早慶MARCHから国公立大学まで
~山手学院の進路指導の現在について。

早慶MARCHから国公立大学まで<br>~山手学院の進路指導の現在について。

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創立当初から国際交流に力を入れたグローバル教育で知られている山手学院中学校。神奈川県内ではMARCH・早慶を中心に安定した進学実績を上げていたが、近年は国公立大学への進学も目覚ましく、旧帝大クラスへの合格者も少なくない。入学後、6年間の中高一貫教育でどんな学びや体験が用意されそれがどう進路実績に作用しているのかーー進路指導部の片山真巨人先生にお話をうかがった。

取材:井沢秀(大学通信)

めざましい近年の大学合格実績

数学を学ぶことは、結果的に人生の選択肢を広げてくれる

ーー近年、山手学院は目覚ましい進学実績をあげています。以前からMARCHの合格者数は安定していましたが、最近は国公立大学への進学がとりわけ伸びている印象です。学校の進路指導方針や、生徒さんの大学選びに何か変化があったのでしょうか。

片山先生 過去の合格実績や先輩たちの進路を見てきたので、生徒たち自身に「MARCHはもちろんより自分が学びたいことにフィットした環境を備えた大学に行きたい」という意識が芽生えてきたことが非常に大きいと思います。早慶の合格者もたくさんいますが、近年は偏差値や難易度の高さだけではなく大学の施設・設備にまで目を向けて国公立大学を選ぶ子が増えてきました。

早慶MARCHだけでなく国公立大が増えている
有名私大へは全国レベルの合格者数を誇る

例えば国公立大学では1人1つ使える実験器具が、都内の私立大学では2人に1つだったりするケースがあります。1人で実験するのと、みんなで1つを共同作業で行うのとでは、体験の密度が違いますよね。特に理系の学問領域ではそういった設備の差が顕著にあらわれますから、国公立大学の環境面の充実度は魅力的です。

本校では毎年6月ごろに卒業生に合格体験記を書いてもらっているのですが、やはり国公立大学に進学した先輩の声については、生徒の反響も大きいです。

近年生徒たちが国公立大の環境に着目しだした

ーー実際に国公立大学に進学した先輩からは、どんな感想が寄せられるのでしょうか

片山先生 先ほどお話したような設備面はもちろん、人の多様性からも刺激を受けているようですね。国公立大学にはさまざまな地域から学生が集まってきますから、考え方や価値観だけでなく、言葉や食も違います。北海道大学に進学した学生は雪が大変だと言っていましたが、気候だって同じ日本でこれだけ違うのだと。やはり都内の私立大学に通うよりも、出会える人や受ける刺激の幅は大きいでしょうね。
特に本校で人気が高いのが、旧帝国大学です。理系分野では最先端の研究をしているところが多く、科学研究費も他の大学より多いです。

山手学院中学校・高等学校 進路指導部長 片山 真巨人先生(数学科)

ーー国公立大学を含めて、何か特別な受験対策を行っているのでしょうか

片山先生 中高一貫教育の良いところだと思いますが、中学から入った生徒はほぼ高校2年までに教科書の内容を学び終えて、高校3年からは大学入試に向けた演習になります。授業そのものに受験対策が盛り込まれているので、高校3年まで学校の授業で大学受験対策は十分に対応できます。特に近年は成績上位層の生徒ほど塾には通わず、学校の授業だけで大学に合格しているケースが多いです。

あとは春・夏・冬の長期休暇にそれぞれ講習を開いています。これは難関大学の受験を視野に入れたハイレベルなものや、苦手科目の強化・補習的なものまでいろいろ設定しているので、これが実質的に予備校の役割を果たしているのかもしれません。学校としても長期休暇でも生活のリズムを崩すことなく、しっかり学力をつけて新学期に向かってもらいたいと考えています。

また山手学院のカリキュラムの特色として、文系理系を問わず全員が高校2年まで数学を学びます。これは数学的な素養や考え方、論理的思考力をしっかり身に付けて卒業してほしいから。たとえ文系の生徒であっても、この力は小論文を書く際に非常に重要な素養になります。もちろん苦手な生徒もいるのですが、いまは必要性がわからなくてもいずれ社会に出た時に数学を学んだ意味が見つかるといいですね。

