創部100周年!クラシック音楽を世界観ごと奏でる!~音楽部管弦楽団~

創部100周年!クラシック音楽を世界観ごと奏でる!~音楽部管弦楽団~

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学習院輔仁会音楽部は、2022年に創部100周年を迎えました。学習院大学と学習院女子大学の学生が所属し、部員は191名の大所帯。管弦楽団と合唱団で構成され、合唱団はさらに混声合唱団、大学男声合唱団、大学女声合唱団、女子大女声合唱団に分かれています。2022年5月には管弦楽団が「創部100周年記念 管弦楽団第61回定期演奏会」を開催し、秋には管弦楽団と合唱部が一堂に会する「創部100周年記念 第66回定期演奏会」が控えています。そこで今回は、管弦楽団の本田さんと東本さんに、活動に対する意気込みや、100周年のメモリアルイヤーにかける思いなどをお聞きしました。

写真左:本田 千遥さん 学習院大学文学部哲学科 3年
神奈川県横浜市立戸塚高等学校出身
写真右:東本 響さん 学習院女子大学国際文化交流学部国際コミュニケーション学科 3年
私立・共立女子第二高等学校出身

ただ純粋に音楽を楽しみたい

――おふたりが管弦楽団に入ったきっかけから教えてください。

本田:私は中学高校時代に吹奏楽部でトロンボーンを担当していて、吹奏楽よりも編成が大きいオーケストラには日頃から興味がありました。大学では新しいことに挑戦しようと考え、トロンボーンの経験を活かしながら、合唱団とも合同で演奏できる珍しい活動内容に魅力を感じて入部しました。高校までは結果を残し伝統をつなげることに意識が向いていましたが、大学では純粋に芸術作品としての世界観を理解した上で、それを再現するために練習を重ねていくことに面白さを感じています。

現在は運営学年となって、音楽面での統括リーダーである楽事委員長と学生指揮者を兼務しながら、トロンボーン奏者としても活動しています。2022年11月6日には、管弦楽団と合唱団が合同で行う音楽部のメインイベント「創部100周年記念 第66回定期演奏会」が池袋の東京芸術劇場で開催されるので、学生指揮者として練習で指揮棒を振りながら、トロンボーンの練習にも励んでいるところです。

東本:私は3歳からヴァイオリンを始めて、これまでにソロでステージに立ってきたほか、ジュニアオーケストラに参加した経験もありました。管弦楽団に入ったのは、大学でも純粋に音楽を楽しみたいと思ったからです。2022年度は、1stヴァイオリンパートのリーダーとなって、オーケストラの演奏をとりまとめるコンサートミストレスも任されています。管楽器なども含めた全体のバランスに気を配りながら、音楽を1からつくっていく意識が芽生えた点に新鮮味を覚えています。

練習は基本的に月・水・土の週3回で、演奏会の約1か月前からは週4回です。私が担当する1stヴァイオリンパートだと、演奏会の前にはトレーナーの先生が複数回指導に来てくださいます。中には50年間にもわたって指導してくれているトレーナーの方もいて、ご自宅に呼んでいただいてレッスンを受けることもあります。音楽家のご自宅にズラリと並ぶ楽譜は壮観で、見ているだけで楽しくなります。

構想を具現化する楽事会議

――楽事委員長とはどんな役割がありますか?

本田:例えば、演奏会で指揮をお願いしたい方との交渉や、ハープやパイプオルガンの奏者など、管弦楽団にはない楽器の奏者をエキストラとしてお呼びするための交渉など、外部とのやりとりやマネジメントが中心です。また、楽器ごとのパートリーダーや、いくつかのパートをまとめるセクションリーダー、そして東本さんが務めるコンサートミストレスを招集して行う「楽事会議」の運営も私の役割です。楽事会議では、みんなで知恵を出し合って演奏会の会場や曲目、指揮者などを決めながら、少しずつ演奏会の構想を具体的なプログラムに落とし込んでいきます。

東本:「この曲だと管楽器の難易度が高すぎる」とか、「この配置にするとバランスがいい聴こえ方になりそう」など、曲目や使用するホールによっても考慮すべきポイントが異なるので、意見が合わないときもありますよね。

本田:私は楽事委員長であると同時に一演奏者でもあって、自分の意見を発信しながらも、みんなのためにいかなる選択をすべきかには苦心します。パートごと、メンバーごとに何らかの事情があっての発言であることを考慮しつつ、どうすれば公平性を保てるかがポイントですね。自分たちで考えて選択した内容が部の活動に直結しますので、やりがいとともに大きな責任感を胸に臨んでいます。楽事委員長だからといって自分だけが突っ走ってしまっても部の活動として成り立ちませんので、周囲にも積極的に意見を聞きますし、反省点や改善すべき点などは、逐一共有するようにもしています。多くの部員の意見を取り入れながら活動していることが、全体にもわかる工夫はしているつもりです。

――曲目はどうやって決めるのですか?

