どんなことでも相談できる最初の窓口
東京工芸大学芸術学部の学修サポートセンター

どんなことでも相談できる最初の窓口<br>東京工芸大学芸術学部の学修サポートセンター

大学通信では、毎年全国の進学校約2000校の進路指導教諭を対象に“オススメの大学”についてのアンケートを行っている。昨年の調査で、東京工芸大学は「面倒見が良い大学」「小規模だが評価できる大学」の2項目で上位にランクインした。そんな東京工芸大学の強みを体現するような施設として、2021年4月に中野キャンパスに学修サポートセンターが誕生した。その取り組みについて、学修サポートセンター長の高木聖教授に聞いてみよう。

取材・文 雫 純平(大学通信)

基礎教育の専任教員が日替わりで常駐

東京工芸大学 基礎教育主任
学修サポートセンター長 高木聖教授

―まずは、学修サポートセンター開設の経緯を教えてください。

以前、本学の芸術学部は1〜2年次は厚木キャンパス(神奈川・厚木市)、3〜4年次は中野キャンパス(東京・中野区)と、2つのキャンパスにまたがって就学していました。それを2019年に4年間中野キャンパスでの就学に一元化することになり、併せて施設・設備の拡充が行われることになりました。基礎教育を担当する教員の研究室が入るこの8号館は、20年11月に竣工したばかりの新しい建物です。厚木キャンパスには主に工学部生を対象とする学修支援センターが既にありましたが、中野キャンパスにも同様に学修面での支援活動を行う施設が必要と考え、21年4月に8号館1階に設置されたのがこの学修サポートセンターです。

―学修サポートセンターは、どのような施設なのですか。

基礎教育の専任教員と卒業生の事務スタッフが日替わりで常駐しており、学生たちのあらゆる相談に対応する窓口となっています。例えば、レポートやエントリーシートなど、書いた文章を添削してもらいたい場合。論文作成にあたって、文献の探し方を相談したい場合。大学院進学や留学について、情報がほしい場合などです。また、私生活の相談や、ちょっとした雑談などをしに来ていただいてもかまいません。昼休みや授業の合間などにふらっと足を運び、教員と話ができる場として学生たちに活用されています。

―学修サポートセンターという名称ですが、学修以外の相談事にも対応しているのですね。

どんな相談事でも歓迎しています。学修サポートセンターでは対応しきれないこともありますが、まずは我々が最初の相談窓口となり、専門教育に関することであれば各学科へ、健康や生活面に関することであれば保健センターへ、奨学金や就職支援等に関することであれば事務局へと、必要に応じて各部局へ連携していきます。ただ、そこまでせずとも、ここで教員やスタッフと話すことで簡単に悩みが解決できてしまうような場合も多々あります。

相談員の立場から学生たちの考えに寄り添う

―厚木キャンパスの学修支援センターとはどのような違いがありますか。

厚木キャンパスは工学部の就学キャンパスですので、数学や物理、化学など高校時代の教科科目でつまずいてしまったために、大学での学びにスムーズに入れない学生の学力サポートが主となっています。一方、中野キャンパスは芸術学部です。撮影や作画を学ぶにあたり、高校時代の学力差が問題になることはそれほどありません。それよりも、大学進学で一人暮らしを始めた学生や、コロナ禍で遠隔授業も多く友人と接することができない学生など、心細さを感じている学生が多くいますので、その心のケアに重きを置いています。

―最近ではどのような相談を受けましたか。具体的な事例を教えてください。

私は基礎教育で社交的な文章を学ぶ「日本語表現法B」という科目を担当していますので、文章の書き方についての相談を受けることが多いです。最近では、映像学科の学生が自身の出身高校を撮影に使いたいので、学校長宛ての依頼文の書き方を教えてほしいという相談を受けました。また、卒業制作の時期であれば制作物に添える説明文の書き方についての相談も多いです。卒業制作展には芸術を専門としない方も含めて、幅広い年代の多くの方が来場します。誰もが分かりやすく読める文章を書きたいというような相談をよく受けています。

―普段の授業のときと学修サポートセンターでの相談のときとで、学生との接し方に違いはありますか。

普段の授業は単位取得が関わってきますので、学士としてふさわしいレベルに達するよう、場合によっては厳しく学生を指導する必要があります。一方、学修サポートセンターは指導ではなく、あくまでサポートのための場です。正解を押し付けるようなことをつつしんでいます。学生の考えをよく聞いて、寄り添うような、相談員としての立場を意識しながら学生と接しています。

―高等学校の進路指導教諭へのメッセージをお願いします。

本学は大正12年に写真の専門学校として誕生しました。最先端の技術を世の中に普及させるという使命は、開学から100年が経とうとしている今も変わりません。

大学でゲームやマンガを学ぶことに不安を感じる先生もいらっしゃるかもしれません。ですが、クリエイターとして大成している卒業生も多くいますし、編集や企画広報など専門性を活かした職に就くことも可能です。卒業後の進路選択の支援にも力を入れておりますので、芸術に興味のある受験生がいれば安心して送り出してください。

学修サポートセンタースタッフインタビュー

―学修サポートセンターのスタッフになった経緯を教えてください。

私は2020年に卒業したあとも作品制作を続けており、本学の教職員の方々とも連絡をとっていました。そのとき、ちょうど21年に学修サポートセンターができることになり、スタッフを募集しているとのお話をいただきました。自分の在学中の経験が後輩たちのお役に立てればと、この仕事をお引き受けしました。

―今はどのような仕事をしていますか。

主に学生生活の相談を受けています。特に、4月は1年生から科目履修の相談を受けることが多いです。「どの科目を何単位とればよいのか」いう履修システム上のことから、「おすすめ科目はどれですか?」というカジュアルなことまで様々な相談を受けています。

―卒業生の立場として、学修サポートセンターの取り組みをどう思いますか。

私の在学中は学修サポートセンターがなかったので、悩みがあれば自分から研究室や事務局に相談に行く必要がありました。それでも問題はありませんでしたが、学生の性格によっては抵抗を感じる場合もあったのではないでしょうか。このような相談窓口ができたことは素晴らしいことだと思います。私もスタッフの一員として、今後も学生たちのサポートをしていきたいです。

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