが、2020年9月から昭和ボストンの教員によるオンライン授業を実施し、2021年10月には英語コミュニケーション学科の学生など、新型コロナワクチン2回接種済みの約130名が昭和ボストンへ向かう予定です。本学“自前〟のキャンパスには日本語でコミュニケーションできる看護師も勤務し、近隣の医療機関と連携して学生をサポートしていますから、健康管理への安心感は大きいと思います。

オンライン授業でも一定の成果は生まれますが、海外留学は現地の空気と生活に触れながら英語力を磨けるという大きなメリットがあります。一方で、2020年度からはテンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)とのダブルディグリー・プログラム1期生がTUJへ編入し、学内にいながらグローバルを体感できる環境がありますので、学生の多様な意向に沿えている自負もあります。

―データサイエンス教育やキャリア教育についてはいかがでしょうか。

2021年度からは、全学生が履修できる「デジタル数理・データサイエンス科目」がスタートしました。文系学生にも不可欠な資質であると考えてもらうよう、より深化させ、将来的には副専攻のような形でデータサイエンスを学べる仕組みをつくりたいと考えています。

また、キャリア教育で重視しているのは、1年次から「女性が働くとはどういうことか」「人生の中でどう仕事を位置づけるか」を考えさせ、納得した上で就職活動に臨んでもらうことです。本学では、学生が社会で活躍する女性と「1対1」などで対話できる「社会人メンター制度」も用意しています。複数の社会人と学生20名前後で情報交換をする場も設け、社会人女性のリアルな経験談やアドバイスを聞くことで、職業観の形成に役立てられています。

あきらめない意欲があれば可能性は広がり続ける

―最後に受験生へのメッセージをお願いします。

皆さんに意識してほしいのは「自分を大切にすること」です。ただし、それは“独りよがり〟や“わがまま〟を肯定するものではありません。努力をして自分の“ストロングポイント〟を磨き続けること、そして壁にぶつかったときにあきらめて投げ出すことなく、立ち上がって奮起する力を持つことが、自分を大切にすることの本質です。

また、一時代前に社会から押しつけられた“女性らしさ〟にとらわれる必要もありません。皆さんは、社会で力を発揮できる可能性を秘めているのであり、その可能性を大事に育ててほしいのです。自分の良さを発揮できる責任者は自分です。偏差値だけで自分の価値を決めつけたり、能力や未来の可能性に見切りをつけたりする必要もありません。本学が期待するのは、入学後に自分の良さを見つけ、それを磨き、伸ばしていきたいと考える受験生です。人生100年の時代では、勉強でも仕事でも、新しいことにチャレンジする意欲を持ち続ければ、必ず可能性が見えてくるはずです。

そして、とりわけ女性の可能性を広げていくのが、あらゆる面で女性の目線に立ち、女子学生の成長を第一に考える本学のような女子大学の存在です。男性中心の社会を客観的に見つめ、社会の仕組みを変える力を高める一方、女性自身が自立して活躍できるフィールドに学生を送り出したいのです。ちょっとした教育上の工夫も数々の改革も、すべては昭和女子大学として女性の成長を最優先に考えているからこそ成し得たことです。昭和ボストンへの留学をはじめ、他大学では決して実現できないような、未来につながる貴重な学びに挑戦して、思う存分、成長する喜びを堪能していただきたいですね。

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