ーー早稲田大学の政治経済学部など、数年前から私立大学の文系学部でも受験科目に数学を入れるところが徐々に増えてきています。

片山先生 大学に入っても経済・経営・商学部などであれば会計学を含めて数学は必要ですし、社会に出るときは就職活動や入社試験でも数学的な素養が必要とされ、数学は一生ついて回ります。

数学はとても手順を大切にする学問ですし、考えた道筋が違っていたらもう一度戻ってやり直す、というのもよくあることです。とりあえずトライしてダメだったら戻ってもう1回チャレンジして、手順を一つひとつ踏んでいくことは、これからの時代にとても必要とされる力です。大学入試だけでなく、人生において自分の選択肢を広げてくれる科目として捉えてほしいです。

受験科目に関係なく数学力は一生モノと考えている

ーー数学必須とのことですが、文・理でクラス分けはしているのでしょうか

片山先生 高校2年の進学時に文系・理系でクラス分けをしています。ただ難関国公立大学を目指す選抜クラスについては文理混合にしています。お互いの得意分野を教え合うことで理解が深まり、いい相乗効果が出てきていますね。

また私大文系を目指している生徒も、学校としてはしっかり数学ⅡBまで勉強して共通テストを受けてほしいと考えています。一般私大受験より科目数の負担は増えますが、やはり共通テストは良質な問題です。そこを目指して基礎学力が上がってきたことも、学校全体として国公立大学を目指す生徒の増加につながっているのではないでしょうか。

探究型の学びで総合型選抜や公募制推薦にも対応

国内外の課題解決を自分ごととして考え、学びを深める

ーー近年は探究型の学びを文科省が推奨しています。国立大学でも「受験勉強以外でどんなことを能動的に考えて学んできたのか」に目を向けるべく、従来型の入試から推薦入試の枠を広げています。山手学院ではどのような取り組みを行っているのでしょうか?

片山先生 土曜日に「土曜講座」という授業を行っています。通常授業の補習講座から、検定試験対策の講座、保護者のための着付け講座や中国語・韓国語の講座などもあります。
その他にもGLP(Globel Leader Program)という課外プログラムの教育活動を行っていて、そこで普段の授業とはまた違ったことを学ぶ機会を設けています。例えばプログラミングであったり、SDGsについて考えたり、時には日本に留学中の外国人学生を迎えて英語でディスカッションすることもありますね。
他にも、アントレプレナーシップを学んだり、海外の学生と交流したり、国内外の課題解決学習に取り組むなどの活動を行っています。近年はコロナの影響もあり、国内課題を中心に扱っています。徳島県の循環型街づくりの仕組みを考える、沖縄県のやんばる地域の課題について考えるなど、日本の中でもさまざまな取組みや体験が可能です。コロナでいろいろな制約がある時代ではありますが、国内でもいろんな新しい取り組みにトライして、積極的に刺激を受けてみてほしいですね。

GLPエンパワーメントプログラム
GLP国内ツアー(鯖江市)にて

ーー実際にそういった学びを活かし、推薦入試に挑戦する生徒もいるのでしょうか?

片山先生 はい、これらのプログラムやイベントに参加して体験をしたことを元に、総合型選抜や公募制推薦に挑戦する生徒が増えてきました。

昨年はそのうちの1名が一橋大学の総合型選抜に合格しています。中学から入学した生徒なのですが、中学3年時にオーストラリアでのホームステイ体験を経て、さらに中学3年の冬に3か月間のニュージーランド留学に行っています。その後高校1年生の夏にはボストン研修といって、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学でアントレプレナーシップの講義を受けたり、現地の大学生とディスカッションしたりする海外プログラムにも参加するなど、積極的にさまざまな経験を積んできました。その中で自分が大学で学びたいことを見つけて、一橋大学を第一志望にしたと聞いています。中高6年間の体験と学びが、こうした形で評価されるのは学校としても非常にうれしいですね。

