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學習院大學應援團吹奏楽部には、学習院大学と学習院女子大学の学生が所属し、2023年度の部員数は約90名。東京都大学吹奏楽コンクールや定期演奏会に向けて練習を重ねるほか、吹奏楽部、リーダー部、チアリーダー部の3部が一体となって應援團を構成しており、運動部の応援や大学の公式行事での演奏など、多くの活動に参加しています。そこで今回は、吹奏楽部の活動内容や魅力について、2023年度の幹部学生3名にお聞きました。
写真左:佐藤 那菜さん(2023年度 副部長)[アルトサックス]学習院女子大学国際文化交流学部国際コミュニケーション学科4年 東京都立深川高等学校出身
写真中央:内田 春佳さん(2023年度 部長)[トランペット]経済学部経済学科4年 東京学芸大学附属高等学校出身
写真右:小山 優奈さん(2023年度 副部長)[ユーフォニアム]文学部英語英米文化学科4年 茨城県立土浦第二高等学校出身
時に厳粛に、時に元気よく
まずは活動内容から教えてください。
内田:吹奏楽部は、大きなイベントである8月の東京都大学吹奏楽コンクールや12月の定期演奏会のほか、学園祭の「桜凛祭」や女子大学の学園祭である「和祭」でも演奏しており、さらには應援團として、運動部の応援や10月の「四大戦」での応援も行っています。また、入学式や卒業式などの大学の公式行事では、とても厳かな雰囲気の中での演奏となります。こうした多彩な活動をとおして音楽に取り組める点が魅力であり、その時々で演奏する楽曲に真摯に向き合っています。
佐藤:例えば、2022年度の定期演奏会では、『マードックからの最後の手紙』を披露しました。これはタイタニック号の物語をもとにした楽曲でしたので、いかにそのストーリー性を表現するか、部員間でとことん話し合い、練習を重ねました。お客様を魅了して楽しんでもらいながら、吹奏楽部を日々支えてくれている方々への感謝の気持ちを伝えたいと考えました。
内田:そうやって「パフォーマンスに込めた思いがお客様に届いた」と感じられると、この上なくうれしいものです。また、同じ2022年度の定期演奏会でアイドルグループの曲を演奏した際には、お客様にサイリウムを振ってもらう演出を取り入れました。客席が一瞬にして光の海になり、私たちの奏でる音との一体感が生まれたときには涙が出そうになりました。
小山:私は「オール学習院の集い」も印象深く、初等科の子どもたちから地域のお年寄りまで、たくさんの方が應援團のパフォーマンスを見に来てくださいました。中でも特に子どもたちが演奏に”ノリノリ”になってくれていて、とても可愛かったですし、うれしかったですね。
入部後はどのように活動をしてきましたか?
小山:「全力善進」というスローガンを掲げて活動しています。コロナ禍が収束しつつあり、ようやく従来どおりに活動していけますので、そのすべてに全力で臨みたいという思いを込めています。吹奏楽一筋の学生から、ドリルやオーケストラ、合唱の経験者まで、部員の音楽経験はさまざまで、各々が多様なバックボーンを活かしながら刺激し合い、切磋琢磨しています。
内田:その全員が主体性を持って、すべての活動に前向きに、大きな船のように「全力善進」で力強く進んでいきたいと考えています。近年は2021年度が「敬聴」で、2022年度は「奏思奏愛」という”やさしめ”なトーンのスローガンだったのですが、より強いメッセージを伝えたいと考えました。なお、練習は火曜日・木曜日の授業後18時から20時と、土曜日の午後13時から17時の週3回です。毎月第4木曜日は應援團三部での活動です。学生のみで練習する日と、プロの外部コーチや卒業生から指導を受ける日があります。運動部の応援は主に土日で、平日に試合があるときは、授業がない部員が担当。あくまでも授業優先です。
佐藤:それと吹奏楽部の執行学年は3年生で、その監督役が4年生という位置づけです。コンクールや定期演奏会は、3年生が実行委員長となって準備・運営を進め、個別のテーマや、定期演奏会での自由曲を決めています。
未経験でも「やればできる!」
