オールイングリッシュの4年間でグローバル社会の担い手を育てる―神戸女学院大学

オールイングリッシュの4年間でグローバル社会の担い手を育てる―神戸女学院大学

2024年4月 国際学部誕生

1875年の創立以来、「愛神愛隣」の標語を掲げて「キリスト教主義」、「国際理解の精神」、「リベラルアーツ教育」の3つの柱にもとづく教育を行っている神戸女学院大学。約150年にわたって「芯の強さ」と「しなやかさ」を持つ女性を世に送り出してきた同学は2024年4月、英語学科とグローバル・スタディーズ学科から構成される国際学部を新設する。従来の文学部英文学科を進化させる形で誕生する新学部について、詳しく見ていこう。

聞き手 松本陽一(大学通信)   
文 松本守永(ウィルベリーズ)

コロナ禍を経て、高い語学力を備えた人材に改めて期待が集まる

人・モノ・情報の行き来が活発化を続ける現代社会においては、様々な背景を持つ人とコミュニケーションをとる機会も飛躍的に増加している。そこでは、語学力はもちろんのこと、異文化に対する理解や異なる背景を持つ人と適切な意思疎通を図る力など、従来にも増して多彩な素養が求められるようになっている。このような社会の変化に対応するべく誕生するのが、神戸女学院大学の国際学部だ。

コロナ禍によって足止めや代替案の模索を余儀なくされてきた留学をはじめとした国際教育は今、ようやく元の姿へと戻ろうとしている。文部科学省は、2027年をめどにして、海外へ留学する学生数をコロナ禍以前の水準に戻すという方針を示した。神戸女学院大学でも、2022年度夏から海外への学生派遣を再開した。加えて、コロナ禍を経験したからこその国際教育への期待があると、国際学部長へ就任予定の白井由美子教授は語る。

「オンライン会議などのデジタルツールを使うことで、海外との距離が近づいたと言える側面もあります。その結果、確かな語学力を備えた人材に対する期待が、これまで以上に高まっているのです」

多彩な学びを英語「で」実施。英語力と幅広い知識を身につける

白井由美子教授

白井教授は国際学部について、「体験しながら、実践しながら英語で学ぶことが最大の魅力」と語る。この言葉は、同学部の大きな特色である「オールイングリッシュによる学び」に通じるものだ。授業は、経済や社会、文学、ジェンダー、メディアなど、さまざまな分野のものが用意されている。それらを英語「で」学ぶのだ。教材を読み、議論し、レポートにまとめ、発表を行う。一連の学びのプロセスを英語で行うことは、まさに「体験しながら、実践しながら英語で学ぶ」というもの。語学力はもちろんのこと、コミュニケーション力やプレゼンテーション力など、グローバル人材に不可欠な素養を磨くことができる学びが用意されていると言えるだろう。

学びの内容が多彩であることも、同学部の大きな特色だ。課題が多様化・複雑化している現代社会では、1つの視点からだけでは課題解決が難しくなっている。垣根を越えてさまざまな知識や考え方を養っておくことが、将来の大きな財産となるのだ。また、興味や目標に応じて自分なりの学びを組み立てることができるのも、幅広い学びが用意されている同学部ならではと言える。

オールイングリッシュでの学びに対して、不安を感じる学生もいるかもしれない。この点においては、英語基礎科目を1クラス15人以下の少人数体制とし、万全のケアを行う。1年生全員がTOEIC®500点をクリアすることが単位取得の条件だ。また、キャンパス内で外国人留学生と交流することも可能。フィールドワークをともに行ったり、オンラインで海外の学生と交流する機会も設けられている。白井教授が「自然に英語を身につけられます」と言うように、キャンパスで過ごす時間をフル活用し、なおかつ気軽に英語力を高めていく仕組みが整えられている。

独自の通訳・翻訳プログラムにより、高いコミュニケーション力を養う

国際学部は、文学部英文学科からさまざまな特色ある学びを引き継ぎ、発展させていく。そのなかの1つが、「通訳・翻訳プログラム」だ。

同プログラムが育成を目指すのは、「ことばのデザイナー」だ。ことばのデザイナーとは、職場や地域社会、家庭など、社会のどんな場面でも高いコミュニケーション力を発揮できる人材を意味する。そこにはもちろん、外国人とコミュニケーションを図ったり、英語と日本語を橋渡しする通訳・翻訳という専門職も含む。しかしそれだけでなく、日本語でのコミュニケーションにおいても、的確に自身の意図を伝えたり、相手の思いを理解できる人材までを含む。個人の価値観や背景が多様化する現代において、ことばのデザイナーの重要性は非常に高いと言えるだろう。