ーー山手学院はさまざまな海外研修でも知られています。現在はどのような海外研修が用意されているのでしょうか。

片山先生 中学3年ではオーストラリアで1週間のホームステイ、高校2年では北米(アメリカ・カナダの各都市)で2週間のホームステイを全員参加型で行います。その他にも任意参加の3か月間のニュージーランド留学や、シンガポールイマ―ジョンプログラムという10日間の短期留学プログラムも用意しています。これは現地のインターナショナルスクールの授業に参加してディスカッションやプレゼンテーションを行ったり、シンガポール国立大学の学生と課題解決型アクティビティに参加したりするものです。

特にニュージーランド留学は1つの学校に山手学院生が1人しかいないように配置するので、どの子も英語力は非常に向上します。中高6年間で経験した海外研修を通じて、海外大学への進学や留学に興味をもつ生徒も多いですね。

ここ2年は新型コロナウイルスの影響で国際交流は制限されることも多かったのですが、これからも子どもたちが可能性を広げ、いろんな刺激を受けられる機会を充実させていきたいです。

シンガポールイマージョンプログラム
ニュージーランド中期留学

中学から入学して山手の良さを最大限享受しよう

主体性と広い視野を育む、自由な校風とは

ーー今日学校を訪問してあらためて感じましたが、これほど進学実績が伸びているのにも関わらず、校内の雰囲気が明るく伸び伸びとしていて驚きました。

片山先生 自由をモットーとする校風でしょうね。山手学院では「Wise Freedom」といって、他者の誇りと自由を尊重したうえで成り立つ自分の誇りと自由というものをしっかり認識すべきだと考えています。そのうえでひとり一人が自分らしさを発揮してほしいですね。

ーー片山先生から見て、山手学院の生徒さんはどんな印象ですか?

片山先生 本当にいろんな子がいますよ。全体的に明るくて素直ですが、元気で活発な子もいれば、一人でいるのが好き、読書が好きという子もいて、あまり偏りがないです。それに山手学院は他校にないようなおもしろい部活がたくさんあって、それぞれのタイプの子に合った居場所が用意されています。

「どんなひとにも居場所があるのが山手の魅力」と語る片山先生

例えば本が好きで文芸創作部に入っている子もいれば、ねころ部といって動物のボランティアを行っている部活もあります。ボランティア部は別にあるのですが、ねころ部は動物を対象にしたボランティアに特化していて、山手祭(文化祭)でカレンダーやポスター、自分たちが作成した手芸品などを販売し、その収益で動物の去勢手術をしたり里親探しをする活動を行っています。本当に主体性が高く、個性豊かで自由な校風があらわれているな、と思いますね。

動物を対象にしたボランティア活動を行う「ねころ部」

他にもマウンテンバイク部がある中高というのは、かなりめずらしいのではないでしょうか。山手学院は敷地も広大ですし、学校のすぐ裏手に山があり、マウンテンバイクで走れる自然豊かな練習環境が整っています。なかにはプロチームの運営をしながらレースに参戦している先輩もいたりします。

近所から鎌倉~逗子葉山まで自然豊かな環境を活かして活動する「マウンテンバイク部」

ーー 中学入学生と高校入学生で学校生活はどのように変わってきますか?

片山先生 授業の進度が違う5教科はクラスを分けざるを得ませんが、それ以外の体育、音楽、美術などの授業はなるべく一緒になるように組んでいるのですぐに打ち解けますし、部活は一緒なので学校生活は変わりません。

ただ高入生は中入生よりも授業のスピードを上げて行かなければならないので、少し脱線してプラスアルファの話をするような機会は少ないかもしれません。例えば数学でいうと数学の歴史ですとか、公式を発見した人物の話や当時の時代背景などはちょっとした雑学ですが、知ることで数学が面白くなるきっかけにもなりますから。

本校の魅力である国際交流を長期スパンで経験できるという点では、やはり中学から入学していただくことをおすすめします。それ以外にも土曜講座やGLPなどいろんな体験ができる探究型の研修やプログラムを用意していますから、ぜひ入学したら積極的に挑戦して、自分の可能性を広げてください。

オーストラリアホームステイ

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