豊かな学習資源のなかで、生徒の探究心と知的好奇心を刺激し、伸ばす教員を目指すー國學院大學

豊かな学習資源のなかで、生徒の探究心と知的好奇心を刺激し、伸ばす教員を目指すー國學院大學

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1882年に創設された皇典講究所を母体とし、現在では6学部13学科および3つの研究科を擁する國學院大學。教員の養成に豊富な実績を持つことは大きな特色の1つで、「教職の國學院」と呼ばれることもあるほどだ。一般的には教員養成は教育学部が中心になることが多いが、同学では中学・高校の教員については文学部が主たる舞台となっている。文学部ならでは、ひいては國學院大學ならではの教員養成について、文学部外国語文化学科の髙屋景一教授に話を聞いた。

構成 松本陽一(大学通信)

本物に触れているからこそ伝えられる「熱」がある

―文学部から教員を目指すことのメリットや、國學院大學文学部における教員養成の特色をお教えください。

メリットとしてまず言えるのは、好きなことを専門的に掘り下げて学んだ経験を持つ教員になれることです。私は、学校の先生は勉強が好きな人であるべきだと考えています。ここで言う「勉強が好き」とは、学ぶことが好き、探究することが好きという意味です。知的好奇心が旺盛と言ってもいいでしょう。テストでいい点数を取らせることだけが先生の役割ではありません。生徒たちの興味を引き出し、「好き」や「得意」を伸ばしてあげるためには、先生自身が旺盛な知的好奇心を備えていなければならないのです。

この点において文学部の学生は、文学や語学、文化、そして歴史や哲学など、自身の興味を軸にして学んでいます。しかも、指導を行うのは各分野の非常に高い専門性を備えた教授陣です。自ずと学生自身の専門性も高まり、教員になった際に生徒を学びの面白さへ導いてあげる力が備わっていきます。

本物に触れていることも、本学文学部で教員を目指すメリットです。例えば学内に設置されている「國學院大學博物館」には、土偶や銅鐸、銅鏡など、教科書に写真で紹介されるような貴重な出土品や資料の実物が展示されています。本物に触れていると、学校の先生になって授業で説明をするときに、熱のこもり方がまったく違うはずです。さらに考古学を勉強している学生であれば、実際に発掘を行っています。日本史の資料集に載っているものが、どこでどのように見つかるのか。実体験を通して伝えることができるのです。先生のそういった姿に刺激を受けて、考古学や歴史に興味を持つ生徒も出てくるでしょう。「写真で見ただけ」「資料を読んだだけ」ではこうはいきません。

教科ごとの指導方法を学ぶ「教科教育法」は、通常半期2コマの履修形式なのですが、本学では通年履修にしています。また、学校での実際の生徒数に近い35人を1クラスの定員としています。模擬授業やそれを受けてのフィードバックやディスカッションを行うこの科目は、教員としての実践的スキルを磨く重要な学びの場です。そこにじっくりと取り組み、なおかつ現場に可能な限り近い形で行うことは、大きな特色と言えます。

日本を深く理解することが「グローバル」へつながる

―文学部のみならず、國學院大學全体としての特色が教員養成を後押ししている部分はあるでしょうか。

学校の先生の働く場所が国内であったとしても、今後、グローバルな視点は欠かすことができないでしょう。

本学には、「もっと日本を。もっと世界へ。」というスローガンがあります。この言葉に込められているのは、世界を見つめるうえで、日本への理解を深めることが大切だということです。

例えば「グローバルな人材になる」と言うと、多くの場合、「英語力を身に付ける」という意味に結び付きがちです。しかし、海外を体験した多くの人は「日本のことを自分は何もわかっていなかった」「もっと日本を知っておくべきだった」という感想を持ちます。海外とつながるためには、必ずしも語学力を養うことだけでなく、自身の足元である日本への理解を深めることも非常に有効なアプローチなのです。むしろ、そちらの方が近道だとさえ私は感じています。

日本を知るという点において、本学は非常に恵まれた環境にあります。文学や文化、日本語、歴史など、多方面で「日本」をテーマにした専門家のもとで学ぶことができます。共通教育プログラムの一部である「國學院科目群」には、「神道と文化」「日本文化を知る」などの、講義に加えて実技や体験を通して日本文化への理解を深める科目が用意されています。先述した博物館のように、日本という国の歩みや日本人の営みを目の当たりにする環境も整っています。160万冊の蔵書を誇る図書館では、学部生であれば知りたいと思ったことはほぼすべて調べることができます。

―國學院大學は大学院に進学する学生も多いです。教員養成の面で、大学院が果たす役割はどのような点でしょうか。

教職を目指す学生の多くは、4年生の前期に教育実習を行います。ここでほとんどの学生は、自身の圧倒的な知識不足を痛感します。補うべき知識を体験を通して具体的に知り、学びへの意欲が高まる。そのような学生にとっては、大学院はその受け皿になると思います。大学院へ進学することで、確たる知識を身に付けてから現場に出ることができるからです。これはすなわち、「専門性を高めたうえで教職に就く」という意味でもあります。

本格的な論文執筆の経験が探究型授業の指導にも生きる

―中学・高校では探究型の授業が活発化しています。それに伴い、生徒が論文を執筆する機会も生じています。この点において、國學院大學での学びはどのように役立つでしょうか。

本学は伝統的に、論文をしっかりと書かせる大学です。そのための準備として1年生のときから、図書館を用いた資料の調べ方などの指導を行っています。例えば、卒業論文は2万字以上書かなくてはなりませんが、誰もが最初からこれだけの文章を論理的に書けるわけではありません。そこで3年次くらいから3000〜5000字のレポート執筆に取り組む機会を設け、徐々にスキルを磨きながら卒業論文に臨むようにしています。

論文とは、書いて終わりではありません。執筆の途中段階で批評を受けて、内容はもとより言葉遣いに関してまで議論したり指摘を受けたりして、何度も書き直しながら完成させていく。その一連の過程があって初めて、論文だと言えます。その経験をしっかりと積んでいることは、生徒に対する指導にも間違いなく役立つでしょう。大学院に進学すると論文執筆をさらに徹底して行います。これもまた、大学院で学ぶメリットですね。

―最後に、高校の先生方と受験生にメッセージをお願いします。

教員の仕事には、教科を教える楽しさだけでなく、学級運営の苦労もあります。教育実習を通して、実際の現場に立ち会うことで教員としての自覚が芽生えます。もし、教員の適性が見いだせなかったとしても、文学部で身に付けた知識や能力は、教員以外の職業でも活かすことができます。本学で学ぶことで、広い選択肢を得られると言えるでしょう。

高校生の段階、あるいは大学を卒業する段階で職業を選ぶことは、決して簡単なことではありません。それならば、大学時代にはさまざまな学びに触れたり体験をしたりして、自分の可能性や興味を「試す」ことが大切だと言えます。何を試すことができるか、どんな学生生活を送ることができるかは、大学の「環境」で決まります。本学の場合は、日本を見つめ直したり、学びに没頭できる4年間を送ることができます。「そういう大学時代も面白そうだな」と興味を持ってくれた方と、本学でともに学べることを楽しみにしています。

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