本田:演奏会では短い”前曲”、やや長い”中曲”、最も長い”メイン曲”の3曲でプログラムを構成します。まずは全部員から希望を募り、楽事会議に参加する学生がすべて聴いた上で議論します。学生が演奏したい曲を選ぶべきなのか、演奏会に相応しい曲を選ぶべきなのかなど、さまざまな観点で検討します。

東本:秋の合同定期演奏会の曲目を決めた会議では、平和の尊さを訴えようと、何人かの学生からチャイコフスキーの『1812年』という曲が提案されました。とても華やかな曲調のため、100周年に相応しいという意見もあったのですが、実は1812年にナポレオン率いるフランスにロシアが大勝したことを祝った曲でもあります。大砲をイメージした音も含まれますし、現在の情勢に配慮し、音楽性以外の観点からも検討した結果、採用には至りませんでした。ほかのオーケストラでも『1812年』を回避する動きがあり、曲を選ぶ大変さを痛感しました。

音は指揮で変わるもの

――5月には管弦楽団での定期演奏会も開催されましたね。

本田:1年半前にホールの使用申請を行ったところから準備が始まり、そこから曲目と指揮者を決め、楽譜を配布して練習を始めたのは2021年秋の合同定期演奏会の後です。私はトロンボーンの練習をする一方で、参考音源を聴いて指揮の練習にも取り組んできました。学生指揮者として意識しているのは、はっきりとわかりやすく指揮棒を振ることです。

東本:指揮棒をしっかりと振ってテンポを取る指揮者もいれば、指揮棒を使わずに指先の細かな動きで表現する方もいますが、指揮者によって音って変わるんですよね。大げさかもしれませんが、熟練の指揮者になると、腕を振ると同時にその周りが色とりどりの花で埋め尽くされるような気分にもなります。

本田:一気に空気感が変わって、音がオーラを帯びるようなイメージですよね。プロの指揮者だと学生の集中力も高まるのだと思いますが、先生によっても音が違うので、指揮者の個性や力を感じます。5月の演奏会では、ラヴェルの『古風なメヌエット』、ビゼーの『アルルの女』、そしてサン=サーンスの『交響曲第三番オルガン付き』という3つのフランス曲を選んだのですが、指揮者をしてくださった阿部未来先生の音楽性にピッタリだったように思います。

――どんな効果を感じたのでしょうか?

東本:フランスには洗練された曲が多いといわれていますが、阿部先生の指揮だったからこそ、その独特の世界観が引き出されたと思います。選曲と指揮者の先生の感性が見事にマッチして、演奏する学生たちもフランス音楽の世界観に入り込んでいました。

本田:私たちは、ただ楽譜どおりに演奏するのではなくて、その曲の世界観に入り込もうとするんです。私自身、日本人がただ楽器を演奏するだけでは、フランス曲ならではの理想的な音は出せないと思いましたし、曲の世界観に入り込むことが、オーケストラに挑むための条件のようにも思います。音楽部は、とかく「真面目そう」というイメージを抱かれがちですが、真面目に真剣に曲の世界観に入り込むんです。客観的に考えると個性的な集団かもしれませんし、実際”変わり者”が多いかもしれませんね。