入部のきっかけと、入部してよかったと思えたことを教えてください。
佐藤:私は「応援したかったから」です。中学高校でも吹奏楽部でしたが、6年間で応援の経験はほとんどなく、座って黙々と演奏するばかりでした。ただ、高校時代に一度だけ野球部の応援をしたときの楽しさが忘れられず、「ここしかない!」と入部を決めました。演奏だけでなく、「頑張れ!」と声を出して応援していると、自分も元気になれるんです。また、應援團の活動では、特別な衣装を着て立ったまま演奏したり、ドラムマーチをしたりすることもあり、どれも初めての経験だったので、吹奏楽の新たな世界、新たな魅力を知ることもできました。
小山:私は中学時代から演奏してきたユーフォニアムを続けたい一心で入部しました。ただ、すべての運営を学生主体で行う点など、中学高校の吹奏楽部との違いを感じる部分もありました。1・2年次には純粋に活動を楽しんでいましたが、3年次に担当したのが、練習場所ごとの収容人数に応じた部員の振り分けや、各パートの編成などを考えるセクションリーダーという係です。指導者の先生方と連絡を取り合うほか、コーチとして指導してくださる卒業生との定期的なミーティングもありました。この経験によって運営の大変さを理解できましたし、臨機応変の対応力が磨かれて、1年間やり切ることで大きな達成感も得られました。私は教員志望なのですが、大所帯の部活動でセクションリーダーや副部長を任されると、部員全員の前で発言する機会もあり、自然と教員としての資質も磨かれてきたように思います。
佐藤:私も小山さんと同じセクションリーダーを経験して、コロナ禍で合宿や対面練習が中止になる中で、練習計画を立てたり、部員のモチベーション維持や帰属意識の形成方法を考えたりと、試行錯誤の連続でした。その一つとしてスタートさせたオンラインミーティングは、部員の意識や練習効果を高める方法として今後も継続していく予定です。このイレギュラーな時期に一番近くで見守ってくれて、相談に乗ってくれたのは当時の4年生。現在は私たちがその立場となり、3年生のため、部のために”全力善進”しています。ちなみにセクションリーダーのときは、空き教室の状況を確認した上で、授業がなくて自主練習がしたい部員向けに情報発信をしていたのですが、内田さんは毎日のように自発的に練習していましたね。
内田さんにはどんな思いがあったのでしょうか。
内田:私は入部したのが1年遅れの2年次で、しかも未経験だったトランペットに挑戦したんです。大学生活で何かをやり遂げて完全燃焼したいと考えたときに、スポーツの応援に欠かせない”花形”のトランペットで目立ちたいと思ったからです。初心者ですから誰よりも練習しなければいけませんし、部長となった今は、私自身が辿ってきた道のりを伝え、変わらぬ熱意を背中で語ることで、部員を鼓舞していきたいと考えています。「未経験でもやっていけますか?」という質問は毎年ありますし、部員の約2割は大学から新しい楽器に挑戦します。その際、私自身の経験を語ることで、説得力をもって「やればできる!」と伝えられるんです。楽器によってはコンクール出場に向けてオーディションがあり、悔しさを感じる学生も出てしまいますが、未経験でも向上心を持って努力を続ければ活動についていくことは十分に可能。新入生が勇気をもって新たな一歩を踏み出せるように背中を押したいですね。また、佐藤さんが在籍している女子大学の方が授業は忙しいといわれていますし、小山さんは教職課程も履修していますので、”気合い”を入れれば学業とも両立できます。私は目標となる先輩がいて、自分もそうなりと思いましたし、大所帯だからこそ、参考にしたり、目指したいと思える先輩にも出会えると思います。
規律や礼儀を重んじる伝統を守り伝えていく
部の雰囲気についても教えてください。
小山:まず私たちの学年は、全員で背中に「押忍」と書かれたお揃いのTシャツを購入したり、オフ期間にはトランポリンやローラースケート、花火などを楽しんだりと、とても仲がいいです。同期のグループLINEのアルバムには、3年間で撮られた写真が数百枚あって、卒業までには1000枚近くになりそうな勢いです。一方で、理不尽な上下関係は一切ありませんが、部としては規律や礼儀を大切にしています。例えば、先輩とすれ違うときには、荷物を置いて挨拶をします。最初は戸惑いもありましたが、純粋に素敵なことだと思いましたし、上級生を敬う誇るべき部の伝統として守っていきたいと思いました。