ことばのデザイナーを育成するにあたり、同プログラムでは実際に行われたスピーチや原稿といった「本物の素材」を教材に用いる、本物志向の学びを行っている。また、英語から日本語への通訳・翻訳は日本語を母語とする教員が指導し、日本語から英語への通訳・翻訳は英語を母語とする教員が指導するという、世界標準をクリアした教員陣が指導にあたっている。

環境面も充実しており、学内には同時通訳ができるブースを3つ設置。同時通訳つきの講演が行われたり、学生が実際に同時通訳を行ったりと、実践的な学びが展開されている。

同プログラムで学んだ学生は卒業後、グローバル企業から地域に根ざした企業までさまざまな企業・業種で活躍している。また、大学院で通訳・翻訳についてさらに高いレベルで学び、在学中からプロとして活躍する人もいる。

西日本トップの就職実績を支える少人数制ならではのサポート

キャリアセンター職員によるゼミ訪問

神戸女学院大学は、就職に強い大学としても知られる。2023年3月卒業生の就職率は99.0%と、コロナ禍のなかでも非常に高い実績を残した。さらに、2020年から2022年の有名企業400社実就職率においては、3年連続西日本私立女子大学で1位を達成した(※)。この実績を支えるのが、質の高い英語教育と幅広い学びによって育まれる、社会での活躍を支える多様な力だ。そしてもう1つの要因が、充実したキャリアサポートだ。

※大学通信調べ/有名企業400社は日経平均株価指数(日経225)採用銘柄に加え、会社規模や知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選定。

同学では毎年、「KCキャリアフォーラム」というキャリア支援の大きなプログラムが実施されている。ここでは仕事発見セミナーや業界探究セミナー、企業研究セミナーなどが開催されており、多くの学生が参加している。特徴的なのは、このプログラムには1年生から参加できることだ。早期から自身のキャリアを考える機会を提供し、より有意義な学生時代の過ごし方や就職活動へと結びつけている。また同プログラムのほかに、130以上の講座やセミナーが実施されている。

就職活動が本格化する3年生後期には、キャリアセンター職員がゼミを訪問して就職活動やキャリアについて説明する場も設けている。ゼミという少人数の環境ゆえに、学生の疑問や不安に対してきめ細かく対応ができている。さらにすべての3年生に対して、キャリアセンター職員が面談を行い自己分析のサポートを行っている。個々に応じた支援を徹底して行えるのは、ゼミ訪問と並んで、少人数制教育を行う同学だからこそ可能な支援だと言える。

これらの支援は、当然のことながら国際学部にも引き継がれていく。進化した国際教育と伝統のキャリア支援が融合する新たな神戸女学院大学の取り組みに、さらなる期待が集まりそうだ。

■卒業生インタビュー
心と心のコミュニケーションを体感。自身の進路と生き方を考える着眼点を得られた

馬野夏帆さん
株式会社キーエンス
文学部英文学科卒

神戸女学院大学では、1人ひとりに寄り添った手厚いサポートを受けることができ、英語だらけの日々に対して苦手意識や嫌悪を感じることなく学習に集中できました。また、留学は行きたい人が行きたいタイミングで行けることで、自身が深めたい学びに向き合うことができました。

思い出深いのは、字幕翻訳プロジェクトに参加した際、字幕翻訳のルールや法則を初めて学び、字幕翻訳の面白さや楽しさと出合ったことです。また、直訳ではなく現地の文化や考え方を反映させて翻訳することや、既定の文字数内に訳文を収めることの難しさに直面しましたが、そこから試行錯誤し、納得できる翻訳や原文の思いを正確に反映できた翻訳ができたとき、自身の成長を感じました。

学生時代には、ネイティブスピーカーの先生方を含め多国籍の人々との関わりを通じて、コミュニケーションの楽しさと難しさを実感しました。また、翻訳の授業を通じては、単に言語の変換では真意が伝わらず、その国の文化・伝統・習慣などを理解することで初めて心と心のコミュニケーションが図れると学び取りました。これら異文化コミュニケーションの学びの経験から、就職活動では自らが進みたい企業の歴史・社風・カルチャーを学び取り、貢献・活躍できる会社選びに活かすことができました。英文学科で異文化コミュニケーションを学んだからこそ、このような着眼点で捉えられたと思っています。

神戸女学院大学は、好奇心をかき立てられる幅広い授業、少人数教育だからこそ可能となる1人ひとりに合わせた学び、自然豊かで学びに集中できるキャンパス、高い就職率に裏付けられる手厚いサポートなど、数え切れないほどの魅力であふれています。また、自身が所属していない学科の授業を受講することもできるため、まだ将来進みたい道に迷っている方でも、4年間を通して考え、目指すことができます。ぜひ、神戸女学院大学で充実した学生生活を過ごしてください!

馬野さんの英文で書いた卒論

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