教育DXを活用した文理融合型の大規模総合大学へ生まれ変わる追手門学院大学

教育DXを活用した文理融合型の大規模総合大学へ生まれ変わる追手門学院大学

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大学通信では、毎年約2000校の進路指導教諭(進学校)を対象に、おすすめの大学をアンケート調査している。直近の2022年調査で、追手門学院大学は、「改革力が高い大学」で全国26位にランクインした。しかも、有名大学や大規模大学のひしめく大阪府で、近畿大学に次いで私立大2位の評価だ。進路指導教諭が評価する通り、確かに追手門学院大学は近年、学部学科改組やキャンパス拡充、教育DXの推進など、積極的な大学改革を行っている。その内容を詳しくみていこう。

取材・文 雫 純平(大学通信)

人文社会科学系の私立大学として確かな実績を積み重ねてきた追手門学院大学が今、文理融合型の大規模総合大学へと大きく生まれ変わろうとしている。その主な目的は、変化の激しい現代社会において必要とされる、既存の枠組みに囚われない新しい発想をもった教育・研究を実現できる多様な学びの環境を整備することだ。

大学初の理系専攻などさかんな学部学科改組

学びの多様性を広げる手段として代表的なのが、学部学科の改組だ。2022年4月に、国際教養学部を改組し、国際学部と文学部を開設した。さらに23年には法学部を開設する。また、21年には心理学部の中に、AIを学ぶ理系領域である人工知能・認知科学専攻を、22年には文学部の中に、建築士の資格取得もできる美学・建築文化専攻を開設しており、これを先駆けとして今後はより本格的な理系の学部・学科の開設も構想されている。

学部学科改組と同時進行的に、キャンパスの規模拡大も進められている。19年に茨木総持寺キャンパスを新設したことで、従来の茨木安威キャンパスと合わせて大阪府茨木市内に2キャンパスを擁する体制となった。茨木総持寺キャンパスには現在使用されているアカデミックアーク(Ⅰ期棟)に隣接して、地上6階建て、南北に250mの新校舎(Ⅱ期棟)を建設中だ。新校舎のコンセプトは「文理を超えたハイブリッドキャンパス」。学生が普段使う教室やゼミ室と教員の研究室を同じフロアに配置することで、文系理系問わず学生や教職員が互いに学び合い、教え合うような交流ができる環境を整備するという。

新校舎での学びが本格的に始動する25年には心理学部(2〜4年次)を除くすべての学部、大学院、および本部機能を茨木総持寺キャンパスに集約することになる。学部学科の改組とキャンパスの拡大により、現在約8200人の学生数は大きく増え、将来は学生総数1万2000人規模の文理総合大学へと生まれ変わる。その前提となる大学の入試志願者数も22年度入試まで10年連続で増加を続けている。追手門学院大学というと文系中心の中規模大学というイメージがあるかもしれないが、そのイメージは近い将来大きく変わることになる。

日常の学習姿勢をデータ化

追手門学院大学はもう1つの改革として、教育DXの推進に熱心に取り組んでいる。21年には文部科学省が公募した「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」のうち「学修者本位の教育の実現」に追手門学院大学の「OIDAI DX推進計画」が選定された。これは1億円もの財政支援を受けられるもので、関西の中規模私立大学では唯一、また関西以西に中規模キャンパスをもつ私立大学としても唯一の選定だ。

この計画の大きな特徴は、DXを活用した学修支援の高度化にある。既に18年にはGPAや外部試験のスコア、資格数など数値データを収集し、学生に公開する「追大e-Navi」を運用しているが、それをベースに21年秋より“KnowledgeDeliver(ナレッジデリバー)”という新しいLMS(※)を導入している。これにより、「追大e-Navi」で収集していたデータに加えて、学習時間やテストの得点率、どのデバイスを使って学習したか、ディスカッション中の発言時間など、日常の学習姿勢を含めたさらなる多様なデータを自動的に収集できるようになった。これらの詳細なデータは学生と教員間で共有され学び方の再考などに活用されるが、将来的には学生の進路情報などを組み合わせた「AIティーチング・アシスタント・システム」すなわちAIによるTAの構築を構想している。実現すれば、学生の個別希望進路に沿って履修すべき科目や先輩の取り組みなどをAIが提示し、学生が自分に適した学び方を見つけることができるようになるというわけだ。

※Learning Management System:学修管理システムのこと

「OIDAI DX推進計画」では他にも、外部との10G通信が可能な情報基盤の整備が掲げられており、これにより授業ごとに対面とオンラインが選択可能になり、教室の定員制限も撤廃される予定だ。さらには長期インターンシップをしながら授業に参加できたり、国内にいながら海外留学に準じたプログラムを受講できたりするなど、オンラインを活用して従来は考えられなかったような自由度の高い学修が可能になるだろう。

ここまで見てきたように、追手門学院大学は学部学科改組とキャンパス拡充による大規模総合大学化というハード面の変革と、教育DXの推進というソフト面の改革の双方を進めている最中にある。変化の激しい時代だからこそ、文理を超えた多様性あふれる環境で、学生本位の主体的な学びができる追手門学院大学が育てる人材に期待してみたい。

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