東本:音楽の話になったり、いざ楽器を手にするとキャラが変わりますよね。音楽部の中だと何の違和感も覚えませんけどね。

進化し続ける音楽部と共に

―― 勉強面やアルバイトなど、部活動以外のことも教えてください。

本田:私は文学部哲学科で西洋美術史を勉強していて、特にフランス近代に関心があります。例えば画家のクロード・モネと、作曲家のクロード・ドビュッシーなど、同時代の芸術家たちの関わりについても興味を持っています。フランスの歴史や芸術作品が生まれた社会背景を探っていくと、部活動で音楽に関わっているからこそ理解を深められることもあります。その上で、当時の作品を管弦楽団で再現していく点にはやりがいを感じます。今後は、音楽や絵画などの芸術作品に関わってきた経験や、音楽部での楽事委員長の経験を活かせるようなフィールドを見つけたいと思っています。ちなみにバイトは週4回、飲食店と塾講師を掛け持ちしています。毎日複数の予定で埋まっていて多忙なのかもしれませんが、もはやこれが当たり前になっていて、慣れてしまいました。

東本:私は「シェイクスピア文学から見る英語学」がテーマのゼミに所属していて、卒業論文では英語のアクセントについて言語学の観点から研究したいと考えています。アクセントの多様さには、音楽とのつながりも感じているので、研究を通じて新たな気づきを得られればと思っています。また、教員志望のため、中高の英語教員免許取得に向けて教職課程も履修していて、バイトも塾講師をしています。

―― 入学後に感じている成長や変化について教えてください。

本田:演奏技術自体は、高校までの吹奏楽部で鍛えた成果が活かされていますが、吹奏楽とオーケストラでは、楽器ごとの役割や、求められる音が違います。ステージ上での配置も違い、吹奏楽にはない弦楽器が多く、最初は戸惑いもありました。ただ、それが新鮮でしたし、トレーナーや指揮者の先生方のご指導をもとに新たな練習方法を取り入れながら、音楽との向き合い方自体が変わってきたと思います。

東本:音楽部では、それまで経験してこなかった後輩への指導が、私にとっても貴重な財産になっています。大学からヴァイオリンを始めた後輩への教え方を試行錯誤する際には、教職課程で学んだ内容を活かすこともできます。経験者もいる中で、未経験で始めた学生はどうしても焦りを感じるものですが、誰でもミスはしますし、そもそも音楽に正解はありません。音楽は十人十色の表現方法がある芸術作品であって、私たちはプロのオーケストラでもありませんので、とにかく音楽を楽しんでほしいと考えています。だからこそ、技術面以外でもじっくり悩みを聞いてきたつもりですし、その後輩は今では役職にもついて部に貢献してくれているので、本当によかったと思っています。

本田:東本さんは、メンタル面でも仲間をサポートしてくれていて、部員が力を合わせて運営していく一体感を感じています。ほかにも、2020年にはICTの利活用を推進する情報管理委員会を設置し、部員の健康観察や行動記録を自動管理するシステムなどを開発・運用しています。こうした取り組みは、創部から100年が経過した今もなお音楽部が進化し続けている証だと思いますし、100周年を機に、さらに新たな一歩を踏み出したいという思いは強いですね。ただ、まずは今までどおりの活動をいかに継続させるかを重視しています。もちろん「今まではこうだったから」と過去に執着するばかりではいけませんので、先入観を捨て、些細なことからでも改善できるところは改善していきたいと思います。小さな改善の積み重ねが、さらに歴史を重ねていくための大きな力になると信じています。

言葉にできない感動を味わってほしい

―― 最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

本田:私は学習院に入って音楽部にも入ったことで、今までの人生で興味・関心を抱いてきたことのすべてに取り組めている実感があります。5月の演奏会では、初めてパイプオルガンの美しい音色を間近で聴き感動しました。この瞬間のために音楽を続けてきたんじゃないかと思ったほどです。これはほんの一例ですが、みなさんにもぜひ音楽部で大きな感動を味わってもらいたいと思います。毎年全てのパートを募集しているので、大学から新しい楽器にチャレンジする方も、長年本気で音楽を経験した方もいて、お互いによい影響を与え合える環境が整っています。パートやセクションごとにSNSのアカウントもありますので、まずは気軽にチェックしてみてください。

東本:そうですね。私も本田さんもコロナ禍で入学して、自分たちの大学生活はどうなってしまうのかと不安になった時期もありましたが、好きな音楽に打ち込める音楽部のおかげで、充実感と楽しさに包まれた毎日を過ごせています。音楽部には音楽が大好きな学生が集まっていて、休日にみんなでクラシックコンサートに行くこともあります。クラシック音楽について語り合い、演奏会に向けてみんなで練習し、本番で演奏し切った瞬間には言葉にできないほどの感動を味わえますので、ぜひ入部してほしいですね。

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