建学の精神「生気あふれる開拓者精神」のもと〝答えのない時代を生き抜く力〟を養う―札幌大学

建学の精神「生気あふれる開拓者精神」のもと〝答えのない時代を生き抜く力〟を養う―札幌大学

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全専攻横断型の教育プログラムが始動

札幌大学、通称「サツダイ」は1967年開学。現在は特徴的な1学群8専攻制のもと、主専攻と副専攻を軸にした探究型学習に注力するとともに、地域と連携した学びの機会を充実させることで、実社会で課題解決力を発揮できる人材育成を進めている。2022年にスタートした全専攻横断型教育プログラム「サツダイ:みらい志向プログラム」をはじめ、近年の取り組みを紹介する。

構成 東久世克樹(大学通信)

学生自ら主・副専攻を選択 主体的な学びが促進される

札幌大学のカリキュラムで大きな特色といえるのは、1学群8専攻制を採用していること。すべての学生は地域共創学群に在籍した上で、「経済学」「経営学」「法学」「英語」「歴史文化」「日本語・日本文化」「スポーツ文化」「リベラルアーツ」という8つの専攻の中から、興味・関心に応じて「主専攻」を選択し、専門性を高めていく。ただし現代は、さまざまな社会課題が国境を越え、単一の専門領域の知見だけでは問題解決が困難とされる時代。そこで札幌大学では、主専攻以外の7つの専攻から「副専攻」を選択することを可能としている。2つの専攻の相乗効果によって、学生は将来の可能性を広げることができる。

また、「主専攻+副専攻」の全28通りの組み合わせに加え、さらに別の専攻の科目も履修可能。「教養を深めたい」「就職活動に役立てたい」「将来の選択肢を広げたい」など、目的に応じたカスタマイズを可能にする仕組みが、学生の主体性を伸ばしている。例えば、スポーツビジネスに興味があれば、軸となるのは「スポーツ文化」と「経営学」。加えて海外でも活躍したいと考えれば「英語」の優先順位も高くなる。学生が自分を見つめ直す機会が自ずと生まれ、「将来は何がしたいのか」「そのために何を学ぶべきか」を考えることで、目的意識を持って学びに励むことができるのだ。

また、「レイターマッチング制度」を利用すれば、高校とは異なる大学ならではの学びを1年間経験した上で専攻を決められるほか、大学入学後に新たに芽生えた目標に向けて専攻を変更することも可能。幅広い学びを経験した上で自分の興味・関心を見つめ直し、柔軟な専攻を選択できる制度として好評であり、2022年度は約30%の学生が利用している。

探究学習を深化させる「みらい志向プログラム」

みらい共創スクエアでの様子

専攻を主体的に選択できることが札幌大学の魅力だが、特定のスキルを向上させるための履修モデルとして、大学側でも体系的で一貫性のある全専攻横断型の教育プログラムを開講。これが2022年度秋学期にスタートした「サツダイ:みらい志向プログラム」だ。

例えば「データサイエンス『魁』プログラム」は、プログラミンや機械学習、ビッグデータ解析などを学ぶプログラム。「ビジネス再生『食・観光』プログラム」では、観光経済学や農業経済論、マーケティング理論などを学修する。また、北海道ならではのプログラムが「アイヌ文化スペシャリスト養成プログラム『asir』」であり、アイヌ語やアイヌ文学のほか、考古学や日本北方史などを学ぶほか、文化継承のためにアイヌ工芸の実技授業も用意され、工芸品の販売手法や、産業として発展させる方法論なども学修できる特徴的なプログラムだ。

これら「みらい志向プログラム」の狙いは、各プログラムでの学びをとおして物事の理解を深化させることにある。2020年度に高校の学習指導要領に探究学習が導入されたのは、実社会での課題解決においては決まった単一の正解がなく、探究心こそが大切だからにほかならない。高校までに芽生えた探究心を大学でさらに高め、未来につなげていく点に同プログラムの意義があるのだ。

自治体や高校など多彩な地域連携活動を推進

札幌大学の近年の取り組みとして注目すべきは、地域連携活動の活発化だ。そもそも学群名が「地域共創学群」であるように、地域社会との連携・協働を推進し、地域にとってメリットとなる新たな価値を“共に創り出す”ことが狙い。学群制や「みらい志向プログラム」のほか、2022年6月にキャリアサポートセンターと地域連携センターを一体化した「みらい共創スクエア」が開設されたことも、すべては新たな価値を創り出すためだ。

また、札幌大学では連携協定を結ぶ地域(市や町)へのインターンシップも積極的に行っている。2022年度は「美幌町の暮らしを感じるインターンシップ」として、学生が北海道網走郡美幌町にある建設業や食品加工業、卸売業などの企業で職業体験を行い、町内イベントにも参加。ワ―ケーションのように美幌町の魅力を体感しながら、意見交換を通じて就労意識の形成や、地域課題の発見に挑みながら、卒業後の進路選択の拡大や地方企業の理解促進にも取り組んでいる。

一方、従来から札幌大学の教員による、道内の高校での「出前講義」は行われてきたが、2022年8月には札幌大学の学生がファシリテーターとなり、北海道鵡川高等学校での課題探求型学習に参加。高校生の発想を活かす提言発表に向けてサポートを行ったほか、自らのファシリテーション能力の向上につながったという。

また、同年10月には、高校生を対象とした探究活動応援プログラムとして「HOKKAIDOハイスクールQUEST」が開催された。札幌市周辺の高校のほか、東京都の高校も参加し、合計9チームが探究活動の成果をプレゼンテーションやポスターセッションで発表。採点や順位づけは行わないものの、道内の企業経営者やコピーライター、大学教員などからフィードバックコメントを受け、新たな知識や視点の獲得につなげる高校生の姿が見られたという。

日本を縦断する大学間連携にも注力

札幌大学は道内で地域連携に注力する一方で、鹿児島県の鹿児島国際大学と、長野県の松本大学と包括連携協定を締結。日本縦断型の新たな学生交流モデルとして、2022年9月には「三大学学生交流課題研究会議」が開催され、「地域防災」をテーマに議論が行われた。

札幌大学の学生は、地域防災に関連する北海道の歴史や文化、環境などを学んだ成果や、地域連携活動での成果などをベースにして地域防災策を発表した一方で、九州や信州での実践事例に触れることで刺激を受け、新たな方策を模索するきっかけをつかんだという。2023年9月には、第2弾として「食と観光」をテーマにした会議が札幌大学で開催される予定だ。

こうした多様で独自色の強い取り組みに一貫しているのは、「答えのない時代を生き抜く力」の習得を重視する大学の思いだ。絶え間なく、そして急速に社会情勢が変化する現代社会だからこそ、開拓者精神を持った人材育成を重視しているのだ。

三大学学生交流課題研究会議終了後の様子in松本大学構内

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