佐藤:先輩方が代々受け継いできているので、後輩たちにもしっかりと伝えていきたいですね。また、應援團としての活動では、リーダー部とチアリーダー部も含めた幹部が前に立ち、下級生一同がリーダーの掛け声で一斉に「おつかれさまです!」と挨拶をする「三部集合」という時間があります。高校までの吹奏楽部はマイナスイオンが漂うような癒やしの空気感でしたが、應援團で感じるのは熱気。入部当初は刺激が強かったですが、”こじんまり”と音楽だけに取り組むのではなく、リーダー部とチアリーダー部に入り込んで”三部一体”になろうという意識が強くなりました。
内田:私は「三部集合」で150名以上の應援團員が学年順にきっちりと整列して、大きな声で挨拶する空気感が大好きです。私も最初は異様な雰囲気だと感じましたが、みんなすぐに慣れます。今は気合いが入る瞬間ですし、活動を進める中で、その必要性も納得できるようになりました。
佐藤:ただ、組織としての厳格さを上回るやりがいや楽しさがありますし、とにかく温かい雰囲気であることはわかってほしいですね。私の楽器はアルトサックスですが、後輩でも上手な学生がいれば躊躇することなく吹き方を教えてもらいます。素晴らしい音楽を届けるためにも、学年の垣根を越えてリスペクトし合い、一体感のもとで活動しているんです。
内田:そうやって意識が揃い、音も揃っていくことが理想であって、普段の練習から一糸乱れぬ行動と演奏ができるように準備しておくことで、誰かに見て聴いていただく際にも揃った演奏ができるようになるのだと思います。それが、吹奏楽部や應援團に期待してくれる方々に応えるということ。ただ単に厳しいわけではなく、その目的や責任感も後輩に伝えていきたいですね。厳しい体育会系の”ノリ”だけに目を向けるのではなく、規範や礼節を重んじる背景にある、部としての”熱意”に魅力を感じてほしいと思っています。それに、先輩方は決して”怖い存在”ではないですし、卒業後も多角的に学生をサポートしてくれるんです。例えば、就職活動対策では「應援團総合研究所」というプログラムがあり、社会で活躍されている卒業生との情報交換の場を毎月設けてくださっているほどです。
誰かのために全力で
最後に、今後に向けた意気込みを聞かせてください。
内田:應援團としては「10年間で日本一の応援団になる」という目標があり、2023年度は6年目になります。「日本一」の基準はありませんが、私たちは「主体性の具現化」と「圧倒的な三部一体」と定義づけて実現を目指しています。また、2024年1月には應援團初の単独イベントとなる「團祭」の開催を予定しています。2023年度の集大成、そして私たち4年生の集大成としてイベントを創りあげます。吹奏楽部としては、8月に開催予定の東京都大学吹奏楽コンクールで、予選金賞かつ900点台獲得での本選進出が目標です。そのために、コロナ禍で中止していた夏合宿も再開します。近年は予選銀賞で本選出場のボーダーラインにいることが続いているため、隙のない演奏で確実な本選出場を目指しています。
小山:私は部長を支えることを第一に、円滑な運営を心がけたいですね。また、一人の奏者としては、コンクールの時期に試験勉強のための休部を予定しているので、12月の定期演奏会が最後のステージになります。これまでのユーフォニアム生活の集大成として、最高の音を届けられるように練習に励みたいと思っています。
佐藤:私は向上心を持って部の運営に挑戦し続け、「こうすればもっと良くなる」という新しい視点を見つけて実践していきたいです。また、一人の奏者としては、堂々と自信を持って最後までステージに立ちたいですね。
内田:私も向上心を忘れず、音の幅、表現の幅を広げることが目標です。部長としての目標は、熱さと主体性を引き出す組織運営です。應援團の”熱さ”と”強さ”、そして「誰かのために全力で」という姿勢の大切さを後輩たちに伝えながら、「すべての活動が楽しい!」とすべての部員が感じられる部にしたいですね。